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舞台『おとめ妖怪ざくろ』総角 景役の遊馬晃祐インタビュー

2017.01.16 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

遊馬「僕、ヘタレなんですよ。妖怪やオバケ怖いですし(笑)」

©星野リリィ/幻冬舎コミックス・舞台「おとめ妖怪ざくろ」製作委員会

2017年1月18日(水)~25日(水)まで、東京・新宿のスペース・ゼロで上演される舞台『おとめ妖怪ざくろ』。本作で主人公の総角 景役を演じることになった遊馬晃祐さんに、作品や役に対する思いや初座長としての意気込みなど、いろいろなお話を伺ってきました!

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■総角と似ているのはヘタレなところ!?

――まずはじめに、『おとめ妖怪ざくろ』がどんな物語なのか、改めて遊馬さんからお話いただけますか?
 世界観が“妖怪と人間が共存する世界”っていうちょっと変わった設定で、そこで軍人である僕ら少尉と半妖の女の子がペアを組んで、妖怪が絡む事件を解決していきます。
 僕が演じる総角 景は、ざくろという女の子とペアを組むのですが、そこには恋愛の要素も絡んできます。

――原作を読んだ感想は?
 読んでいてキュンキュンしました。これまで自分が参加してきた『少年ジャンプ』系の作品とは違って恋愛要素が多かったので、照れもしましたね。
 この作品には笑いや感動などそのほかにもいろんなものが含まれているので、これを舞台にしたらきっとお客様に楽しんでいただけるものになると感じましたし、稽古が楽しみになりました。

――遊馬さんが演じる総角 景は、どんな人物ですか?
 すごく裕福な家庭で育った帝国陸軍の少尉で、王子様キャラです。でもヘタレで、そのことがすぐざくろにバレてがっかりされてしまいます。でも総角にとってみれば、妖怪が大の苦手なのに半妖とペアになって仕事をすることになるなんて絶望的ですよね(笑)。
 彼はヘタレですけど根が優しくて真面目だから、ざくろのことを知ろうとしたり自分から受け入れようとします。そういった姿に、ざくろは心動かされていくんだと思います。

――総角の人柄の良さは、原作やアニメからも伝わってきます。
 モテないわけないですよね(笑)。それに総角もざくろと出会い、交流していくことで変わっていきます。そういった彼の変化も本作の見どころのひとつなので、ぜひ期待してください!

――総角と遊馬さんが似ているところは?
 やっぱり、ヘタレなところですね(笑)。僕、ヘタレなんですよ。妖怪やオバケ怖いですし(笑)。
 今回は役柄上、戦うシーンがたくさんあるので、昨日もアクションの基礎稽古で受け身を練習したんです。でもアクションの経験がないので怖くてなかなかできずにいたら、他のキャストさんたちから「ここで総角のヘタレ発揮すんな(笑)!」とか言われちゃいました。
 というわけで、お芝居していくなかでヘタレなシーンに関してはすごく自然に演じることができます(笑)。

――(笑)! 総角が乗り移ったかのような?
 ビジュアル写真の撮影のときもいろいろなポーズで撮ったんですけど、ヘタレっぽいポーズはどんどん出てくるんですよ。一方の、軍人としてかっこいい表情やポーズのほうはなかなか決まらず難しかったですね。

■役になりきらないとできない“エチュード”

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――稽古はどんな状況でしょうか?

 稽古は始まってまだ1週間も経っていないので、本格的なものはまだこれからです。

――稽古はどのように進んでいるのでしょうか?
 まず初めに、ざくろ役の野田和佳子さんと僕だけで読み合わせをしたんです。その後、全体の顔合わせがあり、そのときは台本の読み合わせもしました。そして次の日は役のペアになって“エチュード”をやりました。

――エチュードとは、どのようなものですか?
 演出の方から出るお題に沿って、その場でセリフを考えながら演じる即興劇です。状況説明はせず、すべて演技や会話で理解してもらわなければいけないルールなんです。

――実際にやってみていかがでしたか?
 全然できなかったです…。以前、自分でキャラを作ったり、遊馬晃祐自身として演じるエチュードは何回かやったことがありました。ですが役になりきった上でのエチュードってやったことがなくて…。
 当たり前の話ですけど役が入ってないとできないので、自分はまだまだだと痛感しました。決まったセリフがないので、「あれ? 総角ってこんなとき、なんて言うんだろう?」とか考えちゃうんですよ。ただ、先輩たちのなかにはできてる人もいて、すごいなと思いました。

――遊馬さんへの設定は、どんなお題だったんですか?
 シーンとしては、ざくろが乱杭に母親のことを聞かされ妖人省で落ち込んでいところでしうた。彼女が縁側に座っているところに総角である僕が現れるんですけど、顔を合わせた瞬間、ものすごく軽く友達みたいに「大丈夫?」って聞いちゃって(笑)。

――総角のキャラやざくろとの関係を知っていると確かに変ですね(笑)。
 「総角がそんな言い方する?」って、共演者のみんなも爆笑で。
 演技以外にも、今回はアクションやダンス、歌もあるので、これからどんどんハードになっていくと思います。アクションは基本稽古から始まったんですが、全身筋肉痛です。

――お話を伺っているとすごく楽しそうな稽古場ですが、共演者のみなさんとはすぐに打ち解けましたか?
 稽古場の雰囲気はすごくいいですね。仲良くなったきっかけはみんなでご飯にいったことだと思います。早くお互いのことを知って意見が言いやすいカンパニーにしたかったので、稽古初日にお誘いしたらほぼ全員に来ていただけて嬉しかったですね。18時くらいに稽古が終わったあと、23時ごろまで皆さんと食べたり飲んだりして一気に仲良くなれました。おかげで良い作品を作っていくためにまとまれたと思いますし、2日目以降はお互い話しやすくなりました。

――演出の大和田悟史さんは、どのように演出される方ですか?
 大和田さんは演技について事前に「どう思う?」って聞いてくれる方なので、僕もやりやすいです。僕のプランを話すと「なるほどね。そのプランでいいよ」とか、方向性が違ったら「こっちもやってみて」と示してくれるので、稽古場でいろいろ試しながら作っています。

――共演するみなさんの印象は?
 鬼灯役の富田麻帆さんと雪洞役の椙山さと美さんはムードメーカーで、稽古場の空気をすごく明るくしてくれてますね。利劔役の脇崎智史さんは不思議な人で、ここで笑いとる?っていうところで笑いが起きちゃう。丸竜役の阿部快征と薄蛍役の高橋優里花ちゃんはとにかくかわいくて、フレッシュな笑顔で稽古場を盛り上げてくれています。沢鷹役の勇哉さんとは6月にも共演させてもらってるんですが、すごく頼りになる先輩です。

――ざくろ役の野田和佳子さんとはいかがですか?
 野田さんとは頻繁に話し合っています。どのキャラクターもそれぞれ関係性や見せ場があるんですが、やはり総角とざくろが軸になってくるので、この2人のシーンは特に丁寧に作っていこうとしています。

■総角の見どころは後半に満載!

――野田さんをはじめ本作は女性キャストが多いですが、雰囲気はいかがですか?
 これまでと空気感が違いますね。最初はすごく不安でした。僕が以前に参加していた『ハイキュー!!』のキャストは全員男性で、女性が多い現場ってこれまで経験したことがなかったので。

――気の遣い方が難しい?
 難しいですね。だから食事会をして早く仲良くなりたかったし、自分からコミュニケーションを取るようにしています。

――今回が初座長となりますが、気を付けていることは?
 いつもなら自分のことだけ考えていればよかったんですけど、今回は座長をやらせてもらうので、稽古場の空気とか全体に気を配っているところがあります。

――座長だからこその大変さですね。
 そうですね、でもやりがいはあります。それに頼りになる先輩方がいっぱいいるので、頼れるところは頼って、たくさん聞いて、学んで成長していけたらいいなとも思っています。

――遊馬さんがオススメする総角の見どころと、作品の全体の見どころをそれぞれ教えてください。
 総角 景としての見どころは、後半ざくろを助けにいくシーンだと思います。それまで戦う場面では全部ざくろに任せっきりだった総角が、彼女を守りたいと思うようになって、そのために必死に鍛錬もするんです。そしてざくろを助けに向かうのですが、そこまでの総角の成長過程も注目してしていただければと。
 あと、総角からざくろにある告白をするシーンにもぜひ注目してください。ここはお客さんにも彼やざくろの気持ちに共感していただけるようがんばっていますし、しっかり観てほしいシーンでもあるので、大事に演じていこうと思っています。
 作品全体としての見どころは、どのキャストも役と合っているのでお好きなキャラクターに注目して観ていただければと思います。また、豆蔵や櫛松などの仲間の妖怪がどんなビジュアルで登場するんだろうって楽しみな方もいると思いますが、そのあたりにもぜひ期待していただければと。
 キャラクター全員が『ざくろ』の世界観を作っているので、その世界観が皆さんに届けばいいなと思います。華やかだなとか、このシーンかっこいいなとか、あのシーン面白いなとか、どこか気に入っていただけたら嬉しいです。

――では最後にPASH! PLUS読者にメッセージを!
 今回、初座長として挑戦させていただいてます。『おとめ妖怪ざくろ』の世界観、そしてそこに生きているキャラクターたちを皆様にお届けするため、キャスト一丸となって必死に稽古して作り上げていますので、お時間がある方はぜひ観にいらしてください。よろしくお願いします!


DATA

舞台『おとめ妖怪ざくろ』
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公演期間:2017年1月18日(水)~25日(水)
 ※全12回公演

公演会場:全労済ホール/スペース・ゼロ
(東京都渋谷区代々木2-12-10 全労済会館) ※JR新宿駅南口 徒歩5分

チケット料金:全席指定
 特典付きS席 8,000円(税込)
 A席 6,000円(税込)
CAST:遊馬晃祐、脇崎智史、阿部快征、野田和佳子、高橋優里花、富田麻帆、椙山さと美、亀井美緒、影山靖奈、千田美智子、小林健一、安里勇哉 ほか

STAFF:
 脚本・演出=大和田悟史

HP:http://zakuro-stage.jp

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