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【PASH! PLUS独占!】『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』勇者役・松浦 司独占インタビュー Part.3

2016.07.18 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

レベル0から出発した勇者が率いる、“遊園地のようなアリーナショー”の全容に迫る

松浦 司(まつうら・つかさ) Profile●『ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ...』が生まれた1988年生まれ。 大阪府出身。 ストリートダンサーとして活動しながら、2007年より数々のイベントやテーマパークのショーに出演。 抜群のダンス力を武器に、歌、MCなど、多方面に才能を発揮。 2012年より海外アーティストのバックダンサーとして、ドーム級のコンサート出演のほか、TVCMなどさらに活動の幅を広げる。 2013年、原点であるストリートダンスの力を試すためにオーストラリアに渡り、3カ月間のストリートパフォーマンスに挑戦した。 2016年、『ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー』勇者オーディションに応募、約700倍の難関を勝ち抜き、勇者役に抜擢された。 ©ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

 

まもなく始まる『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』。その主演である勇者役・松浦 司さんインタビューも今回で最終回。前回はどの席からも楽しむことができる演出のヒミツやそのために松浦さんが意識していること、また温かなパーティの様子について伺いました。今回は稽古のより詳しい内容や、作品にまつわる松浦さんご自身のエピソードについて教えていただきます。

●Part.1はコチラ→https://www.pashplus.jp/special/interview/23413/

●Part.2はコチラ→https://www.pashplus.jp/special/interview/23422/

ワイヤーアクションで失神するんじゃないかな(笑)

――本作はアクションシーンが見どころの1つかと思うのですが、今(※2016年6月上旬)はどんな練習をされていますか?
 今はまだブリッジ(※11個の島状のステージとステージを繋ぐ吊り橋)が動いたりする本格的なものはしていなくて、ワイヤーアクションだけちょっとやらせていただきました。上にジャンプしてしゃがんで着地する、とかですね。
 ワイヤーアクションの練習で印象的だったのが、「上がるときはジャンプしないで」って言われたことです。そのまま止まっていないとだめなんです。ワイヤーで吊られたときって自分でジャンプするのかなと思っていたんですが、ジャンプしてしまうとその瞬間ワイヤーにたるみができて危ないんですよ。だから上がるときはそのまま動かないで、反対にしゃがむときは自分で勢いをつけるんです。ワイヤーアクションはこれまでに1度やったことがあったんですけど、こんなにいろんなバージョンで動くのは初めてだったので、すごく勉強になりました。

――かなり高速で移動するワイヤーアクションシーンもあると伺いました。
 そうなんです。まだ練習していないので、早くしたいですね。怖いですから(笑)。
 前に行く動きだけじゃなくて、後ろに行く動きもあるんですよ。もうジェットコースターより怖いですよ!

――走るスピードより速いんだとか。
 はい。ジェットコースターなんかは「来る、来る、あ、きたー!」ってなるじゃないですか? でも今回みたいにワイヤーで後ろに高速移動とか…僕もうほんまにやるとき声出るんちゃうかなって(笑)。失神するんちゃうかなとか思ってるんですよ、本当に!(笑)。
 ステージの端から端までかなり距離があるところを猛スピードで動くので、見た目もだいぶ速いと思うんですけど。でも見た目と体感って全然違うじゃないですか? だからそうですね、早く練習して失神したいですね、慣れとかんと。

アドリブシーンは、やるたびに違うものになるんです

――稽古で楽しいことは?
 本公演ではお客さんと絡むシーンがあって、毎公演アドリブの尺みたいな部分があるんです。そのシーンが実際稽古でも毎回違うものになるのですごく楽しいです。

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 みんなリハーサルでも、今日はこうきた、今度はこうきたとか、ほんとどんだけネタ持ってるんだ!?って思うくらい、演じるごとに違う内容になって。
 なので今回のショーは、1回観に来てもまた観にいきたいなって思ってもらえる構成だと思います。もう40回観に行きましょ!ってくらい(笑)。冗談抜きで40回全公演観ても毎回違って楽しめるところが本作の強みだと思っています。
 やっぱり役者の方って、生で感じたままのものを表現しているので、毎回同じことを演じるんじゃなくて、その都度、挑戦しているんですよね。そういう生の演技や掛け合いがあるから、やっぱり楽しいんですよね。

――稽古中に何か発見したことがあればぜひ教えてください。
 パーティのメンバーの性格が、それぞれの役に自然と当てはまっていることに気づきました。だからこそ、みんな役を演じているんですけど、その役が1人ひとりナチュラルにはまっているような気がして…。
 そういうのって実際のステージの上でも、ほんの少しですけど出るものだと思うんですよ。キャラクターの空気というか…。そんなところも本作の見どころかなと思います。

僕の殺陣はレベル0から始まりました

――稽古のときに必ずすることはありますか?
 稽古後のことなんですが、家に帰ってから必ずその日練習した1つひとつの動きをイメージトレーニングしたり反復練習したりしています。
 例えばなんですけど、「モンスターがここで前から向かって来る、だから左に避けて右上から剣を振り下ろして斬る」というふうに、全ての動きを細かく覚えるんじゃなくて、「モンスターが来たからそれに反応して斬る」というようなリアリティーを出せるように、自分のなかでイメージしながらやっています。それができていないと、観ている方にも「あいつ、モンスターの動きを分かってたな」って伝わっちゃうと思うんですよ。

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 セリフに関しても、この場で今僕が自然に喋っているのと同じように舞台でも喋れたらベストだと思っています。セリフが決まっているからこそ、どのセリフも初めて聞いたり喋ったりする新鮮さを、自分のなかで作り出せるよう取り組んでいます。

――稽古中のエピソードで印象的だったことは?
 殺陣を教えてくださった方が愛のある厳しい先生で、稽古初日に「お前はレベル0だ」って言われました。個人的にはレベル10くらいはあるかなって思ってたんですけど(笑)。
 そのとき「え、そんな低いんですか!?」って聞いたら、先生が「当たり前だろ。逆に今がレベル99だったら、観てる人たちも面白くないだろう」って。「勇者は冒険して成長していくんだから、お前もこれからどんどん成長していかへんかったらあかん」って言われて、それで俄然「レベル上げていかな!」って思えたんですよ。

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──とても素敵なお話ですね。では今のレベルはどのぐらいでしょうか?
 自分自身でよく分かっていないので、ハッキリと答えられないですね…。徐々に上がってきているとは思うんですけどね。ただ今思うのは、毎日稽古して反復練習をして、レベルを上げるための経験値を蓄えていく姿勢が、すごく大事なことなのかなってことです。それで例え公演までにレベル99になったとしても、その先さらに上がって僕自身、成長していくんじゃないかなと思っています。

――それこそ『DQ』って感じですね!
 あ、今、頭の中で流れませんでした!? レベルアップの音楽! 僕この話してたら、今なんか頭の中勝手に流れましたよ!!(笑)

オープニングを観てほしいので、遅刻は絶対ナシでお願いします!!

――今回コンディションを保つために気をつけていることは?
 公演中は2時間動きっぱなしなので、体感的にかなり暑いと思うんですよ。ワイヤーアクションもあったり、衣裳も防具などガッシリしていたりして。なので、それに慣れる体作りを今からやっています。
 稽古の最初の頃はそういったことを意識せず半パン半袖でやっていたんですけど、スタッフさんから「本番公演中はそんな薄着じゃないぞ。しっかり厚着して、常に酸素が薄い状態とか服で暑い状態だとかを作ったうえで稽古しなさい」って言われたんです。確かにそうだなと思って、そのあとすぐに洋服を買い足しに行きました。

――松浦さんがおススメの本作の見どころを教えてください。
 例えば僕が「ライデイン!」と唱えると、360度見える巨大なスクリーンによってどの角度から観てもライデインを撃っているように見える演出になっています。これが本当にすごいんです! 僕も早くその演出を観てみたいと思っています。
 プラス、ステージなどの舞台装置ですね。島と島を繋ぐブリッジが動くことによって、景色が次々変わるんです。その効果で、突然僕がすぐ近くにいるような感覚になったり、観客の方が「高~!」とか、「近~!」とか感じるような、空間をうまく使ったショーになっています。会場全体が1つの遊園地みたいな感じなので、そこはすごく見どころです。

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 それから、音楽も。これはもう本当に聴きに来てください!とだけお伝えしておきます。『DQ』をプレイしたことがある人は音楽でさらに感動してもらえると思うので、やったことがない方がもしいたら今のうちにゲームをプレイして音楽を聴いておいてほしいです。そのぐらい素晴らしいですし、感動も倍増すると思うので!

――「観客が主人公」というのが本作のテーマですが、特にどの場面でそれを感じることができるのでしょうか?
 観る方によって感じるところは違うと思うんですけど、僕としては最初からいちばん最後までの全体の流れですかね。
 とにかく始まりがすごいんですよ! もう絶対に皆さんの期待を裏切らないです!って断言するぐらいすごい!! …こんなに言っておいて「全然ちゃうやん」って言われたら、僕もう土下座ものですね(笑)。
 逆にそんなに期待値上げていいんですか?って言われるくらい、オープニングはとんでもないです。音楽が流れて映像が映ってこのショーが始まったときに、『DQ』をやってきた人たちが「なんだこれは!?」と興奮してもらえると思っています。

――それはぜひ体験したくなりますね!
 本当に。だから「ごめん仕事の都合で遅れた!」っていうのは、今回ナシでお願いします! ぜひあらかじめ休暇を取っていただいてからいらしてください。遅刻は100%ナシで!!(笑)。もし遅刻したら、多分横の席の人に「オープニング観れんで、かわいそうな人やな…」って言われると思います。
 しつこいですけど、本当に始まりがすごいことになってるんで遅刻厳禁で。…なんかめちゃめちゃ謎なリクエストですね(笑)。もし遅刻してしまったら、次にもう1回観に来ていただいたほうがいいと思いますって言いたくなるくらい、始まりから観ていただきたいんです。よろしくお願いします。

名前をつけることって、実は一番深いことだと思うんです

――本作は“人が名前をつけるときの想い”が1つのメインテーマになっていますよね。
 例えば人にあだなをつけるときって、何かしらの想いがあるじゃないですか? 「こういう人だから、このあだ名」とか。そうやって名前を付けることって、絶対にその人が強く感じている想いがあるんですよね。
 僕だったらダンスをやるなかで、自分で作ったオリジナルの技にむちゃくちゃダサい名前をつけたりするんです。でもそこには「これは自分で作った技や」「この技は一生懸命練習して作ったからこういう名前や!」っていう想いがあって…。そんな名前をつける行為って、想いがないと絶対出てこないものだと思うんです。
 だからこのショーのテーマは、すごく深いですよね。名前をつけるって日常でよくあることなので、それについて真面目に考えることってあまりないじゃないですか? でもふと考えてみると、これっていちばん深いことなんじゃないでしょうか?

――これまで名づけについて、どんなエピソードがありますか?
 僕は今「Shya7(シャナナ)」というダンスグループに所属しているんですけど、このチーム名をつけるときのことをよく覚えています。
 僕らのチームはみんな陽気で、楽しいことをするのが大好きなんですよ。だからそのときも「明るい名前がええやろ」ってなって。そこで「♪シャララン、シャナナン~とかでいいんちゃう? 響きいいやろ」って、本当にそんな感じで決まったんですよ。性格出てますよね(笑)。
 でもそれが僕らのチームに合っていて、今すごく活きているなって感じています。

――では最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします!
 今回の『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』は、みなさんが今まで観たことのないショーになっています。
 一体どんなものになるんだろうと期待している方も多くいらっしゃると思いますが、その想像をはるかに超えた壮大なショーです。観に行ってみようかなとちょっとでも迷っている方、ぜひ観に来てください! 今までで一番最高の夏だったと言ってもらえるショーだと、自信を持っています。
 みなさんに「『DQ』を観ている」じゃなくて、「『DQ』のキャラクターたちと一緒に冒険している」感覚になっていただけたら嬉しいです。キャスト・スタッフみんなで愛を持って創り上げていますので、ぜひ家族やみなさんの大切な方たちと一緒に、遊びに来てください!!

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取材後記

 早朝にもかかわらず、どの質問にも快く答えてくださった松浦さん。スライムのTシャツがとってもかわいかったです♪ 大阪出身ということもあり、関西弁による巧みなトークで、終始笑わせてくださる素敵な方でした。そのお話を聞けば聞くほど、このショーが一体どんなものか自分の目で確かめなければ…!という気持ちに。このインタビューを読んでくださった1人でも多くの方が、同じ気持ちになっていただけたら嬉しいです。この夏は『DQ』ワールドへ、一緒に冒険に行きましょう!!

TEXT:木口すず(ヴァーンフリート)

 

DATA
ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー

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さいたま公演:
2016年7月22日(金)~31日(日)さいたまスーパーアリーナ

福岡公演
8月5日(金)~7日(日) マリンメッセ福岡

名古屋公演
8月12日(金)~14日(日)名古屋 日本ガイシホール

大阪公演
8月18日(木)~22日(月) 大阪城ホール

横浜公演
8月26日(金)~31日(水) 横浜アリーナ
※8月29日休演

チケット料金:
 S席 大人9,500円(税込)/子ども7,500円(税込)
 A席 大人7,500円(税込)/子ども5,500円(税込)

※子ども料金は3歳~小学生までです。3歳未満でも席が必要な場合は有料です。
※機材やステージ・客席の構造等により、舞台の一部が見えにくい場合がありうます。

HP:http://dragonquestlive.jp/

演出=金谷 かほり
ステージデザイン=レイ・ウィンクラー
衣裳デザイン=有村 淳(宝塚歌劇団)

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