「初恋モンスター」原作者日吉丸先生が出したキャスティングへの意外な注文とは？

――アニメ化の話が出たとき、原作者としてはいかがでしたか？
日吉丸　『初恋モンスター』という作品は、はじめは私と担当さんのおふざけから始まったもの。でも、しだいに「どうせやるなら、とことんやろう！」という気持ちで、ふざけることに真剣に取り組んできた作品です。そして、ある意味「典型的・正統派な少女マンガへのアンチテーゼ」として描こうとしている面もあります。だから、アニメ化が決まったときは「普通のラブコメには、絶対しないでください！」と稲垣監督にお願いしました。そして、アニメの前にリリースされているドラマＣＤも、アニメの原作にしてほしい、ということも。なので、ドラマＣＤを聴いたことがある方にも是非アニメを観ていただけたらなと思っています。アニメでは原作にないオリジナルパートも登場しているんですが、原作側からネタを出しているところもあるんですよ～。
――メインキャストのみなさんはドラマＣＤからの続投ですが、キャスティングについては、先生からもリクエストされたのですか？
日吉丸　私からはひとつ条件を出していて…「３バカトリオ（奏・ギン・トム）は、絶対40代の方に演じてほしい！」と。外見にマッチした大人声のキャストさんが全力で子供を演じる。ギャップがあるほうが面白いと思ったからです。すると、担当さんが申し訳なさそうに「あの…ギンを演じる杉田さんは30代なんですけれど…」と言ってきて、「杉田さんなら、是非お願いします！」と即答しました。今となってはもう、ギンの声は杉田さん以外考えられません！　サブキャラについては、年齢制限をつけていないので、結果、年上キャラを演じる人のほうが実年齢が若い（笑）。キャラの年齢と演じるキャストさんの年齢が反比例するという、面白いことになっています。
――アニメ『初恋モンスター』をご覧になって、率直な感想はいかがですか？
日吉丸　人気も実力もあるキャストさんを、無駄遣いしすぎ！だと思いました（爆笑）。櫻井さんや堀江さんに、あんなことを言わせるアニメはほかにないと思います。大塚明夫さんの声で流れるあのナレーションも、ものすごい贅沢ですよね。今後も「えっ、あの人がこんな演技を!?」とみなさんがびっくりするシーンがどんどん出てきます！…でも、実は私自身は、キャストさんがフリーダムすぎる演技を聴かせてくれたドラマＣＤに比べると、アニメは絵に合わせて演じていただくぶん、若干マイルドになったかな!?という印象ではあります（笑）。
――あれでマイルドなんですか!?　…では、最後にＰＡＳＨ！読者に向けてメッセージをお願いします。
日吉丸　『初恋モンスター』について、私と担当さんの合い言葉は「絶対、出オチにしない！」。いきなり第１話で、見た目と歳の差のギャップがドーンとくるので、そのインパクトで終わりだと思われてしまいそうですが、そうはいきませんよ！　物語が進むにつれ、もっともっと衝撃的な展開になっていきます。真剣にふざけてくれるアニメスタッフのみなさんの力で、「今期アニメの核弾頭」を目指していますので、みなさん、腹筋をとことん蹂躙され尽くすつもりで、最後までおつきあいください。…これで終わりだと思うなよ!?

（PASH!2016年9月号より一部抜粋）

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DATA

ON AIR：AT-X／毎週土曜日夜11：00～（リピート放送　毎週日曜日深夜3：00～、毎週火曜日午後3：00～、毎週金曜日朝7：00～）、TOKYO MX／毎週土曜日深夜1：00～、KBS京都／毎週日曜日夜11：30～、サンテレビ／毎週月曜日深夜0：00～、BS11／毎週金曜日夜11：00～
HP：http://www.hatsukoimonster.jp
Twitter：@hatsukoi_M

STAFF：原作＝日吉丸 晃（講談社『ARIA』連載）、監督＝稲垣隆行、キャラクターデザイン＝岡 真里子、シリーズ構成＝金杉弘子、シナリオ＝大場小ゆり・あおしまたかし・赤尾でこ、美術監督＝三宅昌和、美術設定＝佐南友理、色彩設定＝吉田沙織、撮影監督＝酒井淳子、編集＝松原理恵、音楽＝坂部 剛、主題歌＝蒼井翔太、アニメーション制作＝スタジオディーン、製作＝竹小学校PTA

CAST：高橋 奏＝櫻井孝宏、二階堂夏歩＝堀江由衣、三宮銀次郎＝杉田智和、金子十六＝森久保祥太郎、野口一男＝村瀬 歩、篠原耕太＝岡本信彦、多賀敦史＝石川界人、長澤 嵐＝津田健次郎、高橋譲二＝鈴村健一、二階堂大谷＝緑川 光、枕崎宗光＝江口拓也、レンレン＝蒼井翔太、横内千秋＝和井みずき、林 真冬＝茅野愛衣、高橋修吾＝武内駿輔、深谷 雪＝野水伊織、ナレーション＝大塚明夫　ほか