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鬼宿や心宿ら七星士に“ときめきの導火線”を点けられた『ふしぎ遊戯』! 平成のアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』第7回

2018.09.24 <PASH! PLUS>

 平成が終わる前に30年分のTVアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』シリーズ! 今回は平成7年のアニメを振り返ります。

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 この連載では、30年間に放送されたTVアニメの中から気になるタイトルを独断と偏見でピックアップしつつ、アニメとともに元年から平成を振り返っていきます。

 この年は、週間少年ジャンプで連載されていた忍者漫画『NINKU -忍空』や、秋元 康さん原作の少女漫画『ナースエンジェルりりかSOS』などがTVアニメ化。ほかにもコメディSF『天地無用!』や青春群像劇『行け!稲中卓球部』、同名ゲームを原作とした『バーチャファイター』、華麗なマジックが魅力の怪盗『怪盗セイント・テール』などが放送されました。

 今回は、数ある平成7年に放送されたTVアニメのうち3作をご紹介します!

社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』

 今なお根強い人気を誇る『新世紀エヴァンゲリオン』。最近では『新幹線変形ロボ シンカリオン』にエヴァモデルのシンカリオン&運転士として主人公・碇 シンジが登場したことでも話題になりましたよね。

 本作は、大災害“セカンドインパクト”が起きた世界を舞台に、主人公・碇 シンジを始めとする14歳の少年少女が、襲来する謎の敵“使徒”と戦う姿を描いた物語。わずか14歳の少年少女が国の存亡をかけて戦う姿、戦いと失いの日々に葛藤する少年少女、絶望的なまでに世界を襲う使徒……フィクションとは思えない実社会性を持ったアニメとして、『エヴァ』は放送から現在に渡って社会的現象を巻き起こしました。

 『エヴァ』の見どころの一つは、“未熟な子供の成長”を描いている点。大災害“セカンドインパクト”、そして襲い来る“使徒”から社会を守るため、子供たちは“汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(EVA)”に乗り世界を救うことを求められます。そこには個人の意見や意思は介入できず、“世界を救うため”という意思一つのみが存在。その状況下で主人公・碇 シンジは苦悩・葛藤し、綾波レイはその運命を受け入れ、惣流・アスカ・ラングレーは誇りに思う。そして数多の苦難を乗り越えた先の三者三様の感情は、『エヴァ』という世界の根幹であり、私たち視聴者が「この状況に置かれたらどうしただろうか」というリアルな感情を反映しています。

 こうした作品の世界観はもちろんのこと、オープニングテーマ『残酷な天使のテーゼ』や、黒字に白の文字列で記したサブタイトル、「この次もサービス、サービスぅ!」のフレーズが印象的な次回予告など、本編以外のところでも強烈なインパクトを残しています。

少女の数奇な運命描く『ふしぎ遊戯』

 『ふしぎ遊戯』は、渡瀬悠宇さんが『少女コミック』にて連載した少女漫画を原作としたTVアニメ。高校受験を控えた中学3年生の夕城美朱と本郷 唯が、“四神天地書”という書物を開いたことをきっかけに、古代中国に似た異世界“四正国の紅南国”に飛ばされてしまいます。ふたりは“朱雀の巫女”、“青龍の巫女”となり、七星士たちとともに数奇な運命を辿ることに…。

 現実世界では美朱の兄が“四神天地書”について調べ奔走。現実と異世界が複雑に交錯しあう壮大な世界観は、少女漫画を原作としたアニメではあるも、数多くの男性ファンも獲得しました。

 本作では、親友であった美朱と唯が策略やすれ違いで敵対してしまう姿や、大切な人を失う痛みを経て成長する姿、愛する者に恋い焦がれ、悩む姿が描かれており、異世界での愛と友情、そして冒険の日々は、幼いころに憧れた世界そのもの! 

 そして登場するキャラクターたちのバックボーンを知れば知るほどに慈しみがわいてくる、繊細な描写も見どころです。戦いの最中に登場する敵キャラクターでさえも、その背中に背負うものを知れば知るほどに「なぜ戦わなければならないのだろうか」と思ってしまうほど。そして、戦いが主軸の物語であることから、失ってしまうキャラクターがいることにも涙を禁じえません……。

 またイケメンキャラクターも多く登場。正義感溢れる鬼宿(CV.緑川 光)や知的な星宿(CV.子安武人)、心宿(CV.古澤 徹)など魅力的なキャラクターが数多く存在し、『ふしぎ遊戯』の女性向け恋愛ADVも発売されています。

いぢめる? 癒し×哲学アニメ『ぼのぼの』

 最後にご紹介するのは癒し&哲学系アニメ『ぼのぼの』。いがらしみきおさんによる4コマ漫画を原作としたアニメで、タイトルは主人公であるラッコの名前でもあります。

 主人公のラッコ・ぼのぼのやその友達のシマリスくん、アライグマくん、スナドリネコさんなど、本作に登場するキャラクターはすべて動物。可愛らしい絵柄とキャラクターは一見すると児童向け作品ですが、哲学的なストーリー・セリフは大人になった今だからこそより一層の深みを感じられる作品でもあります。

 のんびり屋な性格のぼのぼのは、常に物思いにふけっており、想像力が豊かすぎて時には恐ろしい妄想に取りつかれることも……。何気なく発されるぼのぼのの言葉には、物事の本質をとらえたかのような名言を生み出すことがあります。また、ぼのぼのだけでなく、シマリスくんやアライグマくん、スナドリネコさんといった友人たちの何気ない一言には、視野が広くなるにつれて見失いがちだった何かが含まれていることもしばしば。

 個人的に好きな言葉は、ぼのぼののお父さんの「みんなね 生きて行けなくなると 死ぬんだよ」、スナドリネコさんの「たいがいの頭にくることって他人といっしょにいるから起きることなんだよ。だからひとりになるとすっきりするんだろ」の2つ。

 子供たちの何気なく発する言葉は物事の本質をとらえていますが、大人たちの言葉には長く生きているからこその経験則が含まれているのが魅力。可愛い動物たちに癒されながらも、発される言葉の数々に“生きていくとは何であるか”を考えされてくれるアニメです。

 そしてシマリスくんの「いぢめる?」はぜひともアニメ版を聴いてほしい。可愛い!

平成7年の日本はどうだった?

 ちなみに平成7年の日本では、海の日が制定されたほか、テニス・ウィンブルドン選手権大会で、松岡修造さんが日本人男子選手として62年ぶりにベスト8進出、任天堂が3Dゲーム機“バーチャルボーイ”発売、初代プリクラ“プリント倶楽部”が誕生しました。プリクラが誕生して10年経つことにびっくり。

  次回の『平成アニメ備忘録』をお楽しみに!

過去の記事はこちら

第1回(1989年/平成元年)

第2回(1990年/平成2年)

第3回(1991年/平成3年)

第4回(1992年/平成4年)

第5回(1993年/平成5年)

第6回(1994年/平成6年)