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『DEVILMAN crybaby』最大のポイントは飛鳥 了を描くこと。衝撃のラストシーンを中心に物語を構築!

2017.03.26 <PASH! PLUS>

今までアニメに登場しなかった原作キャラ・飛鳥 了が登場。バイオレンスとエロティックの限界に挑む!

©Go Nagai-Devilman Crybaby Project

 本日3月25日(土)、東京ビックサイトで開催中の日本最大級のアニメイベント“AnimeJapan2017”にて、“『DEVILMAN crybaby』原作・永井 豪、監督・湯浅政明 スペシャル生対談”が開催されました。

 3月16日(木)に突如発表された『DEVILMAN crybaby』。謎のベールに包まれた本作について、どんなトークが展開されるのか? 客席は期待に満ちた観客とマスコミ陣で埋まり、ダークな作品ということでちょっとした緊張感すら漂っていました。

 日本放送アナウンサー・吉田尚記さんの司会進行で始まったこのイベントでは、まず本作のPVが上映されました。

 その後、デビルマンカラーのグリーンスーツを着た永井 豪さんと、デビルマンのTシャツを掲げた湯浅政明監督が登場。

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お2人が会ったのは今回が2回目で、1回目は制作のためのお祓いしてをもらった時とのこと。

 

 最初の挨拶で永井さんは、「久々の『デビルマン』のアニメということで、私も期待いっぱいです。原作は激しい作品なので、今度はどういう『デビルマン』になるのか楽しみにしています」とコメント。「湯浅監督の作品を観て、すごくシュールな雰囲気があると感じました。『デビルマン』という作品も日常から突然シュールな世界に大きくシフトする作品なので、そのへんが監督にもピッタリくるんじゃないか」と、すでに湯浅作品をご覧になったうえでの太鼓判を押されていました。

『デビルマン』は殺伐とした世界に
警鐘を鳴らすための作品だった

 最初に原作漫画を連載していた当時を振り返った永井さんは、連載がスタートした1972年は学生運動やベトナム戦争の激化など、世の中が殺伐としていた時代で、このまま戦いがエスカレートしたらどうなるだろうと危惧し、「どこかでストップをかけないと、危ないよ!」というメッセージを込めて本作を描いたと回想。

 また、「放っておいても『デビルマン』のことを考えてしまっていた。何かが乗り移ったかのようになって、ときどき自分が『なんでこんなことを描いているんだろう?』とわからなくなることもあったんです」と語り、当時『デビルマン』のゲラが届いてセリフを読んでも「あれ、どこからこんなセリフが出てきたんだろう?」と思ってしまうという記憶が飛ぶことが度々あったことも明かしました。

 湯浅監督は、高校生の時に原作コミックスと出会い、衝撃を受けたことを明かします。特に後半の展開に心を掴まれたそうですが、当時はその奥にあるものがよくわからないままだったとも振り返っています。

 続いて永井さんから、『デビルマン』はもともとアニメの企画ありきの作品だったことが語られました。アニメ用のストーリー設定やキャラクター設定を作り東映動画に渡し、シナリオライターの辻 真先さんとも打ち合わせをして企画が決まっていましたが、自身が漫画を描いたら、初回からアニメの設定と異なるものになってしまったそう。

 中でも大きく違ったのは“飛鳥 了”というキャラクターの存在。アニメには登場しないため、さすがにプロデューサーから文句を言われてしまったとのこと。また最初のTVアニメシリーズの視聴率についても話題に。それまで同時間帯の視聴率は一ケタでしたが、このアニメが始まった途端二ケタに伸びるほど高視聴率をマークしたと語られました。

『DEVILMAN crybaby』が
現代のきな臭さや差別意識をあぶり出す!

 今回の『DEVILMAN crybaby』は、湯浅監督がやりたいと言って実現した企画であることが明らかに。ただ監督としてはアニメ化することに怖い部分もあり、「アニメも原作もみんなが知っている作品ですし、それを映像化するのはかなり難しい」と思ったそうです。

 しかし、「小さいころ夢に見たものを自分でやれるってことが、自分的にはすごく嬉しくて……。作り始めると怖いのを忘れることができるので、漫画もたくさん読んで、永井先生はどういうことをやりたかったのか、自分が永井先生になるぐらいのつもりで、永井先生がいま作ったら、こんなふうにやるんじゃないか」ということを考えて、今制作をしているとのこと。また先ほどの話を受け、「そのうち描いたことを忘れるぐらい、のめり込んで作りたいと思います」とも語りました。

 今回のアニメ化オファーについて永井さんは「僕の場合は、意欲のある人がいらっしゃるんでしたらどんな挑戦もOKです」と明るく答え、「僕は自分の作品と違ったものができても、まったく気にしない人間なんですよ。最初のTVアニメのときもまるっきり違ってしまいましたし」とも語っていました。

 その他に、アニメ化にあたり湯浅監督は、原作にあるスピリットを表現するためにどうすればいいかを考えたことなども語られました。

 「今回は最初からラストがわかっているので、そこにたどり着くように最初から見せていく感じになっています。舞台設定は現代の話。永井先生が漫画を描かれたときと違いますが、今って似たような空気があります。なので表には見えない静かな空気みたいなものを同じように当てはめて、そこに『デビルマン』の世界を作ることができればと思っています」と意気込んでいます。

 また、「現代は静かにきな臭かったり差別的な機運も高まっていたり、人間ってそんなに変わってないんだなって感じがすごくありますね」とも語っていました。

 さらに、監督の話のなかで、悪魔側のデザインを『フリップフラッパーズ』を監督した押山清高さんがされていることもあかさ、サブタイトルの『crybaby』がキーになっていることも明かされました。アニメということで制限がいろいろありますが、原作のバイオレンスもエロティックも限界までがんばって表現していくとのことです。

永井 豪が太鼓判!
2018年の放送が楽しみでしかない!!

 上述したように、永井さんはすでに湯浅監督の作品を見ており、監督に太鼓判を押しています。そういった流れで、ここで湯浅監督の最新作『夜明け告げるルーの歌』と『夜は短し歩けよ乙女』の予告編2本が上映されました。

『夜明け告げるルーの歌』

『夜は短し歩けよ乙女』

 それをご覧になった永井さんが改めて「めちゃくちゃおもしろい」「『デビルマン』がどういう結果になるかめちゃくちゃ楽しみ! 強引な手法でシュールにもってく手法は『デビルマン』に合っている」と興奮気味に絶賛。それを聞いた湯浅監督は「さらにプレッシャーがかかりました(笑)」と恐縮しながらも、「『DEVILMAN crybaby』も期待を裏切らない形にできると思っています」とその自信の程を覗かせました。

 さらに、『DEVILMAN crybaby』の最大のポイントは、今までのアニメ化で描かれなかったキャラクター・飛鳥 了を描くことことだと明かされ、主人公・不動 明と飛鳥 了のバディものとして描かれることと、ある種、了が主人公であることも判明しました。

 主人公が了であることに永井先生も深くうなずいて同意し、「自分も後半になって本当の主人公は了なんだってことに気づきました。どうしても了を外すと物語が進まなくて、1回死なせたのにまた生き返らせたりしています」と述懐。

 また今回は、原作漫画のラストシーンの意味を湯浅監督なりに解釈し、そこから逆算する形で全体の構成を考えていったとのこと。完全に現代物として描き、監督自身の覚悟を決めるために、『デビルマン』という漫画が過去にある世界という設定にもしたとのことでした。ちなみに脚本は半分以上できており、作画も順調。話数的には1クールものであることも判明しました。

 配信は来年2018年の始めになるとのことで、ファンはもちろん、これまで『デビルマン』に興味があっても観たり読んだりしたことのない人は、ぜひ楽しみに待っていてください。

 最後のメッセージで湯浅監督は「永井先生の期待に添えるような素敵な作品になると思っているので、みなさんもぜひ期待して待ってほしいと思います」とアピールし、永井さんは「僕のほうはなんのプレッシャーもありません(笑)。早く来年にならないかな。早く観たい。それだけです(笑)」と、湯浅監督に全幅の信頼を寄せたメッセージを送り、湯浅監督には「楽しんで作れたら、いい作品になると信じています。やりたことをやってほしい」とエールを送り、トークショーは終了しました。

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