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細田 守監督作品全部見てる?まとめ情報だけで見た気になっている人に贈る厳選5作

2019.01.02 <PASH! PLUS>

 『時をかける少女』で一気に有名になった細田守監督。それ以降は、『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』と、ヒット作を立て続けに発表しています。

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 また、宮崎駿監督の『となりのトトロ』と同様に、『時をかける少女』や『サマーウォーズ』が夏の定番に。放送される度にSNSなどで話題になっていることから、もはや日本を代表するアニメーション監督と言ってもよいのではないでしょうか。

 毎年夏になるとテレビで放送されているのですから、話題作はもちろん見たことありますよね? 見たことないのに、テレビやニュース記事、友人からの情報で得た知識だけを身に着けて満足しているなんて、そんなことありませんよね!?
  
 今回、そんな細田監督作品を“もったいない”見方をしているあなたに、筆者が勝手に厳選した5作品をご紹介いたします。

■「未来で待ってる」で日本中の女子をキュンキュンさせた『時をかける少女』

 筒井康隆さんのヤングアダルト向けSF小説が原作なのですが、原作そのままをアニメ映画化したわけでなく、原作の出来事から約20年後を舞台に次世代の登場人物が繰り広げる物語を描いた続編『時をかける少女』。

 主人公の女子高生・紺野真琴は、ある日偶然立ち入った理科準備室で、不審な人影を目撃。その人物を追おうとした時、なぜか真琴は転倒して不思議な空間に入る体験をします。その日の帰り道、真琴の乗る自転車のブレーキが下り坂で故障。そのまま電車の接近する踏切に突入し、死を覚悟した真琴は気がつくと坂道の途中、少し前の時間に戻っていました。

 叔母の芳山和子にその体験を話すと、和子はそれは「タイムリープ」で真琴の年頃の少女には「よくあること」と返答。納得できない真琴でしたいが、自らの意思で過去へのタイムリープを試みて成功し、それで味を占めた真琴はタイムリープを使って抜き打ちテストでよい成績を収めたり、カラオケを何時間も続けたりするなど、その能力を私利私欲のために使っていきます。しかし、腕に刻まれたタイムリープできる数字が少なくなっていき…。

 この作品の最大の見どころは、なんといってもラストシーン! 夕日をバックに真琴と千昭の恋模様が描かれ、2人の甘酸っぱい感情がこちらに流れ込んでくるようです。「未来で待ってる」というセリフで、2人がどうなったのかわからない終わり方でも、未来で結ばれたのでは…とキュンキュン。ちょうど今青春を送っている方、過去に甘酸っぱい経験をしたことがある方は見たら絶対に心がギュッと“抉られる”一作です。

■“絆”を忘れそうになったら見てほしい『サマーウォーズ』

 細田監督にとって、初めての長編オリジナル作品。監督の奥様の実家がある長野県上田市が舞台となっており、さらに奥様の家族がモデルとなっているそうです。

 あと一歩のところで数学オリンピックに出られなかった主人公の健二は、“仮想空間OZ”の中でメンテナンスするバイトをしながら夏休みを過ごしていました。そんななか、先輩の夏希に「田舎にいくバイト」に誘われたことをきっかけに、彼の夏休みは予想外の展開に。武家の血筋を受け継ぐ旧家である夏希の実家に連れていかれた健二は、なぜか夏希のフィアンセとして紹介されます。

 さらに、複雑なバイトを引き受けてしまい眠れない夜を送っていた健二のもとに、「解いて」という謎の数列が送られてきて、それを解いてしまったことにより、翌日のテレビで「OZを混乱させた犯人」として報道されてしまいます。OZにアクセスできなくなった健二は、仮アバターを使って解決に挑むのですが…。

 家族や人との絆を忘れかけてしまった時にぜひ見てほしい。忘れ去られた気持ちを思い出させてくれる、本当に温かい作品です。おそらく、健二の「よろしくお願いしま~~す!」というシーンは見たことがあるはず。それは、自分に自信がなかった健二が、夏希先輩の家族の協力もあってOZの事件を自身の力で解決させようと奮闘する名場面。家族の絆だけでなく、成長する姿にも涙を誘われます。

■シングルマザー、学校問題などセンシティブなテーマが物議を醸した『おおかみこどもの雨と雪』

 フランスで上演された際、「ディズニーやピクサー作品とは一線を画すアニメーション映画」「ポストジブリ」という評価を得た作品です。

 大学生の花は、“おおかみおとこ”である彼と出会ってすぐに恋に落ちます。やがて新しい命を授かり、雪と雨と名づけられた子どもたち。「人間とおおかみ」のふたつの顔を持つ、“おおかみこども”であったため、そのことを隠しながら家族4人で都会の片隅でひっそりと暮らし始めます。つつましくも幸せな毎日。しかし永遠に続くと思われた日々は、父である”おおかみおとこ”の死によって突然奪われてしまい…。

 明るいポスターからは想像できないとは思いますが、シングルマザー、学校問題などセンシティブなテーマで、色々と考えさせられる作品です。ですが、重い内容なわけでなく、細田監督らしい温かいストーリーが展開。雪と雨も成長する中で幼いながらに生き方に悩むのですが…最終的に2人が決断した生き方には、涙をこらえることができませんでした。

■成長する中で誰もが悩む“心の闇”がリアルな『バケモノの子』

 『サマーウォーズ』以降“家族”を描き続けてきた細田監督が、新たに作り出した家族の姿。これは、細田監督にお子様が生まれたことをきっかけに作られたそうです。

 舞台は、人間の世界とは別に存在する“バケモノの世界”。物語は、強さを求めた主人公の九太がバケモノの熊徹に出会ったことをきっかけに動き出します。ケモノの世界へ行くことを決意した九太は熊徹の弟子となり、共同生活を送る中で本当の親子のような絆が芽生え始めます。

 そんな九太が人間界に戻ったある日、高校生の少女と出会います。それによって、本当に生きる世界を模索し始めた九太。そんな時、バケモノと人間の2つの世界を巻き込んだ大事件が勃発し…。

 なぜ九太は強さを求めて、親元を離れて熊徹のもとで暮らし始めたのか?それは、成長する中で経験する“闇”が原因。大人になった今は何も感じない出来事でも、子どもの頃はそれはもう重大な出来事だったという経験は、誰しもあると思います。細田監督はその敏感な気持ちを、繊細に再現。どの年代の方にも“既視感”を与えてくれる作品だと思います。

■細田監督の子どもの反応が素直に描かれている『未来のミライ』

 2018年のカンヌ映画祭で行われた「監督週間」で、アニメーション作品としては唯一上映された作品。とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家に住む甘えん坊の“くんちゃん”のもとに、生まれたばかりの妹がやってきます。両親の愛情を奪われ、初めての経験に戸惑うばかりのくんちゃん。

 そんなある日、庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。ミライちゃんに導かれ、時を超えた家族の物語に旅立つくんちゃん。一体ミライちゃんは何者なのでしょうか? そして、ミライちゃんがやってきた本当の理由とは…。

 細田監督が自身の子どもを参考にして作り上げた作品で、息子の“生まれてきた妹に対してのリアクション”から着想を得ているそう。「家族愛」を描く中で、今後も監督の子どもたちが重要なキーパーソンとなってきそうですね。

■細田守監督が描く作品の魅力とは?

 以上5作品を紹介させていただきましたが、細田監督の作品の魅力は伝わりましたでしょうか? 細田監督の作品は、その世界観の中で自分も一緒に戦っている、体験しているような気分になれるのが最大の特徴だと思います。

 実写作ではなく、アニメーションでそのような気分が味わえるのは、すべて細田監督の心理描写や背景の立体描写によるもの。ぜひ一度、体験してみてはいかがでしょうか。

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