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『きんぎょ注意報!』や『ダイの大冒険』が放送された平成3年! 平成のアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』第3回

2018.09.10 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 平成が終わる前に30年分のTVアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』シリーズ! 今回は平成3年(1991年)のアニメを振り返ります。

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 この連載では、30年間に放送されたTVアニメの中から気になるタイトルを独断と偏見でピックアップしつつ、アニメとともに元年から平成を振り返っていきます。

 平成3年は、サンライズ制作のロボットアニメ『絶対無敵ライジンオー』、海外サッカーを描いた『燃えろ!トップストライカー』、架空のモータースポーツによる激闘が熱い『サイバーフォーミュラ』などが放送されました。

 今回は、数ある平成3年に放送されたTVアニメのうち3作をご紹介します!

田舎っ子と都会っ子が織りなす学園コメディ『きんぎょ注意報!』

 『きんぎょ注意報!』は、猫部ねこが『なかよし』にて連載した同名漫画を原作としたTVアニメ。田舎育ちの主人公・わぴこと都会育ちのお嬢様・藤ノ宮千歳(ちーちゃん)が織りなすドタバタ学園コメディです。

 都会ノ学園に通うお嬢様であった藤ノ宮千歳は、実業家であった父親の死により財産を失い、家宝である“幸運を呼ぶ空飛ぶ金魚”のぎょぴちゃんだけを連れて転校することに。転校先の田舎ノ中学は貧乏中学で、牛や鳥など動物たちが生徒として着席する奇妙な学校。千歳は思いがけない空間に激しくギャップを感じてしまいます。一応、“豊かな人間形成を進める”という校則の元、動物たちがクラスメイトなわけですが、転校した学校の同級生が牛や鳥だったらびっくりするよね。

 そんななか、千歳のぎょぴちゃんが盗まれそうになり、クラスメイトであるわぴこが阻止。ぎょぴちゃんを盗もうとした犯人は、藤ノ宮家の顧問弁護士・田中山。その後、田中山は千歳の亡き父の財産をくすねていたことが発覚し、財産を取り戻した千歳は遺産を投資して廃校寸前の田舎ノ中学を立て直すことに! 理事長兼生徒会長に就任し、“知的で品のある校風の学校”を目指します。

 本作の見どころは“自由過ぎる学園生活”にあります。牛や鳥が同級生というとんんでも設定に始まり、勉強な掃除の時間まで遊びに変えてしまう常識はずれな学園生活は、ヤバイを通り越して最早羨ましくなるレベル。さらに部活の種類も個性的でおでんクラブやめろんクラブなど、「そんなのあり!?」な部活ばかりが登場します。

 また主人公はわぴこですが、アニメは千歳視点で進みます。自由に生きるわぴこたち田舎ノ中学生徒たちに巻き込まれながらも、学園を変えようとする彼女の頑張りをぜひチェックして!

ゴマフアザラシの赤ちゃんと少年の日常が笑って癒される『少年アシベ』

 ゴマアザラシを可愛い生き物として認知させてくれた『少年アシベ』。原作は『週刊ヤングジャンプ』にて連載され、1991~1992年までTVアニメ放送されました。

 本作はゴマフアザラシの赤ちゃん・ゴマちゃんと小学1年生の芦屋アシベとの日常を描いたギャグ作品。実家が燃えたことで転校することになったアシベは、転校先の学校の帰り道で偶然ゴマちゃんと出会います。ゴマちゃんは、自分を人間だと思っており、喜怒哀楽を表したり人間と同じ思想で行動することもある芦屋家のアイドル。いや、視聴者にとってもアイドル的な可愛さを持つ存在。「キューキュー」と鳴くゴマちゃんに癒された方は多いはず!

 ゴマちゃんとアシベ、そして周囲の人間とが織りなす日常は笑って癒されるものばかり。アニメは子供向け作品ではあるのですが、原作はどちらかというと大人向け。時たま放たれるブラック&切ない話は大人でも笑って泣ける魅力があります。

 またアシベには転校前の学校で大親友であったスガオという友達が存在します。スガオは無口かつ無表情かつ鋭い目つきという強面の少年ですが、実際は泣き虫で転校してしまったアシベを思っては「シクシク」と泣く幼気な子。さらにママに作ってもらったアシベ人形を片時も離さず握りしめています。可愛い。

 そんなゴマちゃんやアシベ、スガオが高校生になった姿を描いた『青少年アシベ』がコミック化しているのをご存知でしたか? 個人的にはこちらのアニメ化を大変楽しみにしています。

『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』――勇者や魔法、冒険の世界が広がっていた

 最後にご紹介するのは、1991~1992年にアニメ放送された『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』。人気RPG『ドラゴンクエストシリーズ』の世界観・設定を元に、『週刊少年ジャンプ』にて連載された『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』が原作のアニメです。

 本作は、魔王・ハドラー率いる魔王軍の征服から世界が解き放たれた十数年後の世界が舞台。少年・ダイは、勇者に憧れながらも友達のモンスターと平和に暮らしていました。しかし、ハドラーを超える力を持つ大魔王・バーンの力によりハドラーが復活してしまったことにより、ダイの生活は一変。バーンを倒すための旅に出ることになります。

 当時の『ドラゴンクエストシリーズ』はファミコン世代であり、まだドット絵で表現された世界を展開していました。モンスターが動き出したらどうなるんだろう、魔法ってどんな風につかえるんだろう。『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』は、誰もが思い描いていた冒険の世界をダイナミックに映像化してくれました。

平成3年の日本はどうだった?

 ちなみに平成3年の日本では、ジュリアナ東京スタイルの流行やカルピスウォーターが誕生。またドラマ『101回目のプロポーズ』の名セリフ「僕は死にましぇ〜ん」が流行語に選ばれました。尾崎豊の『I LOVE YOU』、小田和正の『ラブ・ストーリーは突然に』、X(現在X JAPAN)の『Silent Jealousy』など数多くの名曲が誕生した年でもあります。

 次回の『平成アニメ備忘録』をお楽しみに!

過去の記事はこちら

第1回(1989年/平成元年)

第2回(1990年/平成2年)

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