『3月のライオン』桐山零の給料はホントに林田先生より高いのか？ 対局料など計算してみた

　世界には様々な職業がありますが、プロ将棋棋士はその中でも門戸がとてつもなく狭い思われる職業のひとつだと思われます。

　新進棋士奨励会に入会し、6級から始まり全国より選りすぐられたエリ－ト達を倒してようやく三段に昇格。三段リ－グというリーグ戦で所定の成績を収めると晴れて四段のプロ将棋棋士となります。

　まさに気の遠くなるような道のり、しかしわずか14歳7カ月で突破した少年が現れます……。藤井聡太二冠 2020年の獲得賞金は4,554万円。当時わずか18歳です。

　しかし……正にそれを予見したかのように藤井二冠を地で行くアニメが存在しています。そう、『3月のライオン』です。主人公桐山零（きりやまれい）は15歳でプロ将棋棋士になりました。

　筆者は小学生の頃、クラブ活動でちょこっとだけ将棋クラブに在籍していたことがあり、まあかじる程度ですが将棋をやっていたので、そのせいもあり『3月のライオン』は楽しく見ていました。

　その中でちょっと気になるワンシ－ンがあります。高校1年生の零と担任の林田先生との会話『桐山……おまえひょっとして俺より給料高くね？』というもの。零曰く対局料は月払いで月末に振り込まれるとのことです。

　いくら稼いでいるのか気になりますね……。ということで、

高校1年生 桐山零17歳プロ棋士C級1組五段の年収は？

※年収はアニメ第一シリ－ズのもの。1月1日～12月31日の間に対局したものとします。

　かつては基本給があったそうですが2011年以降は廃止されたとの事。プロ将棋棋士の収入は大きく3つで、クラス別の対局料、指導料、解説料となります。零が指導や解説しているシ－ンはみあたらないので、今回は対局料を調べてみました。

　しかし対局料は非公表とのこと。めげずにあらゆる角度から調べてみました！

　零の対局数リーグ戦は固定ですがト－ナメントは勝ち進めば対局料も上がり対局数も増えます。よって棋士によって年間対局数はまちまち。零曰く年間30～40局とのことですが、リ－グ戦は10戦。対局料はC級1組で約20万円の合計200万円。

　あくまで推測ですが、竜王戦をベ－スに対局料を推測したサイトがありました。それによるとC級1組の対局料は18万円だそうです。それ以外の対局30局でおよそ18万円、合計540万円。しめて合計740万円となります。ここから所得税及び社会保険等を控除します。

合計592万円 月額49万円

　いかがでしょうか？　なお、林田先生の年齢は零が高校1年生の時に34歳だった模様です。そして、ネットによれば30～34歳高校教師の平均年収は、推定558.5万円とのこと。……林田先生が平均を上回る給料をもらえていない限り懸念は的中していることでしょう。

　ちなみに翌年の零の年収は780万円（確定申告額）だそうです!!!　新人王も取りましたし（優勝賞金200万円）B級2組に昇格しています。零は個人事業主であり、経費を抜いた金額が780万円なので実際の獲得賞金額はもっとあると思います。まあ、プロ将棋棋士になるのは難しいですがプロ将棋棋士であり続けるのはもっと大変なことでしょう。

　しかし、藤井二冠は別格として10代でこれだけの収入ってスゴイですよね。果たして零はタイトルを取る事ができるのでしょうか？　今後の展開がとても気になりますね。

参考文献及び資料
テレビ【3月のライオン】
ウィキペディア【3月のライオン】【棋士（将棋）】【新人王戦（将棋）】
年収ランキング【プロ棋士の年収を徹底解説】
日本将棋連盟【2020年獲得賞金・対局料ベスト10】
キャリアガ－デン【棋士の仕事】
将棋ポケット【将棋プロ1年目・新人の年収（賞金＋対局料）はいくらか試算してみた！】

※画像は公式サイトをキャプチャーしたもの。
(C)羽海野チカ・白泉社／「３月のライオン」アニメ製作委員会 (C)羽海野チカ・白泉社

文・内海　健（よしもとライターズアカデミーウエスト）

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