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『蒼き伝説 シュート!』90年代のアニメは凄かった! 1993年11月スタート!

2018.03.11 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

東映動画/東映アニメーション唯一のサッカー地上波アニメ

『蒼き伝説 シュート!』1993年11月スタート

『蒼き伝説 シュート!』
 1993年11月7日からフジテレビ系で放映

 1993年11月に東映動画(現・東映アニメーション)が『SLAM DUNK』のひと月遅れでスタートさせたスポーツアニメです。原作は『週刊少年マガジン』(講談社)に連載された大島 司の『シュート!』。“蒼き伝説”というサブタイトルはアニメ版のみですが、原作の第二部は『シュート! 蒼きめぐり逢い』というタイトルでした。

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※Amazonより

 スポーツアニメも多く手がけてきた東映動画/東映アニメーションにはサッカー少年が登場するタイトルがたくさんあるものの、意外なことにテレビシリーズのサッカーものは現在までこの作品だけです。

 主人公の田仲俊彦(通称/トシ、声/緑川 光)は、昨年創部して半年のサッカー部を強豪にした天才・久保嘉晴(声/古川登志夫)に憧れて掛川高校サッカー部に入部しました。トシと同じ掛川西中で“掛西トリオ”と呼ばれた仲間・平松和広(声/菊池正美)と白石健二(声/林 延年)も少し遅れて入部。1年生ながらチームの主力として認められていきます。入部してからは、苦手だと思っていた左足のシュートが武器になると久保に指導され、トシのシュート力もアップしていきます。
 一方、先輩の久保は病気で入院、復帰はインターハイ予選からでした。その準決勝で1点差とはいえチームは完全に押されていました。そんななか、自陣ゴール前で守備に徹していた久保はGKの健二からボールを受け取ると敵陣に向かいます。単身でのドリブル突破。相手チームの全員を華麗に振り切り同点ゴールを決めました。伝説として語り継がれる“奇跡の11人抜き”です。久保はゴール直後に倒れてしまいますが、奮起したチームは逆転勝利で決勝進出を決めます。
 ところが、そのまさにヒーロとなった久保は控室で息を引き取ってしまいます!
 白血病で激しい運動を禁止されていたのですが、我慢できずにサッカーを選んで死を迎えてしまったのです。そのショックのため、掛川高校サッカー部は決勝で惨敗してしまいます。後日、準決勝に向かう前に久保がトシに問いかけた「トシ…、サッカー好きか?」の言葉が、天才ではない久保の一面を示すものとして丁寧に語られます。そして、敬愛する久保の目指したスタイル、まず個人が輝くチームを実現するため、トシたちはサッカーに打ち込んでいくのです。

 サッカー部のマネージャー・遠藤一美(声/日のり子)をめぐる、トシと和広の関係を中心にした恋愛関係ももう一つの見どころになっています。原作漫画とは異なり、トシたちと一美は幼なじみという設定。知り合ってからのプロセスを短縮して恋愛関係に進展させやすくしたのかもしれません。また、原作では断念した一美のアイドルデビューは、アニメでは果たされています。一美がリリースしたシングルが番組後半のエンディングテーマになりました。なお、『タッチ』の浅倉 南役で知られ、現在も声優として活躍している日高のり子ですが、声優になる前にアイドルデビューした経歴もあり、まさにハマリ役といっていいでしょう。

 原作ではその後のトシたちも描かれていて、2010年にはトシはレアル・マドリード、和広はアーセナル、健二はジュビロ磐田でプレーしていたことになっています。

 チーフディレクターは『ドラゴンボール』『ふたりはプリキュア』などの西尾大介。キャラクターデザインを『聖闘士☆星矢』などの荒木伸吾と姫野美智。シリーズ構成は『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』武上純希。原作に沿った内容ですが、実力派揃いのスタッフがアニメオリジナルの設定をバランスよく織り込んでまとめあげています。

 ちなみに、原作者の大島 司は女性です。伝統的に『週刊少年マガジン』は女性漫画家が多く活躍していて、当時は『金田一少年の事件簿』のさとうふみや、『覇王伝説 驍』の島崎 譲、『オフサイド』の塀内夏子(真人)といった女性たちの人気作品が連載されていました。

1993年10月〜12月スタートのアニメはこんな作品もありました。

『ドンラゴン』
『楽しいウイロータウン』
『ジャングルの王者ターちゃん♡』
『平成イヌ物語バウ』
『SLAM DUNK』
『蒼き伝説シュート!』
『しましまとらのしまじろう』

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