島﨑信長が思う、小野大輔の芝居の魅力『NIGHT HEAD 2041』で兄弟役に「思わず“兄さん”と言いたくなる」

interview

2021.07.13 <PASH! PLUS>

PASH! PLUS

　1992年にTVドラマが放送されカルト的人気を誇った『NIGHT HEAD』が、原作者・飯田譲治の脚本によって新たに描かれるオリジナルTVアニメ『NIGHT HEAD 2041』として2021年7月14日（水）よりフジテレビ「＋Ultra」ほかにて放送される。

　本作では、望まずして超能力者であるが故に苦しみ、居場所を求めて放浪する霧原直人（CV：小野大輔）、直也（CV：島﨑信長）兄弟と、国家保安本部特務部隊に所属し、彼らを追い詰めていくもう一組の兄弟・黒木タクヤ（櫻井孝宏）、ユウヤ（CV：小野賢章）兄弟との相克が、新たな『NIGHT HEAD』として描かれる。

　この度、自分のことよりも兄や周囲を優先する心優しい青年・直也を演じる島﨑信長さんにインタビュー。本作のキャラクターデザイン・大暮維人氏の絵が「大好き！」と語る島﨑さん。そんな大暮氏が描く直也の魅力を聞いたほか、兄・直人を演じる小野大輔さんの芝居の魅力についてなど、たっぷりと伺った。

――出演が決まった際、どのようなお気持ちに？

　『NIGHT HEAD 2041』のメインとなる霧原兄弟・黒木兄弟のキャスト4人は、オファーをいただいてキャスティングされているんです。しかも、兄の直人役は小野大輔さんですし、櫻井孝宏さんと小野賢章さんが演じるアニメオリジナルキャラクターの黒木兄弟も登場します。タイトルとこのメンバーだけで、すでに強力だなと（笑）。収録が始まるのが待ち遠しかったです。テレビドラマ『NIGHT HEAD』の名前はもちろん知っていたのですが、詳しくは知らなかったので、霧原直也役でオファーをいただいてから収録が始まるまでの間に、いろいろ勉強しました。

――島﨑さんが感じる作品の魅力をお聞かせください。

　“人間を描く”という部分はテレビドラマ版と変わりませんが、今回は“2041”であることが一番の違いであり魅力だと思います。テレビドラマ版とは時代設定も違いますし、黒木兄弟という新たな存在や、ビジュアルの雰囲気も明確に違いますから。そして、話が進むにつれて、どんどん世界観も見えてくるので、より面白くなっていきます。黒木兄弟はもともと2041年の時代の人間ですが、霧原兄弟はまったくなにも知らない世界に急に放り出されるところから物語が始まっているので、霧原兄弟の視点になってご覧いただくと、だんだん世界が開けていく感覚を味わっていただけると思います。ただ、今を生きる我々にも知ってほしい、感じてほしいものが描かれているところは、原作から変わらない魅力だと思います。

――収録時のエピソードがあれば教えてください。

　僕らキャストも、台本をいただくまで展開がわからなかったので、収録を毎話楽しみにしていました。収録は必ず小野大輔さんとご一緒だったので、「これってこういうことですかね？」「この人はおそらくこうなるのでは？」などなど、休憩時間に物語の展開を予想しあうのも楽しかったです。きっと放送が始まったら、皆さんも先の展開を予想して楽しむことになるはず！　僕らもいろいろ予想しましたが、予想が当たったものもあれば、まったく想像していなかった展開もあったりして、演じている僕らでさえも翻弄されてしまいました。

――島﨑さんが演じる霧原直也の魅力を教えてください。

　まず、僕は、大暮維人先生（本作のキャラクターデザイン原案）の描かれるイラストが大好きだったので、キャラクターデザインを見たときにものすごくテンションが上がりました。直也は特に、大暮先生ならではのスタイリッシュな魅力が詰まっているんです……！　ヘアスタイルも髪色もスタイルも服装も「“大暮先生節”が出てるわ～！」と唸らずにはいられない魅力が詰まっているんですよね。黒木兄弟は隊服ですが、霧原兄弟は私服。兄弟それぞれのカラーリングにも大暮先生らしさを感じます！

――では、霧原兄弟の関係についてはどのようにとらえていますか？

　直也はビジュアルもかわいらしいので、か弱くて繊細な存在に見えると思うんです。でも、僕自身はそうは思っていなくて。直也は、超能力のせいで人の心の内側など見たくないものを見てしまうし、それによって痛みや苦しみを感じてしまうんです。でも、彼はずっとその能力と付き合ってきたんですよね。普通の人だったら、とっくにまともじゃいられなくなっていると思うんです。でも、兄さんがいることによって保てている部分があるんです。もし独りきりだったら、耐えられなくて心が壊れていたはず。そして同様に、直人も弟の直也がいたからこそ、これまでやってこられたんだと僕は思うんです。一方的に直人が直也を支えているのではなく、お互いがお互いを支え合って、壊れることなくここまで生き抜いてきたんだろうなって。そんな経験や積み重ねを踏まえたうえで演じたいなと思いました。

――リーディング能力を持つキャラクターだからこそ、役作りも難しかったのでは？

　そうですね。直也は、きっと相手の心の内をわかったうえで話しているんだろうなというセリフが結構あります。直人にはその能力はないので、直也の方が先に気持ちが定まるんです。リーディング能力があるからこその言動なんだろうなという部分は、いくつかありました。ただ、あえてミスリードを誘うようなディレクションはありませんでした。台本どおりに表現していけば、しっかり伝わるようになっていたので、視聴者の皆さんも安心して物語を楽しんでください（笑）。

――シリアスな作品かと存じますが、そんななかでもクスっと笑ってしまうようなシーンやお気に入りのキャラクターはいますか？
　
　霧原兄弟は常に追い込まれている状況なので、ほっと和むようなシーンは少なかったのですが、どんなピンチでもお互いを思いやろうとする兄弟の姿に、心が温かくなりました。クスっとなるのは、黒木兄弟の兄・タクヤのうざ絡みっぷりでしょうか。シリアスな作品ではありますが、エンターテインメントとして面白い部分や、軽妙でおしゃれな部分もあるので、あまり難しく考えずに観ても楽しめると思います。そこは、3DCGということもあって、ドラマのような感覚に近いかもしれません。

――島﨑さんからみた、小野大輔さん演じる直人の魅力や、お芝居の魅力を教えてください。

　まず霧原兄弟は、「どうした直也」「兄さん！」と、常にお互いのことを呼び合うんです。声をかけるときだけじゃなく、兄さんのことを思って直也がひとりで「兄さん……」とつぶやくこともあるくらい（笑）。血縁関係の絆がすごく強くて、どこかしっとりしている感じがあるんです。その重くて太くて暖かい絆を、小野さん演じる直人からはすごく感じました。小野さんが演じる直人はとにかく頼れるし優しいので、僕も思わず「兄さん」と言いたくなるんですよね。ただ温かいだけじゃないところが、霧原兄弟の魅力だなと思いました。対する黒木兄弟は、お互いを思い合う強さは一緒なのですが、おしゃれで現代的で、兄弟の関係もお互いに自立していてどこかサバサバしている印象です。

――霧原兄弟は、超能力のせいで周囲から理解されません。島﨑さんご自身も、周囲から理解されないことはありますか？

　僕は酢豚に入っているパイナップルや、ピザのトッピングのパイナップルは好きなんですが、一般的には苦手という人のほうが多いですよね。なんでだろう？　美味しいのにな～。自分の好みが意外にも少数派だったと気が付くと、ちょっとだけさびしいです（笑）。

――最後に、放送を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします！

　あの『NIGHT HEAD』が、令和の時代に『NIGHT HEAD 2041』として描かれることには、ちゃんと意味があったと僕は思いました。表現方法も設定も現代的ですし、リメイクではなく新作として、テレビドラマ版を観ていた方はもちろん、今回初めて触れる方にもお楽しみいただけるはず。時代や国にとらわれない、テーマに普遍性のある作品なので、ぜひたくさんの方にご覧になっていただきたいです。よろしくお願いします！

（取材・撮影／実川瑞穂、構成／米田果織）

作品情報

■TVアニメ『NIGHT HEAD 2041』
7月14日（水）よりフジテレビ「＋Ultra」にて毎週水曜24：55から放送開始
ほか各局でも放送

7月14日（水）より毎週水曜24：55から FODにて独占配信！
※初回放送・配信は10分押しの25：05から予定
※放送・配信時間は変更になる場合がございます。

【スタッフ】
原作：飯田譲治
監督：平川孝充
構成・脚本：飯田譲治
キャラクターデザイン原案：大暮維人
サブキャラクターデザイン原案：朝来昭子
コンセプトアート：富安健一郎（INEI）
BGコンセプトアーティスト：白田真人
MattePaintディレクター：大西穣
美術設定：坂本竜
美術ボード：ビック・スタジオ
色彩設計：中尾総子
撮影監督：高橋和彦
編集：齋藤朱里
音響監督：明田川仁
音楽：やまだ豊
企画・プロデュース：スロウカーブ
アニメーション制作：白組
制作：飯田譲治／NIGHT HEAD 2041 製作委員会