『賭博黙示録カイジ』“限定ジャンケン”で帝愛グループが儲けた金額を算出したらすごいことに…【計算してみた】

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2021.02.12 <PASH! PLUS>

PASH! PLUS

　“ギャンブル”をテ－マにしたアニメ作品は数々ありますが、その代表格といえば『カイジ』シリーズ。さまざまなギャンブルで劣勢を強いられる主人公の伊藤開司（イトウ・カイジ）が、それをものともせず、自らの判断と力で切り抜けて行くという展開にハラハラワクワクさせられます。藤原竜也さん主演で、実写映画化もされました。

　ただ単なるギャンブルではなく、趣向が凝らされた競技が繰り広げられるのも『カイジ』の魅力。見ている者を引きつけて離さない展開と、「あっ」と思わず声が出るどんでん返しもあり、さらに改めて見直していくと色々な発見もあります。

　特に筆者の好きな競技は、物語で最初に行われる競技「限定ジャンケン」です。豪華客船の特設会場に103名の債務者が集められ、各自にグー、チョキ、パー各4枚のカ－ド計12枚と3個の星を手渡され、勝負をして星のやり取りをします（勝ったものが星を獲得、あいこは星の移動無しかつカ－ド消費）。

　ちなみに競技時間は4時間（240分）となります。となると気になることが……。

帝愛グル－プは限定ジャンケンでいくら儲けることができるのか？

　今回、その金額を算出してみました！

帝愛グル－プは限定ジャンケンでいくら儲けることができるのか？

◆競技の勝利条件◆
・星を3個以上手にする。
・12枚のジャンケンカ－ドを全て消費する。
※「勝者として下船すれば乗船前の債務は￥0となります。

　ルールは、誰もが知っているジャンケン。参加者同志を争わせ、表向きは「債務者救済のチャンスを与える」とは名ばかりでえげつない金利で貸し付けます。一見、軍資金の必要性は感じられませんが、物語中では星やカ－ドの売買が始まります。その売買で利益を得る参加者も……。

　しかし、主催者の利根川からはそのような事前説明は一切なし！問答無用に「10分につき1.5％の複利！！！」と言い渡されます。しかも、貸付は強制で最低100万円最高1000万円（30歳以上は最高500万円）。
※複利とは、元金が100万円あり、この100万円を金利2％（年利）で1年間預金したとすると、1年後には102万円になり2万円は、元金に対してついた利子のこと。この2万円も含めて（つまり102万円を）再び金利2％で1年間預けると、1年後には104万円となるのではなく、104万400円になり、この400円は、利子である2万円についた利子とある。利子にもまた利子がつくことを、「複利」と言います。

◆前提条件◆
・帝愛グル－プが用意した準備金が全て貸し出されたとします。
・制限時間一杯まで全員に貸し付けると仮定します。

　第一話「出航」の後半に主催者から出場者に帯封がされた札束の山が披露されます。実際の紙面を見ると、参加者の軍資金として貸し出される帯封の数縦５列×横４列×高さ30段、合計600の帯封の札束なので、100万円×600帯封＝￥600,000,000。6億円となります。

　さてこれが一体いくらになるのでしょうか。10分1.5％の複利を240分で計算すると

実質金利42.9503％
貸付総額￥857,701,687
金利￥257,701,687

　ちなみに、カイジの借金は上限の1000万円で4時間借りています。正確な金額は以下。

実質金利42.9503％
借金総額￥14,295,028
金利￥4,295,028

　限定ジャンケンで勝利し￥8,000,000は返済したのですが、残額の￥6,295,000は再び年利18％で返済する事に……。

　帝愛グループはたった4時間で２億5770万円稼ぐことになります。豪華客船借りてもお釣りが来ますね。

　参考までに、最大600名の乗船できる豪華客船のレンタル料は、サンセットクル－ズ（16：20～18：20）300名様120分で￥4,950,000～だそうです。多少前後しますが、倍の240分でおよそ￥9,900,000也。まぁ、帝愛グループなら自社でクルーズ船を保有してそうですけどね。

　限定ジャンケンの結果は参加者103名の内67名が下船しましたが、借金が全て無くなった債務者は29名。限定ジャンケンの軍資金で新たに借金をした債務者（カイジのような者）は38名もいました。

　もし本当に身近でこんなことが行われているとしたらゾッとしますね。皆様もご利用は計画的に……。

参考文献及び資料
テレビ【アニメ：逆境無頼カイジ（第1期）】
ウィキペディア　【賭博黙示録カイジ】
ｋｅⅰｓａｎ　生活や実務に役立つサイト
知るぽると『複利とは』
株式会社五島トラベル『貸切クル－ズプラン』