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平成のアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』始動。平成元年は『らんま1/2』に胸が高鳴った!

2020.03.07 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 平成が終わる前に平成30年間のTVアニメを振り返る連載『平成アニメ備忘録』が始動!

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 この連載では、30年間に放送されたTVアニメの中から気になるタイトルを独断と偏見でピックアップしつつ、アニメとともに元年から平成を振り返っていきたいと思います。

 1989年は、近未来の東京を舞台にしたロボットアニメ『機動警察パトレイバー』、みつばちのハッチが母を探す旅に出る『みなしごハッチ』のリメイク版、主人公・御坊茶魔が数々の迷言(名言!?)を生み出した『おぼっちゃまくん』、人型兵器“獣神ライガー”を用いた闘い描く『獣神ライガー』などが放送されました。

 今回は、数ある平成元年に放送されたTVアニメのうち3作をご紹介します!

“かめはめ波”や“元気玉”など必殺技に子供心を掴まれた『ドラゴンボール』

 『週刊少年ジャンプ』で鳥山 明さんによって連載された『ドラゴンボール』。1995年に連載が終了して20年以上経つ今も『ジャンプ』の看板として高い人気を誇る作品です。TVアニメは1986年から放送開始となり、1989年には『Z』がスタート。また、12月に公開される最新映画『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』では、悟空、ベジータ、フリーザが最強の敵ブロリーと激闘することが発表され話題になりました(よくわからない人も予告だけでも見てほしい。かっこよすぎてワクワクすっぞ)。TVアニメは1986年から放送開始となり、1989年には『Z』が始まりました。

 本作は、主人公・孫悟空が7個集めて神龍(シェンロン)を呼び出すとどんな願いも1つだけ叶えてくれる“ドラゴンボール”を探す冒険ものとしてスタート。当初はギャグやえっちなシーンが多いコメディ作品でしたが、ピッコロ大魔王やフリーザら強敵の出現により熱さとシリアスさが混ざったバトル作品へと展開していきます。個人的に本作は“バトルもの”という印象が強いので、ふと1話から見返した時にえっちなシーンがあると「そういえばこういうノリの作品だった!」と驚くことも。そして笑ってしまう。童心に刺さるんですよね。

 そんな『ドラゴンボール』は“戦闘シーン”の斬新さが魅力。『ドラゴンボール』を知るまでは剣や銃、体術での戦い方しか知らなかったので戦闘力を測定する“スカウター”が登場したときはものすごく興奮しました。最初にスカウターが使用されたシーンの「戦闘力たったの5か…ゴミめ」というセリフは後世に語り継ぎたいセリフ。

 ストーリーが進むごとに人間離れしていくバトルシーンも見逃せません。なかでも悟空VSフリーザとの闘いで、変身するたびに強くなるフリーザが「変身をあと2回もオレは残している……」と語ったシーンで絶望させられた少年少女は多いはず。視聴していた当時の年齢が幼稚園生だったので、フリーザ様が本当に怖かった……。

 そして『ドラゴンボール』は子供心をくすぐる必殺技が数多く登場するのも魅力。“かめはめ波”や“どどん波”、“元気玉”はもちろん、“舞空術”、“組み手”、“魔貫光殺砲”、“デスビーム”など“実際に放てるわけじゃないけれど形を真似しやすい”必殺技が多く、子供時代(もしくは大人になっても)に真似したことがあるという方も多いのではないでしょうか?

お色気シーンにドキドキ。変身体質を持った男の子を描いた『らんま1/2』

 『らんま1/2』は、高橋留美子さんが『週刊少年サンデー』で連載した漫画を原作としたTVアニメ。「だっちゃ」で知られるラムちゃんが登場する『うる星やつら』、浪人生と未亡人の“管理人さん”の恋を描いた『めぞん一刻』に続く3作目となります。

 無差別格闘流の修行に励む高校生・早乙女乱馬は、“呪泉郷”と呼ばれる修行場での稽古中、あやまって泉に落ちたことをきっかけに、水をかぶると女の子、お湯をかぶると元に戻るという変身体質になってしまいます。その後、許嫁・天童あかねの家で居候することになるも、変身体質のせいで恋や格闘で一波乱も二波乱も起きてしまう物語です。

 本作といえば女性キャラクターのお色気シーンを思い浮かべる方も多いはず。許嫁・天童あかねや武闘民族・女傑族の娘のシャンプーといった女性キャラクターはもちろん、水をかぶって女性となった乱馬のお色気シーンも描かれています(許嫁・あかねよりもスタイルが良かったりする)。裸体が堂々と描かれた本作。放送が行われたのが18時台だったために、どうにかして親や家族に見つからずに見ようと苦心された方もいるのではないでしょうか?

 お色気シーンの印象が強い『らんま1/2』ですが、格闘シーンも見どころの一つ。物語の前半はらんまが変身体質になってしまったことによるお色気&ラブコメシーンがメインでしたが、物語の後半になるにつれてシリアスな場面が増えていきます。イメージでいうと作者・高橋留美子さんが手掛けた『犬夜叉』が近いかもしれませんね。

価値観の違いを考えさせられる『ジャングル大帝』

 手塚治虫さんの漫画を原作としたTVアニメ『ジャングル大帝』。ジャングルを舞台に白ライオンのパンジャ、息子のレオ、そのまた息子のルネとルッキオの三世代を描いた物語です。

 TVアニメ化は昭和40年(1965年)、長編映画化が昭和41年(1966年)に行われており、平成元年のアニメ化はシリーズ第3作目。第1、2作目までの『ジャングル大帝』では、レオが人間の言葉を喋ることができましたが、第3作目のレオは動物の言葉しか喋ることができません。それ故に“人間と動物が言葉を交わせないがゆえの意思の不一致”が生まれ、より現実世界に近い動物と人間の関係性が描かれています。

 また、本作は小学生向けに制作されたアニメながらも、その根幹に込められたメッセージが実に骨太であることが見どころ。動物同士の価値観の違いや、開拓主義の人間の思惑など、それぞれの“価値観の違い”から生み出される問題にはきっと大人でも頭を悩ませてしまうことでしょう。

 『ジャングル大帝』という名前の通りジャングルを舞台にしている本作。ジャングルという弱肉強食の世界で生きるレオは、時にボロボロになりながらも人間や動物、そしてジャングルのために駆け回ります。そんなレオの姿を見ていると“生きるとは何か”を問いかけられているかのような気持ちになります。

平成元年の日本はどうだった? 次回は平成2年のアニメを振り返る!

 ちなみに平成元年の日本では、1月8日に“昭和”から“平成”に改元が行われたほか、任天堂より“ゲームボーイ”が発売、スタジオジブリ映画『魔女の宅急便』が公開、永谷園より“おとなのふりかけ”が発売されました。また「オバタリアン」が流行語大賞に輝き、美空ひばりさんの『川の流れのように』がリリースされたのもこの年です。

 次回の『平成アニメ備忘録』をお楽しみに!

(本記事は2018年9月3日に掲載した記事の再掲載となります)

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