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「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年の子守唄~」ゲネ&囲みレポ

2017.03.04 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

『刀ミュ』第3弾いよいよ開幕! 石切丸+新刀剣男士5振りが徳川時代へ

 

刀剣男士たちが奏でる“三百年の子守唄”
これまでにない長い任務の先にあるのは…

※ここから先のゲネプロレポート記事のなかでは、一部ストーリーも紹介しています。ネタバレを避けたい方はご注意ください。

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 始まりは、ある晴れた日のとある本丸。平和な時間が流れる穏やかな空の下、石切丸が何かを記していました。彼は通りかかった大倶利伽羅に、「先の戦いを記録しておこうと思って」と話します。そうして物語は、石切丸が綴った手記に沿って回想されていきます。

 回想は、この本丸に新たな刀剣男士、千子村正が顕現したところから始まります。登場シーンでは電飾の演出にも注目です! 妖しい雰囲気を醸し出し、危なげなワードを連発する千子村正に、自身も村正作である蜻蛉切は早くも気苦労の多そうな様子です…。

 きっかけになったのは、にっかり青江、大倶利伽羅の2振りによる遠征先での出来事でした。天文11年12月、三河・岡崎城付近――遠征の命を受けた2振りが、同地で時間遡行軍と遭遇。そこでにっかり青江が、思わぬ“拾いモノ”をしてしまい…。

 消息を絶った2振りを救出すべく、審神者は石切丸、千子村正、蜻蛉切、物吉貞宗の4振りを召集。石切丸を隊長として、彼らに同地への出陣を命じます。合流した6振りは、にっかり青江が抱く赤子が、のちの徳川家康――幼名“竹千代”であると知ります。しかし家康の家臣たちは、先の戦いですでに討ち死に。そこで石切丸が提案したのは、「自分たちが徳川の家臣に成り代わって、家康を育てよう」という予想外のものでした。

 千子村正と大倶利伽羅は竹千代の世話を断り単独行動をとりますが、家康のそばでその歴史を見てきた物吉貞宗、その家臣・本多忠勝を元の主にもつ蜻蛉切、意外にも赤ん坊の世話を楽しむにっかり青江、そして石切丸によって、竹千代はすくすくと成長し、かの徳川家康に。さらにその嫡男・信康も誕生し、刀剣男士たちは引き続き徳川家家臣として、信康のことも育て上げ、その任務は二世代にわたって続いていきます。しかし家康親子には、ある悲しい歴史が待ち受けているのでした…。

 

原作内での刀剣男士同士の絡みはもちろん、他男士との“馴れ合い”も…!?
歌唱パフォーマンスは圧倒的

 今回の舞台をとおして、人の成長がなんと早いことか、そしてそれが刀剣男士たちにとってはなんと短いことかを、改めて痛感させられました。また、彼らが刀剣男士として顕現するより以前は、こうした幾世代にもわたる人の世の移ろいを見てきたのだなと思わされる物語で、不思議と心をつかまれます。

 歌唱パートは、これまでの『刀ミュ』シリーズと比較しても引けを取らないほどの超ハイレベルなパフォーマンスで、圧倒されること間違いなしです。

 家康をはじめ登場する人間のキャラクターは心根の良い人物ばかりで、そこにも人の心の温もりが感じられました。

 『とうらぶ』ファンのみなさんが気になっているであろう、原作ゲームで描写がある石切丸とにっかり青江や、千子村正と蜻蛉切といった関係性はもちろん、にっかり青江と千子村正の、全刀剣男士屈指の“妖しさ”対決も注目してほしいところです。また、“馴れ合わない”ことが代名詞の大倶利伽羅が、周囲とどのように関わり合いを持つのかもお楽しみに。

 石切丸役・崎山つばささんは、これまで『刀ミュ』シリーズに出演していることもあり、安定した存在感で新たな部隊を牽引しています。相手の心を慮れる優しい心の持ち主である石切丸が、自分の役回りをどんな想いで選んだのか、彼の心情にも注目です。刀身の長い大太刀での戦いも、これまで以上に見どころが詰まっていったように思われます。

 にっかり青江役・荒木宏文さんは、大脇差らしい立ち振る舞いに感じられました。肩の布をひるがえし、長髪をなびかせて舞う姿も柔らかくスマートです。「にっかり青江が子育てを楽しむ」というギャップもたまりません。石切丸の心の内に密かに気づいているところには、彼の思慮深さが表現されていました。

 千子村正役・太田基裕さんは、どの動きをとっても妖艶です。それはちょっとした会話や動作だけでなく、敵の斬り方にまで言えることで、これまでの刀剣男士とはやはり一風変わった印象を受けます。指先まで神経の通った仕草も素敵でした。また、チラリと見える太ももや素肌には男女関係なくドキリとさせられてしまうはず。

 蜻蛉切役・spiさんは、槍の扱いが見事です。体躯からもまさに蜻蛉切そのものという印象を受け、“漢”を感じさせるシーンの数々には誰もがドキドキさせられるのではないでしょうか。味方の志気を上げるような闘志あふれる戦い方も魅力的です。またその歌唱力は素晴らしく、圧倒的な存在感と安定感を放っていました。

 物吉貞宗役・横田龍儀さんは、ほかの刀が大振りだったり装備が大きかったりするなかで、身のこなしが軽く脇差らしい動き方で目を引きます。どんなときでも笑顔を忘れない愛らしさは、まさしく物吉貞宗です。赤ん坊の世話の最中、彼が口ずさむ懐かしい歌も『刀ミュ』ファンの方はお聞き逃しなく。

 大倶利伽羅役・財木琢磨さんは、クールに振る舞いながらも、その内には情を秘めた熱い刀を演じてくれています。腰布を翻しながら斬って舞う姿からは目が離せません。戦うことに一直線で舞台上の誰より血気盛んにも思われますが、そんな彼の“家臣役”としての振る舞いにも注目してください。

 第2部では、囲み取材でもあったとおり、刀剣男士たちが原作では見られない衣装を身にまとい、それらを一枚また一枚と脱いでいきます…! 意外な組み合わせでの楽曲や、『刀ミュ』らしいサービス精神溢れるパフォーマンスにぜひ期待してください。

 新たな刀剣男士たちはこれからどのように成長していくのでしょうか。まだまだ『刀ミュ』から目が離せそうにありません。審神者一同、新部隊も応援していきましょう!!

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DATA
ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~

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公演期間/劇場:
<東京公演>
 2017年3月4日(土)~3月26日(日)/AiiA 2.5 Theater Tokyo
<大阪公演>
 2017年4月1日(土)~4月9日(日)/梅田芸術劇場 メインホール
<東京凱旋公演>
 2017年4月14日(金)~4月23日(日)/AiiA 2.5 Theater Tokyo

HP:https://musical-toukenranbu.jp/
Twitter:@musical_touken

STAFF:
 原案=『刀剣乱舞-ONLINE-』より(DMM GAMES/Nitroplus)
 演出=茅野イサム
 脚本=御笠ノ忠次
 振付=本山新之助

CAST:
 石切丸=崎山つばさ
 にっかり青江=荒木宏文
 千子村正=太田基裕
 蜻蛉切=spi
 物吉貞宗=横田龍儀
 大倶利伽羅=財木琢磨

 徳川家康=鷲尾 昇
 松平信康=大野瑞生
 竹千代=阿由葉朱凌、小島幸士(※Wキャスト)
 吾兵=高根正樹

 岩崎大輔、大野涼太、小笠原真悟、鴻巣正季、佐藤一輝、杉山諒二、西岡寛修、服部 悠、原 周石、山口敬太、伊達康浩、市川裕介、栗本聖矢、小島久人、白濱孝次、中村悠希、林 瑞貴、前川孟論

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