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アニメ『SAO』2022年は“ソードアート・オンライン”のサービス開始年! 現代技術でフルダイブVRゲームを再現してみた

2022.01.01 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 『ソードアート・オンライン』はライトノベルを原作として2012年にアニメ第1期が放送されて以来、2期、3期、劇場版と、絶大な人気を博してきました。今年2022年にも劇場版の公開が予定されています。

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 タイトルにもなっている“ソードアート・オンライン”は作中に登場するゲームの名前で、フルダイブ型VR(仮想現実空間に入り込む)オンラインRPG。主人公たちはこのゲーム内に閉じ込められ、ゲームをクリアするまで出られないうえ、ゲーム内の死が現実での死に直結するという騒動(SAO事件)に巻き込まれました。

 ログアウトできなかったり、命がけになったりするのは怖すぎますが、完全に入り込んでゲーム世界を体験できるのは楽しそうですね。

ところで、作中でソードアート・オンラインのゲームサービスは2022年に開始されたのをご存じでしょうか?

 現在はまだフルダイブ型VRゲームは実用化されていませんが、今後作られる可能性はあるのでしょうか。今のところ、VRゲームは基本的にコントローラーの操作が必要で、フルダイブ型のように実際に体を動かす感覚でプレイすることはできません。

 劇中では、プレイヤーが自由に動き回れて匂いや感触も感じられる世界で、モーションキャプチャーセンサーなどを使って手足を動かす感覚でゲームをプレイしています。これを再現できれば、フルダイブ型VRゲームと呼べるものになるでしょう。

 自由に動き回って探索できるオープンワールドの3Dゲームはすでに数多く発売されていますし、ウェアラブルなセンサーを着ければ感覚的操作も可能です。また、4D映画など、匂いや触覚を刺激するシステムも作られています。

それらを組み合わせれば、現在の技術でもフルダイブVRゲームを再現可能なのでは!?

 そう思い、実際にやってみたらいくらになるのか、ついでにSAO事件に遭遇したらどうなるのか検証してみました。

現実技術でフルダイブ型VRゲームを再現してみた

 今回の検証においては下記の3点をフルダイブ型VRゲームの条件として設定します。

・詳細に作り込まれたVR世界

・モーションキャプチャーセンサー

・現実世界におけるプレイヤーの保護

 まずは本体を用意しましょう。今回白羽の矢を立てたのはバンダイナムコゲームスの『機動戦士ガンダム戦場の絆 P.O.D』。コックピットに見立てた筐体に入り、まるで機体を操作しているかのように遊べるゲームで、VRゲームとは違いますが、リアルで没入感の強いゲームでした。

 これを筐体ごと購入すると2,800,000円かかります。これにVR技術、モーションキャプチャー技術など加えればフルダイブ型VRゲームの再現になるのではないでしょうか。そこで、それぞれの価格を見ていきます。

 まず、筆者が調べた中で充分な性能だと考えられるVRゴーグル(E3-4K Gaming Combo)は49,830円で売られていました。コントローラー代わりとなるモーションキャプチャーセンサー(NOITOM PERCEPTION NEURON PRO)は549,800円で購入可能でした。

 そして香り、水しぶき、振動など4D対応の映画シートは一席あたり30~100万円ほどとのこと。ここでは仮に中間の65万円とします。

 これらの価格の総額がフルダイブ型ゲームの本体価格だと仮定すると、2,800,000+49,830+549,800+650,000で4,049,630円になります。

いろんな維持費がタイヘン!

 電気代はプレイステーション5と同額だとすると、一時間に9.45円。一ヶ月間連続でログインした場合、9.45(円)×24(時間)×30(日)で6,804円かかります。

 また、ソードアート・オンラインでは二年間もの長期にわたってログインを続けていました。その間、現実世界で飲まず食わずでは生きていられません。

 作中では点滴を打たれていたようですが、実際には点滴だけでは充分な栄養を得ることが出来ません。チューブなどで胃に栄養を送る措置をすることになるでしょう。その場合、月に60,000円ほどが必要になるようです。

 このほか、匂いや味を伝えるための香料や調味料が必要です。4D映画を見ると、通常の鑑賞量に加えて1,000円前後の追加料金がかかります。これを一日当たりの料金と仮定して、一ヵ月では1,000(円)×30(日)で30,000円です。

これらを全て合わせた月額料金は96,804円!

 上記の値段でフルダイブ型VRゲームができるとして、ソードアート・オンラインのように二年間ずっとログインしていた場合、月額は96,804×12×2で2,323,296円。本体代と合わせて6,372,926円。約640万円必要になります。

 640万円……。高級車くらいの価格なので思ったよりも現実的ですが、ゲームにこれだけの大金をかけられるという人はなかなかいないでしょう。しかも、開発費などを考えれば実際の価格はこれよりずっと高くなると予想されますから、家庭用ゲーム機としての販売は難しそうです。でも、もしかしたら……。

 2021年10月には、劇場版「ソードアートオンライン プログレッシブ」の第一作「星なき夜のアリア」が公開され、公開二日で観客動員数225,221人を記録し、動員数・興行収入ともに一位となりました。第二作「冥き夕闇のスケルツォ」は2022年公開予定です。

 作中でソードアート・オンラインがサービス開始した2022年! もしかしたら、映画の公開だけでなく、大きなサプライズもあるのかも!! なんて、勝手な期待を抱きながら、『ソードアートオンライン‐プログレッシブ‐冥き夕闇のスケルツォ』の公開を待とうと思います。

■参考資料
アリババ.com「4dモーションチェア」
メディカルノート「胃ろうの費用」
哲信クリエイト「販売・買取リスト」
株式会社アユート「ノイトム」商品ページ
劇場版『ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』HP
アニメ『ソードアート・オンライン』HP
ウィキペディア「VR」、「4DX」、「プレイステーション5」、「開発費が高額なゲーム一覧」、「ソードアート・オンライン」

※画像は公式サイトをキャプチャーしたもの。
(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

文・渡辺晴陽

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