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『魔神英雄伝ワタル』など昭和63年のアニメが懐かしい。平成のアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』番外編

2020.05.17 <PASH! PLUS>

 平成30年分のTVアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』シリーズ! 今回は番外編として、昭和63年(1988年)のアニメを振り返ります。

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 なぜ昭和63年(1988年)の記事があるかというと、筆者が執筆開始時に「30年分だから2018年-30年=1988年から始めればいいってことだな!」とざっくり計算したところ、執筆を終えるまで1988年が昭和だと気づかなかったためです(笑)。ご利用は計画的に……。

 昭和63年は、グルメ漫画の金字塔『美味しんぼ』、キテレツやコロ助の日常を描いた『キテレツ大百科』、不良少年たちの友情や死闘を描いた『魁!!男塾』などが放送されました。

 今回は、数ある昭和63年に放送されたTVアニメのうち、独断と偏見で選んだ4作をご紹介します!

豪華声優陣が出演!赤塚不二夫のギャグ漫画をアニメ化した『おそ松くん』

 週刊少年サンデーなどで連載された赤塚不二夫の代表作『おそ松くん』。おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松からなる6つ子やその周囲の人間が織りなすドラバタ劇を描いたギャグ作品です。

 昭和41年(1966)年に第1作目、昭和63年(1988年)に第2作目が放送。2015年には赤塚不二夫の生誕80周年を記念して、6つ子たちが大人になった姿を描いたTVアニメ『おそ松さん』が制作されたことでも大きな話題を集めました。このほかにも1985年にはドラマ化されています。

 『おそ松さん』は、櫻井孝宏さんがおそ松、中村悠一さんがカラ松、神谷浩史さんがカラ松、福山潤さんが一松、小野大輔さんが十四松、入野自由さんがトド松を演じるなど“豪華すぎる声優陣”の出演で放送前から大きな話題を集めましたが、昭和63年に放送された『おそ松くん』も「そんな豪華なメンツを集めていいの?」と驚いてしまうくらい著名な声優陣が出演しています。

 この年に放送された『おそ松くん』では、おそ松を『機動戦士ガンダム』セイラ役の井上 遥さん、カラ松を『クレヨンしんちゃん』風間トオル役の真柴摩利さん、チョロ松を『ポケットモンスター』サトシ役の松本梨香さん、一松を『ドラえもん』スネ夫のママ役の横尾まりさん、十四松を『名探偵コナン』鈴木園子役の松井菜桜子さん、トド松を『新世紀エヴァンゲリオン』綾波レイ役の林原めぐみさんが演じています。このメンツだけでも驚愕を隠せませんが、このほかにもイヤミを『ドラえもん』初代スネ夫役の肝付兼太さん、チビ太を『『ONE PIECE』ルフィ役の田中真弓さんらが演じています。

 そんな豪華声優が演じる6つ子たち。『おそ松さん』では“20歳を超えたニート”として悪名を轟かせていましたが、『おそ松くん』では10歳の小学5年生として登場。『おそ松さん』 では色違いのパーカーやアホ毛の本数などで差別化されていましたが、『おそ松くん』では両親でも区別がつかないくらいそっくりな6つ子として描かれています。

 『おそ松くん』の特徴として“当時の流行を取り入れていた”ことがあります。トト子が松田聖子の『スイートメモリーズ』(1985年発売)を歌っていたり、のりピー語を話していたり(1986年に流行)、イヤミが光GENJIのファン(1987年~)など、昭和60年代の流行が数多く取り入れられています。この当時を知る方はきっと「懐かしい」と感じることができ、知らない方は「こういったものが流行っていたんだ」と当時を知ることができるはず。気になる方は当時に思いをはせつつチェックしてみてはいかがでしょうか。
 
 ちなみに、赤塚不二夫と先生といえば『天才バカボン』を思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は『おそ松くん』のほうが先に誕生していたことをご存知でしたか(筆者はこの執筆にあたって知りました)? 

正義や悪とは何かを考えさせられる『それいけ!アンパンマン』

 現在も放送中の『それいけ!アンパンマン』は、昭和63年(1988年)に放送がスタートしました。放送当初は全24話で放送を終了する予定だったそうですが、放送を重ねるごとに人気をつけ放送期間を延期。今や『サザエさん』、『ドラえもん』に次ぐ長寿アニメとなりました。

 また、2009年には“登場キャラクターが最も多いアニメシリーズ”としてギネス記録に認定されています。登場キャラクターの総数はなんと1000人以上にも上るのだとか。めっちゃ多い。そのうちの20キャラクター(代役含む)はチーズ役を演じる山寺宏一さんが演じています。数えているうちに増え続けるキャラクター数に「まだあるの…!?」と最早恐ろしくなりました。

 そんな『それいけ!アンパンマン』には、困っている人のために働きかけ、時には自分の顔を食べさせてしまう“アンパンマン”、そんなアンパンマンをやっつけるためにバイキン星からやってきた“ばいきんまん”という2体のキャラクターが登場します。物語ではアンパンマンが正義のヒーローであり、ばいきんまんが悪の親玉としてアンパンマンに立ちふさがる宿命のライバルとして描かれています。

 基本的なストーリーは、ばいきんまんが“悪さ”を行い、それをアンパンマンが懲らしめて、最後は「バイバイキーン!!」の名言とともにばいきんまんが吹っ飛ばされてしまう……という勧善懲悪の形がとられています。子供のころは「敵を倒したアンパンマン格好いい!」という見方をしていたのですが、改めてばいきんまんの行動を見てみると、他のキャラクターにいたずらをしたり、物を奪ってしまったりと結構“可愛いいたずら”をしていることが多いのです(もちろん“いたずら”と呼べないレベルの悪事を働くこともたくさんあります)。

 そして、いたずらばかりをしているわけではなく、キャラクターに良いことをされると良いことで返していたり、しょくぱんまんを思うドキンちゃんのために協力したりする姿を見ると“完全な悪い子”ではないのかもしれません。正義のヒーローのライバルに感情移入してしまうたちなので、「ばいきんまんがなんだか不憫じゃないか?」とも思ったのですが、時として度が過ぎるいたずらをしでかしてしまうばいきんまんを止めるアンパンマンという存在がいるからこそ、“ばいきんまんが本当の意味での悪役になっていない”のかと思いました。ありがとうアンパンマン……。

 『それいけ!アンパンマン』は、子供や大人に“正義とは何か?悪とは何か?”そして“生きがいとは何か?”を教えてくれるアニメなんじゃないかと思います。30周年を迎えるこの機会に改めて見返してみると、また違った視点で楽しめるかもしれません。個人的には『アンパンマンとイタイノトンデケダケ』をおすすめ。良いばいきんまんを見ることができます。

歴代最高視聴率を誇るシリーズ3作目の『ゲゲゲの鬼太郎』

 『ゲゲゲの鬼太郎』のTVアニメシリーズはこれまでに5シリーズが放送されていますが、昭和63年に放送された第3期『鬼太郎』は昭和最後の鬼太郎にして歴代最高の視聴率を誇るシリーズです。

 ひとつ前のシリーズとなる第2期『鬼太郎』では、原作『ゲゲゲの鬼太郎』がもつ薄暗い雰囲気がより色濃く反映された“ただただ怖い妖怪とのストーリー”が描かれています。第3期『鬼太郎』は、そうした“怖い鬼太郎”とは真逆の“ヒーローとしての鬼太郎”の姿が描かれており、現代社会で生きる妖怪と人間の共存のために鬼太郎が活躍します。

 そして『鬼太郎』と言えば鬼太郎、目玉おやじ、猫娘、ねずみ男、砂かけばばあ、子泣き爺らがメインキャラクターとして登場しますが、第3期鬼太郎にはオリジナルキャラクターとして“天童ユメコ”通称ユメコちゃんが登場します。天童ユメコは、第2話で鬼太郎に助けられたことで友達となった小学生。妖怪に襲われた経験がありながらも“妖怪を信じようとする気持ち”を持つなど第3期で描かれているテーマを象徴するキャラクターです。いわゆるヒロイン枠の子ですね。

 そんな第3期鬼太郎ですが、最終回は衝撃的な内容に「トラウマになった」と語る人も少なくありません。かくいう私もその1人。子供のころに見てボッロボロに泣きました。なぜ最終回がトラウマになっているのかというと、舞台が地獄であること、そして希望が見えたと思いきや突如として絶望が襲い掛かるという“救われない”内容があまりにも悲しい。ここで多くを語ってしまうのはもったいないため、記載は控えますが見ればきっと「救われないなぁ」と思うことでしょう(執筆にあたり見直したら当然の如くメンタルをやられました)。

サンライズが送る平和なロボットアニメ(?)『魔神英雄伝ワタル』

 最後にご紹介するのはサンライズによるRPG冒険ファンタジーロボットアニメ『魔神英雄伝ワタル』です。サンライズと言えば『機動戦士ガンダム』や『コードギアス』など“ロボットもの”を得意とするアニメ制作会社。『魔神英雄伝ワタル』もロボットが活躍するアニメではあるのですが、ギャグ作品でありノリで言うと同社がアニメ化した『銀魂』や『焼きたて!!ジャぱん』のノリに近いかも?

 ロボットアニメは戦闘シーンがメインで描かれ、闘いの最中に主要キャラクターが悲劇の死を向迎えることも少なくありません。しかし、この『魔神英雄伝ワタル』は戦闘シーンよりもギャグシーンが多く、死亡キャラクターがでることもほとんどない……というとても平和なロボットアニメです。「推しに死んでほしくない!」という方におすすめ。

 物語はごく普通の小学生・戦部ワタルが守護龍に神々の世界へと連れていかれたことをきかっけに、悪の帝王・ドアクダーを退治するために旅立つというストーリー。旅を続けるには困っている人を助けたり、アイテムを入手する必要があるなどファンタジーRPGの要素が取り入れられているのも見どころ。

 戦部ワタル役を田中真弓さんが演じているほか、玄田哲章さん、林原めぐみさん、西村知道さん、山寺宏一さんら豪華声優陣が出演しています。

昭和63年の日本はどうだった?

 ちなみに昭和63年の日本では、東京ドームや瀬戸大橋、青函トンネルなどが開通。ファミコン用ソフト『ドラゴンクエストIII』が発売されたほか、セガの家庭用ゲーム機「メガドライブ」誕生、スタジオジブリの『となりのトトロ』&『火垂るの墓』が公開されました。

 次回の『平成アニメ備忘録』をお楽しみに!

過去の記事はこちら

第1回(1989年/平成元年)

第2回(1990年/平成2年)

第3回(1991年/平成3年)

第4回(1992年/平成4年)

第5回(1993年/平成5年)

第6回(1994年/平成6年)

第7回(1995年/平成7年)

第8回(1996年/平成8年)

第9回(1997年/平成9年)

第10回(1998年/平成10年)

第11回(1998年/平成11年)

第12回(1999年/平成12年)

第13回(2000年/平成13年)

第14回(2001年/平成14年)

第15回(2002年/平成15年)

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