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劇場版アニメ『あした世界が終わるとしても』中島ヨシキに“ふたつの日本を舞台に”描かれる物語の見どころをインタビュー

2019.01.26 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 公開中の劇場長編アニメーション『あした世界が終わるとしても』。本作は、TVアニメ『イングレス』を手掛けた櫻木優平監督が描くアクション・ラブストーリーです。

 相対するふたつの日本を舞台に、高校三年生の主人公・真とヒロイン・琴莉、そして真の前に現れた“もうひとりの僕”を中心に描かれる物語は、全篇が“スマートCGアニメーション”での制作。

 キャストには真役の梶 裕貴さん、琴莉役の内田真礼さん、ジン役の中島ヨシキさんに加え、千本木彩花さん、悠木 碧さん、水瀬いのりさん、津田健次郎さん、森川智之さん、水樹奈々さん、古谷 徹さんといった面々が名を連ねています。

 PASH!PLUSでは、ジン役の中島ヨシキさんにインタビューを行い、本作の見どころ、真役の梶 裕貴さんの演技への印象など、気になるお話を伺いました。記事の最後には中島さんのサイン色紙プレゼント応募フォームがあるので、ぜひ最後までご覧ください♪

イントロダクション

 幼いころに母を亡くして以来、心を閉ざしがちな真。彼をずっと見守ってきた琴莉。

 高校三年の今、ようやく一歩を踏み出そうとしたふたりの前に突然、もうひとつの日本から、もうひとりの“僕”が現れる──。

ジンは生まれた世界が違うだけで普通の少年

――ジン役が決まった時の感想を教えてください。

 櫻木監督の作品としてはTVアニメ『イングレス』でも関わらせていただいているなかでオーディションのお話をいただきました。オーディションに受かったということはもちろん、また同じチームでお仕事をできるということがとても嬉しかったですね。

――櫻木監督から役についてお話はありましたか。

 ほとんどなかったんですけど、梶(裕貴)さん演じる真(シン)と対をなすキャラクターで、もう一人の主人公であるという話はお伺いしていました。スケジュールの都合で全員はそろわない収録現場だったのですが、梶さんがいないときは座長のつもりで、と言っていただきました。

――ジンの人物像をどのようにとらえていますか。

 人物的には何も特殊な部分があるわけではなく、日本公民共和国という場所に生まれて、両親を理不尽な形で亡くしていればこうなるんじゃないかって。すれるだろうし、ぐれるだろうし…。父親とそりが合わないというのも年頃の男の子あるあるという感じがしました。いろんな戦闘技術を身に着けてはいますが、真とかけはなれている感じではないですね。

――ジンに対して共感できる部分や演じて難しい部分を教えてください。

 ジンは最初から人を殺そうとしているキャラなので、あまり共感はできないです(笑)。彼の今まで生きてきた背景が想像できないほどハードなので、達観していますよね。

 でも、そのなかでも年相応の18歳らしいあどけなさという部分もあるので、大人になりすぎないように気を付けて演じました。

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――本作の魅力をどこに感じていますか。

 いま発表されているビジュアルと、あいみょんさんのMVだけ見ている段階ではどういう話になるのかわからないと思うんです。これだけ見ると完全にラブコメですよね(笑)。

 ここからは王道な部分もありつつ結構えげつないくらい人が死んでいくシーンもあり、予想もつかない展開が魅力ではないでしょうか。

――最初からそのような設定も理解されていたんでしょうか。

 この作品の誕生のきっかけとなった『ソウタイセカイ』という作品でも、高校生役として、出させていただいたので、話のディテールはなんとなく把握していました。

 ただ、今回はよりスケール感がアップして、新たなキャラクターや細かい設定も追加されて、最終的には全く違う話になっていたので、当然驚きもありましたね。

――梶さんの演技は意識しましたか。

 『ソウタイセカイ』の流れもあり、僕もオーディションの時にはなんとなく梶さんをイメージしていました。でも僕には梶さんのような演技は当然できないですし、年齢もキャリアも違います。ジンを演じると決まってからは意識しませんでした。収録の際には、梶さんが先に収録を終えていたので、それを聞きながら演じました。

 必ずしも同一人物ではないし、違うわけでもない。どこかでリンクするというのが感じられればいいなとは思いましたが、どちらかというと梶さんとの掛け合いを大事にしていました。

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――リンクする部分というのはどのように表現されましたか。

 顔が同じなので映像の説得力は大きいと思います。声質やお芝居は全然違うので、ちょっとした息の吸い方やタイミングがなんとなくフィットするように、聞いていてすんなり受け入れることができるようにと考えていましたね。

――梶さんのお芝居の魅力はどこに感じていますか。

 掛け合いのところで感じたのは、すごく生々しくて装飾をあまりされないんです。いろんな技術や感情を乗せるのではなくて、声だけすっと置いていく。あまり感情が爆発したり大きい声を出すわけではなく、表現されるのがすごいと思いました。

――収録を終えて感じたことを教えてください。

 冒頭で真たちが通う高校のシーンがあって、それを見たときに覇気がない高校生で(笑)。生っぽい感じの演技と、リアルな映像がマッチしていてよかったなって。

 元気な高校生ばかりじゃないと思うので、デフォルメのキャラじゃないのがいいと思いました。彼らは勉強好きじゃないんだろうなって(笑)。

――中島さんも同じような学生でしたか。

 そうですね。勉強も苦手でしたし、お芝居の養成所ももう二度と行きたくないですね(笑)。できないと厳しく怒られて、ハードでした。今となればよく2、3年も通っていたなって思うくらいです(笑)。

――学生時代の思い出を教えてください。

 中学生の頃好きだった子がいるんですけど、僕の親友と付き合っていたんです。2人が別れたときにその女の子から「ヨリを戻したい」と相談され続けるツラい日々でした(笑)。

 紆余曲折あって、めでたくヨリを戻した2人ですが、10年くらいつきあった末に別れて、女の子は2年もたたずに別の男性と結婚したんです! 女の子はすぐに気持ちを切り替えられるんだなって(笑)。事実は小説より奇なりですよ。甘酸っぱいじゃなくて、甘じょっぱい青春ですね(笑)。

――ラブコメという話もありましたが、真と琴莉(コトリ)の関係をどうみていますか。

 早くつきあっちゃえばいいのにって(笑)。冒頭から特別な関係じゃないですか。真のお母さんが死んでしまって、それを琴莉のお父さんがバックアップして。

 精神的なもの以上の関係がふたりにはあったと思うので、何をゴチャゴチャやっとんねん!って。僕が真だったらもうつかんで離さないですよ(笑)。

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――それでは真とジンの関係をどうとらえていましたか。

 何かに置き換えることはできない関係ですが、やはり他人だと思います。考えていることも違っていれば、生きている世界も違っているので。向こう側にいる顔のそっくりな人ぐらいの感じなんじゃないかと思います。

 戦争を忘れた現代の真と、内紛のなかで戦っていたジンとでは比べようもないというか。でもお互い顔を合わせたところから、ちょっと何か感じる部分はあったんじゃないでしょうか。

 真にとっては奮起するきっかけになり、ジンにとっては、死なれては困るという意味での保護対象から少しずつ友人になっていったのかなって思いますね。

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――中島さんが感じる映画の魅力を教えてください。

 クラフタースタジオさんが作る映像が圧倒的に綺麗なので、この映画を語る時にはそこは切っても切れない部分だと思います。僕らは音声の部分を担って立体的に伝えられるように努力をしてきたわけですが、そこに素晴らしい映像が乗っているというのはすごく魅力だと思います。

――スマートCGアニメーションでのアフレコの難しさはありましたか。

 実際にはほかの作品とはあまり変わらないんです。これは3Dだからというわけではなく、40%くらい絵ができている状態でアフレコをすることが多いんですね。タイミングに合わせて台詞を言えば、アニメーターさんが描いてくれるのでやりやすい部分もありますが、口パクに合わせるのが苦手になってきているのは感じます。

――演技の見どころを教えてください。

 先日ダビングという音響作業を見学させていただいたのですが、台詞を聞いてもアニメっぽくなくてリアルなんです。ストーリーは壮大でSFのような世界観ですが、新宿の街並みもほとんどそのまま再現されていて、「ありそう」だと感じてもらえるんじゃないかと思います。

――アフレコ現場はどのような雰囲気でしたか。

 メインキャストでは千本木さんとしかご一緒する機会がなかったんです。千本木さんが演じるコトコが特殊なキャラで、台詞がたくさんあるわけではないんですが、存在感のあるいい演技をされるなと後ろから見ていました。お昼ご飯を監督やスタッフさんみんなで食べに行ったりもして、楽しかったですね。

――今作のようにもう一人の自分が表れたらどうしますか。

 自分の仕事手伝ってもらいますね(笑)。梶さんは、本当にどうされているのかなって思います。大変なスケジュールのなかで、楽しそうにお仕事されているのを見ると、自分が疲れたなんて言えないなって思いますね。

――最後に、読者へメッセージをお願いします!

 ひょっとしたらTVアニメ『イングレス』を観てくださって櫻木監督の作品に興味を持ってくださった方もいるかもしれないですが、『イングレス』とはまったく別の世界観を持った作品です。

 現代の高校生と、対をなす違う世界の同年代のキャラクターたちがどのような関わりをしていくのか…最終的にはものすごく壮大な話になっています。音響や映像も迫力があり、大画面で観てこその作品だと思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。

サイン色紙プレゼント

 ジン役の中島ヨシキさんのサイン色紙を抽選で1名様にプレゼント! プレゼントへの応募は、下記の応募フォームから必要事項を記入するだけ。『あした世界が終わるとしても』やキャスト陣への応援メッセージも自由にご記入ください♪

※当選の発表は発送をもって替えさせていただきます。

★締め切りは2019年2月2日(土)の23:59。お早めにご応募ください!★

ご応募はこちらから!

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DATA
■『あした世界が終わるとしても』

公式サイト:ashitasekaiga.jp
公式Twitter:@ashitasekaiga

ROAD SHOW:2019年1月25日

原作=クラフター
監督・脚本=櫻木優平
制作=クラフタースタジオ
製作=『あした世界が終わるとしても』製作委員会
配給=松竹メディア事業部

©あした世界が終わるとしても

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