白井悠介が雪と戯れる姿は必見！グラビア＆オリジナルストーリーが楽しめる『しらいむコーデ～ミント味～』第10回【サイン入りチェキプレゼント付】

2021.03.16 <PASH! PLUS>

PASH! PLUS

　声優・白井悠介さんが毎回、さまざまなキャラクターを演じながら色々なジャンルのグリーンファッションを披露する連載『しらいむコーデ～ミント味～』の第10回が、PASH!2月号にて公開。この度、PASH!PLUSでもショートストーリーとともに魅せる心ときめく表情満載のグラビアを紹介します。

■今回のしらいむ
高橋伊緑（ 27歳/ マンガ家）
マンガ家として活躍中の伊緑。冬になると趣味のスノボを週3で楽しむ。それ以外の趣味はなく、ほぼ毎日家でアシスタントの広川とふたりでマンガを描いている。スノボが好きだが、現在連載中のマンガの題材はサッカーである。

「なぁ、広川。きょうも絶好のスノボ日和だなぁ」
「そうですね、伊緑さん」
ある冬の日。マンガ家として活躍中の伊緑は、アシスタントの広川と一緒に山でスノボを楽しんでいた。広川とは仕事上でパートナーだが、趣味でもほとんど共に時間を過ごす仲であった。

「今日はあっちのほうまで行ってみようぜ！」
いつもは足をのばさないもっと高い山の頂を指差す伊緑。

「いいっすね！　行ってみましょう!!」
早速リフトに乗り、ふたりは山頂へ向かう。山頂に到着し、少し歩いたときだった。いきなり悪天候になり吹雪になった。目の前が真っ白で何も見えないなか、伊緑と広川は身動きが取れないでいる。

「ダメだ。これはスノボどころじゃないな。引き返そう」
伊緑はリフトのあったほうへと手探りで歩き出す。後を付いて歩く広川。吹雪はさらにひどくなり、全く前が見えない。その時、伊緑がふと何かに目を止める。

「おい！　あそこ見てみろよ！」
「どこですか？…あ、小屋がありますね！　行きましょう」
小屋の中に入ると、そこにはふたり掛けのベンチがあるだけだった。

「とりあえず吹雪がましになるまでここで待つしかないな」
「…そうですね」
狭い小屋の中で吹雪がおさまるのをじっと待つ伊緑と広川。伊緑の隣に座った広川が唐突に口を開く。

「伊緑さんにとって、僕ってどんな存在ですか？」
「何だよ、いきなり。」
伊緑は少し照れながらこう続けた。

「お前は…俺にとって…」
すくっと立ち上がる伊緑。

「俺にとって大事なアシスタントだよ！　これからも一緒に面白いマンガ描いていこうなっ！」
肩を落とした広川がにこっと微笑み「はい」と答えるのだった。

数時間後、吹雪が去り分厚い雲の隙間から太陽が顔を出した。ふたりは小屋を出て、スノボで山を滑り降りる。無事ふもとに降りてきたふたりは、山の天候の恐ろしさを身をもって知ったのだった。

「腹減らないか？」
「僕もちょうどそう言おうと思ってました。さすが伊緑さん！」
伊緑の提案に大賛成の広川。昼食をとるため、ふたりは近くのレストランに向かう。

「スノボといったらカレーでしょ！」
「何言ってんだよ！　スノボといったらラーメンだよ」
その時だった。伊緑が凍ったレストランの階段で足を滑らせ、派手に転んでしまう。

「いてっ！」
伊緑に駆け寄り、手を貸す広川。

「ちょっと伊緑さん！　大丈夫ですか!?」
「お、おう。平気、平気」
レストランに入り、テーブルについたふたり。右腕をさすりながら痛みを堪えて食事をする伊緑を、広川は心配そうに見ている。

「僕が食べさせてあげますよ！」
「は？　いいよ、自分で食べられるっ…いてっ！」
「ほら無理しないでいいですからっ！」
そう言って広川は伊緑の隣に座り、ラーメンを食べさせる。

「サンキュー…」
「もしこのまま痛むようだったら、これからは伊緑さんの身の回りのことは僕が手伝いますから！」
「ぶはっ!!」
広川の発言にラーメンを吹き出す伊緑。

「いいって、自分でやるから！」
「遠慮しないでくださいよ！　何でも手伝いますよ！　着替えやお風呂だって」
「は？」
「だって伊緑さんにとって僕は大事なアシスタントなんですからっ！」
広川は満面の笑みを浮かべた。その日の夜に発覚するのだが、この時伊緑はマンガ家の商売道具である大事な利き腕を骨折してしまっていた。マンガ家としてだけでなく、私生活までもアシスタントとして広川に頼ることになり、頭が上がらない伊緑だった。

TEXT＝田中千恵（よしもとライターズアカデミーウエスト）

（※PASH!2020年2月号より抜粋）

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