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宮崎 駿監督作品全部見てない人っているの?まとめ情報だけで満足してる“もったいない人”に贈る厳選5作

2019.01.01 <PASH! PLUS>

 宮崎駿監督といえば、日本を代表する映画監督。知らない人など、日本…いや、世界にもいないのではないでしょうか? 最近では引退宣言を撤回したり(実は引退宣言→撤回の流れは4回目…)、さらに『風の谷のナウシカ』が“スタジオジブリ”作品で初めて歌舞伎として上演すると発表されたりと、何かと世間を騒がせていますよね。

 そんな注目されがちな宮崎監督と、その作品たち。ここまで話題を集めているのですから、もちろん全作見たことありますよね? 見たことないのに、テレビやニュース記事、友人からの情報で得た知識だけを身に着けて満足しているなんて、そんなことありませんよね!?

 今回、そんな宮崎監督作品を“もったいない”見方をしているあなたに、筆者が勝手に厳選した5作品をご紹介いたします。

■知ってた?『ルパン』で映画監督デビュー

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 1979年にアニメ『ルパン三世』の劇場版長編第2弾として公開された『カリオストロの城』が、宮崎監督にとって、映画作品の監督デビュー作。その以前にも『未来少年コナン』で監督を務めていたのですが、名義上では“演出”になっていました。

 ストーリーは、国営カジノの金庫から大金を盗み出すことに成功し、車中で札束に囲まれていたルパンが、その札が「幻の偽札」とまで呼ばれるゴート札であることに気付いたことで目まぐるしく展開。国営カジノまでを汚染し始めたゴート札に興味を持ったルパンは、次のターゲットをゴート札の発信源、ヨーロッパの小国・カリオストロ公国に定めます。

 カリオストロ公国に潜入したルパンと次元は、花嫁衣装を着た少女が武装集団に追われているところに遭遇。ルパンは追っ手を撃退し、その少女・クラリスを救おうとしたものの崖から落下して気を失い、その間に少女は別の一団にさらわれてしまいますが……。

 この作品で一番有名なラストシーン。テレビで繰り返し放送されているので、「ラストシーンさえ知っておけば作品を知っているようなもの」と思っているのでは? 違うんです…そこに至るまでに、不二子ちゃんとの関係とはガラリと違う、ルパンとクラリスの間で甘ずっぱいやり取りが繰り広げられているのです。

 さらに、テンポの掛け合いも最強にリズミカル。カーチェイス中のルパンと次元の会話から始まり、ストーリーの流れまで、全てにおいて本当に見やすい構成! さらに、“とっつぁ~ん”こと銭形警部に追われつつ、いざという時に協力し合う関係性…本当にアッという間に見終わってしまいます。「今さら」と思わず、ぜひ見ていただきたい名作です。

■日本歴代興行収入第1位『千と千尋の神隠し』

 言わずと知れた、日本歴代興行収入第1位の『千と千尋の神隠し』。加えて、第52回ベルリン国際映画祭コンペティション部門にて、1963年以来、実に39年ぶりとなるグランプリを受賞しました。さらに、これまでコンペティション部門でアニメーション作品がグランプリを受賞したことのなかったベルリン・カンヌ・ヴェネチアの三大国際映画祭でも初の受賞。世界でも認められ、大快挙を成し遂げた作品です。

 ストーリーの舞台は、日本の神様たちがやって来る湯屋「油屋」。そこで両親を豚の姿にされてしまった10歳の少女・千尋は、「油屋」を取り仕切る湯婆婆から名前を「千」と変えられて「油屋」で働くことになります。そこで千尋を気にかけ、助けてくれたのがおかっぱの少年・ハク。そのハクが湯婆婆の姉・銭婆の魔法のハンコを盗んだことで殺されかけているのを知り、千尋はハクを助けようと行動するのですが…。

 登場するキャラクターのひとりひとりが個性的なのですが、この作品を見た女子の90%は絶対に恋に落ちていると言っても過言ではないのが、ハク。両親を豚に変えられたり、「油屋」で大変な仕事を押し付けられたりと、心が折れそうになる千尋を優しく慰めたり、湯婆婆の手下から千尋を隠そうと壁ドン、そこからのハグ…もうイケメン過ぎます。

 そして最後、千尋とハクが昔どこかで会っていたことが判明するのですが、それもすごくロマンチック…! 色々と考えさせられるラストシーンも必見です。

■人々への強烈なメッセージ性を持つ『もののけ姫』

 宮崎監督が構想16年、制作に3年をかけた大作『もののけ姫』。興行収入193億円を記録し、当時の日本映画の興行記録を塗り替えました。村を襲ったタタリ神と呼ばれる化け物を退治したが、右腕に死の呪いを受けてしまった少年・アシタカ。

 その呪いを解くために、タタリ神が来た西の地へ旅立った道中で、山犬に育てられた人間の娘・サンに出会います。サンは、“もののけ”や自然を破壊するエボシという女の命を狙っていましたが、一方のエボシも村の民を守ろうとする思いから行動。アシタカは、森と人が争わずに済む道は無いのかと、思い悩みます。そんな中、エボシに生と死の神である「シシ神」を殺させようとする怪しげな装束の男達が現れ…。

 この『もののけ姫』には、自然を破壊し大地を汚染し続ける人々に対する強烈なメッセージが込められています。宮崎監督はこの作品を作り上げるために、美術班、作画、仕上、CGにいたるまでの全スタッフと共に、今なお照葉樹林の原生林を持つ日本で唯一の場所・屋久島へと出向き、一大ロケーションを敢行。緑の描写に徹底してこだわりぬいたそうです。

 そこに描かれる、人と神との壮絶な戦い。宮崎監督だからこそ作り出せた、壮大なスケールの作品となっています。子どもの頃に見たという方は、大人になった今改めて見てほしい。本当に考えさせられる“テーマ”だと思います。

■こんな青春送りたかった『耳をすませば』聖司くん役の声優は今大人気の“あの人”

 ファンタジーが多い宮崎監督作品の中で、一番身近な世界が舞台で、“自分事”(自分の青春時代と当てはめて)として捉えられ羨ましくなるのが『耳をすませば』。

 本が大好きな中学三年生の雫が、ヴァイオリン職人を目指す同級生・聖司と出会い、電撃的に恋に落ちるというストーリーが展開します。しかし、聖司は中学卒業と同時にイタリアに留学しようとしており、彼への思いを深めるにつれ、改めて自分の将来について真剣に考え始める雫。そして夢を現実にするために、彼女も小さな一歩を踏み出します…。

 この誠司くん役の声優ですが、なんと! 今をトキメク人気俳優・高橋一生さんが演じていたのです。当時、高橋さんは14歳。『千と千尋の神隠し』で大きな赤ん坊の「坊」を演じている神木隆之介さんも、当時8歳で声優を務めていますよね。また、『千と千尋~』でハクを演じた入野自由さんも、今ではすっかり人気声優。

 当時は無名だったにも関わらずキャスティングし、今でも視聴者の心を奪うキャラクターを作りだすなど、宮崎監督は“本当に合った”配役が上手い! 入野さんや神木さんは声変わり前に演じており「今は当時の声が出せない」とおっしゃっているなど、色々な意味でキャラクターの魅力が増している要素になっています。今の高橋さんや神木さん、入野さんを知った上で、誠司くんや坊、ハクの声を聴くと、初々しさに3人のことももっと好きになってしまうかもしれません。

■昭和を知らない人が見ても「懐かしい」夏といえば『となりのトトロ』

 毎年夏になると放送される人気作『となりのトトロ』。母の療養のために、父と一緒に農村へ引っ越して来た小学生のサツキと妹のメイ。そこで2人は、謎の生き物“トトロ”と出会います。そんなある日、母が入院している病院から電報が。母が体調を崩してしまい、一時退院が延びる事を知ったサツキはそれをメイにも伝えますが、「嫌だ!」の一点張り。

 とうとうサツキは「お母さんが死んじゃってもいいのね!?」と怒って大ゲンカしてしまいます。しかし、不安なのはサツキも一緒。泣いているサツキを見たメイは、母のもとへ向かいますが、それから行方がわからなくなってしまいます。途方に暮れたサツキはトトロに助けを求め…。

 『となりのトトロ』の魅力は、なんといっても“夏”の描写。昭和30年代前半の日本を舞台にしているのですが、その時代を知らない人が見ても懐かしく感じてしまうほどです。“田舎と言えば”というと誰しもが思い描く風景が広がり、優しくしてくれる隣のおばあちゃん、畑に生っている野菜をそのまま食べる、クーラーもない畳の部屋で寝転がる…経験したことがなくても懐かしさを感じるのは、宮崎監督が子どもの頃に経験した思い出をそのまま盛り込んでいるからかもしれません。ストーリーだけでなく、流れる雲の動きや木々の空の色まで堪能してほしい作品です。

■宮崎駿監督が描く作品の魅力とは?

 以上5作品を紹介させていただきましたが、宮崎監督の作品はこれだけではありません。前述した、スタジオジブリ初の歌舞伎となる作品『風の谷のナウシカ』や、ジブリ初制作作品である『天空の城ラピュタ』、宮崎監督が初めて他者原作の作品を長編映画化した『魔女の宅急便』など、名作の数々。おそらく「なぜこの作品が紹介されないのか?」と文句を言いたい人もいると思います。しかし、宮崎監督の作品は奥が深く、観た全員が同じ感想を抱き、評価するなんてことはできない。そこに作品の魅力が詰まっていると感じます。

 この記事を読んで宮崎監督作品に興味を持ったあなたにも、是非こだわりの一作を見つけていただけたら幸いです。

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