白井悠介、タメ口・友達感覚・ちょっと上から目線が人気のアクセサリーショップ店主に！『しらいむコーデ～ミント味～』第8回【サイン入りチェキプレゼント付】

2020.12.15 <PASH! PLUS>

PASH! PLUS

　声優・白井悠介さんが毎回、さまざまなキャラクターを演じながら色々なジャンルのグリーンファッションを披露する連載『しらいむコーデ～ミント味～』の第8回が、PASH!12月号にて公開。この度、PASH!PLUSでもショートストーリーとともに魅せる心ときめく表情満載のグラビアを紹介します。

■今回のしらいむ
中村翡翠（なかむらひすい）　31歳／アクセサリーショップ店主
　アパレル業界を経て、好きなアクセサリーのショップを渋谷にオープンさせた。高級ブランドのセレクトのものから、自作のシルバーアクセまで幅広く販売している。

「店長さん。これ、どう思いますか？」
女の子に呼ばれて、中村は振り向いた。
「どれどれ…」
女の子は学校の制服を着ていた。たぶん高校生くらいだろう。
リボンをほどいた首元に、ネックレスを試着している。
「おっ、似合ってるねー。超かわいいよ」
「ホント？」
「ほんとほんと。たぶんそのネックレスは、君と出合うためにここにあったんだな…」
女の子はネックレスを外し、中村に差しだした。
「これ、ください」
会計を済ませて店を出ていく女の子に、中村は手を振った。
「また来てくれよな！」
次のお客さんは飾り気のない地味目な女性だった。
中村は勝手な推理をしながら、彼女に近付く。
「いらっしゃい。どう、ここのアクセサリー？　かわいいっしょ？」
「…あっ、はい、そう思います」
「君は、いつもはアクセしないの？」
「はい、あんまり…」
「かわいいんだから、もっとオシャレしたらいいのに。そっちの棚にはセールのもあるよ！」
「どんなのをつければいいと思いますか？」
似合うアクセサリーを選んであげると、その女性は嬉しそうに身に着け、そのままつけて帰って行った。
「じゃーね、またねー」
友だちと別れるときのように、中村は女性を見送った。
タメ口。友達感覚。時折、ちょっと上から目線。
この接客が意外とうけるみたいで、このショップには熱心なファンがいる。
でも、その日の夕方に来た客には、さすがの中村も敬語になった。
「いらっしゃいませ。今日は何をお求めでございましょうか…」
そのお客さんは2メートル近い大男だった。腕は丸太のように太い。
いかついムキムキ男が、いったいなぜウチに…。
「ハンドメイドのシルバーアクセサリーがあると聞いたが」
野太い声で男性が言った。
「はい、こちらにあります…」
中村は手作りアクセのコーナーに男性を案内した。
そこに並んでいるのは、全て銀粘土を使って中村が作ったものだ。
「これ、兄ちゃんが作ったのか？」
その男性は一つひとつ念入りにアクセサリーを確認しながら聞いた。
まさか、デザインを盗用したとか、文句を言うために来たのか？
盗作なんてしたことないけど…。損害賠償を払えとか言ってきたらどうしよう…。
身構えながら、中村は肯いた。
「なるほどなぁ」
男性は顔をあげて、睨むように中村を見た。
剣幕に押されて後ずさった中村に、男性が飛びかかってきた。
「すごいっすね。これとか、これとか、まじカワイイ！　きゅんなんですけど！」
「あれっ、えっと、ありがとうございます…」
「友達がインスタでここのアクセしてるの見てーすごいイイって思って。買いに来たんですよー！」
「わー、嬉しい。やっと買えた。ばいばーい。また来まーす！」
男性は、手作りアクセサリーを数点買って帰っていった。
こうして、中村のショップにまたひとり、熱烈なファンが増えたのだった。