吉野裕行&鈴村健一『AD-LIVE ZERO』 物語は思いがけない方向に!?夜公演をレポート

2019.11.02 <PASH! PLUS>

 鈴村健一さんが総合プロデューサーを務める『AD-LIVE』。11年目を迎える今年は、10年で築いた『AD-LIVE』のフォーマットを一度“ZERO”に戻し、よりエンターテインメント性を強めるため、キャラクターの特徴や物語のオチ、演出ギミックなどすべてを「くじ」に委ねるという構造で『AD-LIVE ZERO』として上演されます。

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 『AD-LIVE』初参戦となる吉野裕行さんを迎えた9月14日夜公演の様子をレポートします。なお、公演の様子は録音・録画せず記憶をもとに執筆しているため、記憶違いによる記載ミスがあればご容赦ください。

 まずはクリエイティブプロデューサーである森久保祥太郎さんが登場。2時間前にくじ引きで決まった演出くじの内容や設定くじの内容が貼り出されたボードを前に、鈴村健一さんや吉野裕行さんがひいたキャラクター設定などが観客に伝えられました。
 
 このほか、この時点では開示されていないキャスト各自が持つプライバシー、公演中に追加される演出くじもあることが告げられて、いよいよ物語がスタートします。

※後述内でくじ引き結果は【】で表記しています。

 明転した舞台は【敵のアジト】という設定。スモークに満ち、舞台装置の壁とツタの向こう側から怪しい雰囲気の照明が差し込みます。そのツタの奥から鈴村さん演じるひじりが、黒いスーツに白いロングヘアのかつら姿で登場。【よく怠ける】【変わり者】【この世界の悪を倒すために】ここに来たという設定が事前に明かされています。

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 その後、吉野さん演じる【2児の父親】で【お笑い芸人】のTOSHI(トシ)が【しみついた中二病の脱却のために】訪れます。作業服姿でホウキを手に現れ、この屋敷をクリーニングするために派遣されてきたと掃除を始めます。

不慣れな様子で掃除を始めるTOSHIと、この屋敷で誰かを待っている様子のひじりに、森久保祥太郎演さん演じる屋敷の使用人・ホンマが絡みつつ物語が進行。おどろおどろしい雰囲気の室内の様子、ひじりがときどき醸し出す雰囲気やルックスから、オカルト色の強いストーリーになるのかと思いきや、TOSHIの中二病がさく裂。

 ことあるごとに「悪魔の仕業か」「神が与えた試練だ」「左手がうずく」と中二病満載のセリフを発し、客席は笑いの渦に。さらに開演前に明かされた15の演出くじの【奇抜なポーズしか出来なくなる】【おもわず踊ってしまう】などの指示をどんどん実行。アドリブバッグの中に仕込まれたアドリブワードも次々に取り出して話に絡めていき、吉野さんがひたすら攻める展開となりました。

 物語の途中、TOSHIが舞台上に1人になる場面が。それまで持っていたほうきを置いて椅子に座ると、飾り棚に置かれていたビールを飲みだします。ちょうどそこにひじりが戻り、ビール缶を手にするTOSHIを目撃。ひじりをこの屋敷の主人だと思っているTOSHIは視線を合わせたままそっとビールを持った手を下におろし、アドリブバッグの中に缶を隠します。

 それについてひじりは何も触れずに会話が始まるのですが、しばらくするとTOSHIが「あの、実は、このかばんの中にビール入れてたんすけど……こぼれちゃって、びしょびしょ」とまさかの告白を。思いがけないトラブルに客席は大爆笑。

 オカルト色強めに展開しそうな雰囲気はあるのに、TOSHIが短いスパンでツッコむアドリブワードと笑いの要素にすっかりコミカルな空気で満たされた中盤。TOSHIのモノローグで、実は子どもが二人いるけれど名前も知らないこと、そしてお笑い芸人だったけれどセンスがないと諦めたことが語られます。
 
 TOSHIが哀愁混じりに披露した持ちネタに「面白いよ」としみじみTOSHIを褒めるひじり。二人の距離は一気に縮まり、ハートフルな良い雰囲気が漂います。

 この公演では【モノローグを言う】という演出くじが含まれていました。TOSHIに続きひじりがモノローグを語ろうとしたところで、TOSHIがモノローグを言わせないアドリブワードを神引き。観客は拍手をしながら笑い転げ、舞台上の鈴村さんも口元をヒクつかせ笑いを耐えるという場面がありました。

 このまま心温まる物語として進むかと、思いきや森久保祥太郎さん演じるグレート・ホンマが現れて…!?

 とにかく笑いの要素が多かった夜公演。終演後、鈴村さん・吉野さん・森久保さんの3人で公演を振り返ると、鈴村さんが「熱望していたドリフ展開だった。よっちん(吉野さん)がガンガン来るから、面白かった!」と満足気にコメント。森久保さんも「後ろで見ていて、2人の場面がすごく良い流れだったと感じた」と語りました。

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 鈴村さんと森久保さんは「5分に1回何かが起こったね」と吉野さんがひたすら「攻めてきた」ことを称え、さらに鈴村さんが、ビールがこぼれたハプニングを「過去10年やってきていろいろなことがあったけれど、バッグを使えなくしたのは史上初!」とコメントして会場の笑いを誘いました。

 最後に鈴村さんが、2014年の『AD-LIVE』に吉野さんを招待し、観客として観劇してもらったことを明かし、「ずっと、よっちんに出てもらいたいと思っていた。ようやく、その願いが叶いました」と感慨深く語りました。

 次の展開を考えているのであろう鈴村さんと、ワクワクしているのを隠し切れない様子でアドリブバッグに手を入れる吉野さん、そしてさまざまなキャラクターで登場し場を盛り上げた森久保さんの3人のチームワークが光った『AD-LIVE ZERO』でした。

【公式ホームページ】 https://ad-live-project.com/
【公式ツイッターアカウント】 @AD_LIVE_Project

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