「いれいす」りうらが“新たな自分”を完全燃焼! ソロワンマンライブ『りうら 2ndワンマンライブ -Burning Flair-』ライブレポートが到着

2025.12.22 <PASH! PLUS>


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 VOISING所属の2.5次元アイドルグループ「いれいす」メンバーである「りうら」が、2025年12月20日(土)、豊洲PITにて2回目となるソロワンマンライブ『りうら 2ndワンマンライブ -Burning Flair-』を開催。イベントレポートが到着しました。

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 本公演は、12月3日にリリースされた2ndソロアルバム『IGNITE』が掲げる「強烈なエネルギーと挑発的なスタイルで魅せる“新たなりうら像”」をステージ上で完全体として提示する一夜となりました。ボーカル、ラップ、ダンス、演奏とあらゆる表現を武器に、“歌い手”という枠組みを軽やかに飛び越えるマルチなアーティスト像を鮮烈に焼き付けました。

 さらに、Tani Yuuki氏、まらしぃ氏という予想外のスペシャルゲストを迎えたコラボレーションまで披露し、『Burning Flair』は“挑戦”と“更新”の連続となる公演となりました。本リリースでは、当日の模様を詳細にレポートした音楽ライター・坂井彩花氏による公式ライブレポートをお届けします。

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『りうら 2ndワンマンライブ -Burning Flair-』ライブレポート

 2.5次元アイドルグループいれいすのメンバーである“りうら”の2ndワンマンライブ『Burning Flair』が、2025年12月20日に豊洲PITにて開催された。12月3日にリリースされた2ndソロアルバム『IGNITE』が提示する「強烈なエネルギーと挑発的なスタイルで魅せる“新たなりうら像”」をステージに落とし込み、「歌い手」の枠に収まらない多面的な魅力を解放した本公演。りうらだからこそ放てる煌めくばかりの閃光を、消えない熱として観客の心に深く刻み込んだ。

 オープニング映像に続き、りうらがステージ上段に姿を現すと、割れんばかりの歓声が会場を埋め尽くした。「ファンはアーティストの鏡」という言葉通り、ステージへ真っすぐに向けられる熱量は、無邪気で愚直なりうらをそのまま映しているかのよう。生み出された熱狂をすべてパワーに変えると、『IGNITE』のリードソングである「AIM&RHYME」を投下した。サイケデリックなサウンド、魂を揺さぶる歌唱、ガツガツと攻めぬく高速ラップ、表現のすべてが洪水のようにオーディエンスを飲みこんでいく。 勢い止まらぬままに「そのまま行こうぜ!」と焚きつけ、ド直球ロックナンバーの「Just keep the faith」へ。フロアからは拳が突きあがり、《Just keep the faith》の大合唱も響き渡る。全身全霊をかけた200%のパフォーマンスで、冒頭から爆発的な一体感を作りだした。

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 MCに入るやいなや「聞きたい言葉を聞けてないなと思って。いったん、言ってもらってもいい?」と、あざとく耳を傾けるりうら。フロアから「可愛い」や「カッコイイ」などの言葉が届くと「全然違う!」と一蹴し、「え、りうら君が金髪になってる! しかも、なんか髪も長くなってる! 雰囲気けっこう変わりましたね。でも、金髪でも変わらず大好きです。メロい! だろうがよ!」とハイレベルな欲しがりを発揮。対するりうっこ(ファンの総称)も、彼の望みに答えるべく必死に再現する。ガヤガヤとした声が湧き上がると、りうらは満足そうにその反応を噛みしめていた。

 「最高にぶちあがるボカロ持ってきたぞ!」と宣言し、導かれたのは「バッド・ダンス・ホール」だ。強気な視線を飛ばした次の瞬間、《喧しいノイズを止めろよ》で唇に指を当てて色気を香らせる振れ幅は、思わずクラッとさせられるほど。一瞬にして楽曲へ没入すると、たった1曲のなかでもくるくると表情を変え、ストーリーを鮮やかに描きだしていった。このままボカロカバーで突っ切るのかと思いきや、「ここから先の2曲、あえてマイクを使わないから。新しい俺を見ててくれよ」とマイクを置くりうら。

 ダンサー2人を引き連れて、BE:FIRST「Stare In Wonder」とりうら初のソロ曲「エイユウ症候群」を踊りだけで魅せていく。パワフルなモーションは「新たな自分を提示する」という強い意志の表れだったのだろう。アクロバットの成功には自然と拍手も巻き起こり、会場も一段と前のめりに。ボカロ曲を歌いこなすこともあれば、ボーイズグループの曲を踊りこなすこともあり、オリジナル曲の可能性を拡張することもある。様々なジャンルに挑戦し、そのいずれでも魅せられる人になるのだと、バラエティーに富んだ選曲で証明してみせた。

 ライブに賭ける思いなどを語るインタビュー映像を挟み、あっという間にライブは折り返しへ。メロディーに乗せて言葉を伝え抜く「友焼け」、爽やかに感情を響かせる「とまどい列車」と、次々に異なるテイストの楽曲を投入。『IGNITE』の収録曲を通して、多彩なアプローチで表現していった。

 再びのMCでは、りうらの「なんとスペシャルゲストの方が来てくれています。VOISINGメンバーじゃありません」という告白により、場内は騒然とした雰囲気に。一呼吸置いてTani Yuuki氏とまらしぃ氏が呼び込まれると、さらに大きな喝采が豊洲PITを埋め尽くした。今年8月に行われたYouTubeでのコラボレーションをきっかけに、今回の共演が実現。予想の斜め上をいくゲストの登場に、りうっこの興奮も凄まじく、すっかりゲストのふたりも圧倒されている様子だ。

 会場が温かな空気に包まれるなか、動画でも披露した「W/X/Y」へ流れ込んでいった。降り積もるように重なるピアノと声は穏やかで、胸の奥にグッと迫りくるものがある。繊細な感情の機微を捉えているからこそ、圧倒的な説得力もあるのだろう。あまりにも美しい共演に、オーディエンスはサイリウムを振るのも忘れ、吸い込まれるように聴きいっていた。

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 しっとりとした余韻に身を浸すのも束の間、Taniとまらしぃをバックステージへ送り出したりうらは「このままじゃ終わらせないぜ」と言わんばかりに、「自由争奪戦」をドロップ。かき鳴らすギター、突き抜けるボーカル、呼応するコールが三位一体となって、ラストスパートをかけていく。『第五回いれいす総選挙』の優勝曲である「ONE」もエネルギッシュにぶちかまし、天へ掲げた人差し指と共に《揺るがない『No.1』》と決意を表明した。

 最終局面を迎え、「これから歌う2曲は、僕にとっても一層大切な2曲になっています」と絞り出すように、りうらは告げる。そして「まずは君に届くように歌わせていただきます」と零し、「意味をつけるなら」へ誘った。天使の梯子を彷彿とさせるスポットライトのなかに佇み、今にも泣きだしそうな声で真摯に言葉を紡いでいく。《君だよ》と差し伸べられる手のなんと力強いことか。陰りさえも抱きしめるピュアなエネルギーは、すべての淀みを浄化していきそうなほどだった。

 続いて、高校時代にコピーバンドを組んで演奏した思い出の曲だというRADWIMPS「狭心症」のカバーへ。時には目頭を押さえながら、時には声を震わせながら歌いあげる姿は、世界の悲しみや苦しみを全て背負いこんでいるよう。りうらの影の側面と楽曲の世界観を溶け合わせながら、歌声で一直線に胸を突き刺していく。闇を知っているからこそ灯せる光の存在を連なった2曲で謳い、オーディエンスの心を照らしたのだった。

 ラストソングとなったのは、りうら自身の“足元の揺らぎ”や“未来への迷い”を丁寧に掬い上げたライブリードである「リベレイト」。等身大の言葉と覚悟を、眩いほどに観客の五感へ焼き付けていく。彼が人生をかけて掴んできた「自分らしく生きていいんだよ」というメッセージをストレートに投げかけ、晴れやかにライブを結んだのだった。鳴りやまないアンコールに呼び戻され、もう一度りうらはステージへ。「一等星」では祈りのように歌詞を綴り、「駆けだしの青」ではギターボーカルスタイルでパフォーマンス。 歌にも踊りにも演奏にも真剣に取り組み、喜怒哀楽の感情にも真面目すぎるほどに向き合っていく。どんなことにも全力でぶつかっていくのがりうらであり、視聴者はそんな姿に魅了されているのだろう。今ある全てを余すことなく出し切り、多幸感に満ちた一夜を作り上げたのだった。

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