interview

EGOIST史上最高の難曲!? 『カバネリ』OPに込めた思い

2016.06.15 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

表現したかったのは 「死んでも生きろ」という生命力

――では、今回のシングルの話に。まずジャケットのイラストの印象はいかがでした?

 redjuiceさんのセンスを感じるというか…作品の和の雰囲気と上手く融合していますよね。ピンクと黒と赤という色使いもすごくきれいだなと思いました。

――作詞・作曲を担当するryoさんから『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』の詞が上がってきたとき、最初に感じたことは?  

 明らかに今までとは違うな、と感じました。EGOISTの曲ってわりと抽象的な表現が多いんです。だけど『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』はストレートに思いを伝える歌詞で、時には命令口調だったり、セリフのように「」で括っていたり。そういう意味で、並々ならぬ励ましというか、聴く人を奮い立たせるものがあると思います。

――曲の印象はいかがでした? ずいぶん難度が高い曲のように思えます。  

  多分、カラオケでこれを歌ったら、浮くだろうな(笑)。それぐらいただならぬ雰囲気がありますね。あとは、1曲の中にいろいろなセクションがあって、切り替えがけっこう難しく、難易度はEGOISTの曲のなかでも最高だと思います。

――レコーディングは順調でしたか?  

  はい。いつもは6〜7回ほど歌うんですが、今回は考えすぎていろいろといじってしまうよりも、勢いで歌ってしまったほうがいいだろうという判断もあり、数テイクで終わりました。生駒は「死んでも生きろ」と言うような、泥にまみれながら前に進む男の子なので、意識したのは彼の持つ生命力の強さ。EGOISTの曲は、いつもはけっこう抽象的で、哲学的な要素が入っていたりして難解だと思うんですけど、今回はわりとストレートに表現しました。

――特に聴いてほしいところは?  

  サビですね。ryoさんの指導が入ったのがサビだったんです。力強さやインパクトを求められたので、何か爪痕を残せないかなと思いました。サビの後半はけっこう声が裏返るというか、あえて綺麗じゃない表現をしていて、そこは聴いていただきたいなと思います。歌詞も「燃やせよ」とか「貫け」とか命令調で、パッと印象的な言葉ですよね。その言葉が持つイメージ通りに、強め強めに歌っています。

――どんなときにこの曲を聴いてほしいですか?  

  今のシーズンでいうと、学生の方であれば、就活とか(笑)。つらいことがあったときや、逆境にいるときに聴いていただけたらいいなと思います。

――カップリング曲の『It’s all about you』は、表題曲の壮大な世界観とは一転して、キュートな印象の曲ですね。  

  「これが同じCDに入るの?」と思ったんですけど(笑)。私はわりとryoさんがsupercellで作られている、こういう感じの曲が好きだったので、歌えて嬉しかったです。肩肘張らずに、自由に歌いました。可愛さも感じられつつ、気の強さも感じ取れる歌詞なので、そういうツンデレ的なものは大事にしていますね(笑)。皆さんが「あっ!」と思う歌詞のところには、何かしらアクセントがあって、遊び心がところどころに散りばめられているので、そこを聴いていただけたらなと思います。

――今後のアーティストとしての夢や野望を教えてください。  

  現状維持をせず、何かしら1歩ずつ成長していきたい、歩みを止めないようにしよう、と常に思っています。私は毎回、狙って成長していないというか、気づいたらどこかが伸びてるという感じなんですよ(笑)。ryoさんやライブプロデューサーの方が見てくださっていて、「ここが成長したよ」と毎回言ってくださるので、「あ、そうなんだ!」と思っています(笑)。

――それでは最後に、読者へのメッセージと、5月から6月にかけて行われているライブへの意気込みをお願いいたします。  

  『KABANERI OF THE IRON FORTRESS』は気軽に聴けるものではないと思うんですけど、何か気分が沈んだときや、マイナスな気持ちになったときに、思い出してくれたらいいなと思います。それで上がった気分を、逆に『It’s all about you』でさらに楽しくブーストして、「明日から頑張ろう」と思ってもらえたら嬉しいです。  5月のライブは毎回セットリストを変えたんですが、6月18日、26日のライブもいろいろと面白いことを考えていますので、ぜひ遊びにきてください。

Text=土橋彩梨紗

 

 

●Profile
アニメ『ギルティクラウン』生まれの架空のアーティスト。ryo (supercell)がプロデュースを務め、ボーカルは2千人を超える応募者のなかから選ばれたchellyが担当する。現在は『ギルティクラウン』の世界から飛び出し『PSYCHO-PASS サイコパス』『屍者の帝国』『虐殺器官』などの主題歌を歌う。6月18日にZepp Tokyo、6月26日にZepp Nambaでライブを開催。

●CD DATA
参考_SMER_CD_BLH14
『KABANERI OF THE IRON FORTRESS 』

ソニー・ミュージックレコーズ
DVD付き初回生産限定盤1,700円(税込)、通常盤1,300円(税込)

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