report

「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺(再演)」ゲネプロレポート

2016.12.16 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

初演がベースとなった新たなる“再演”で、12振りの刀剣男士が舞う!

©舞台『刀剣乱舞』製作委員会

 2016年5月に東京、大阪にて初演公演が行われた「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」、通称『刀ステ』。大人気の原作ゲーム『刀剣乱舞』より全12振りの刀剣男士たちが登場し、ストレートプレイにて、笑いあり涙ありで描かれた重厚な物語は、大きな反響を呼びました。公演期間中は連日満席、さらに発売された公演Blu-rayは、オリコン・ウィークリーチャート総合1位を記録するなど、今なお多くのファンの心を掴んでいます。

 そんな本作が、2016年12月15日(木)より早くも再演をスタート。東京を皮切りに福岡、大阪の全国3カ所計37公演が予定されています。今回はその東京初回公演直前に行われたゲネプロの模様をお届け! 初演とは異なる舞台作りにも注目です。

 

>>この先、物語の核心に触れるネタバレや、詳細な演出に関する記述はありませんが、『PASH! PLUS』目線で見たオススメポイントなどの記載が含まれます。再演公演を予備知識ゼロで楽しまれたい方は、次ページの囲み会見の模様へとお進みください。<<

 

◆◆◆次のページへはこちらから◆◆◆

 

 

 時は西暦2205年。歴史改変を目論む「歴史修正主義者」が過去への攻撃を開始。これを受け、時の政府は歴史を守るべく「審神者」なる者を過去へと派遣。審神者によって顕現された、剣に宿りし付喪神である「刀剣男士」たちは、歴史を守るため戦いに身を投じていく…。

 ある日のこと、とある本丸に新たな刀剣男士が顕現します。その名も「不動行光」。戦国武将として知られる織田信長が佩用(はいよう)し、信長に仕えた近習・森 蘭丸へと授けられた過去を持つ刀です。

 この本丸に古くから在る打刀の山姥切国広は、三日月宗近の伝達により、その不動行光の世話係、そして本丸を率いる「近侍」の任を下されます。なぜ唐突に近侍が三日月から自分に代わったのか、主である審神者の考えが分からず、山姥切は戸惑いを隠せません。一方、不動の登場で、織田信長に縁のある刀たち、宗三左文字、へし切長谷部、薬研藤四郎は、足並みを揃えることができずにいました。
toukenstage_gene_20161216_02

 そんななか、刀剣男士たちに新たな出陣の命が。その出陣先は、天正十年の本能寺。そこはまさしく、かの織田信長が果てたとされる歴史的事件、「本能寺の変」が起こった日時と場所でした。

 不動、宗三、長谷部、薬研の4振りは、過去の歴史をどう乗り越え、受け止めるのか? 山姥切は、近侍としての務めを果たすことができるのか? そしてそれを見守る三日月の思惑とは一体…? 舞台上を所狭しと駆け回る12振りたちから、最後の瞬間まで目が離せません。

 初演をベースとして、細部にいくつもの変化がつけられている今回の再演。殺陣は初演以上に動きが盛り込まれ、12振りのキャラクターらしい動きにもより磨きがかかっています。階段の段差も、初演以上に活用され、“共闘”感も増大。“織田組”4振りはもちろん、粟田口派の兄弟・一期一振と鯰尾藤四郎、左文字派の兄弟・江雪左文字と小夜左文字、“伊達組”の愛称で親しまれる燭台切光忠と鶴丸国永など、刀剣男士たちが仲間と共に敵を討つシーンでは、ぜひ舞台の端々にまで目を向けてみてください。

 OP&EDを含め音楽、映像も一部変化しパワーアップ。刀剣男士たちが奏でる“ハーモニー”や、新たな動きにも注目です。

 初演以上に笑いのポイントが増えているのも、再演の見どころのひとつ。本作屈指の名シーン「軍議」をはじめ、クスリと笑って和まされるシーンが初演以上に随所で設けられています。なお、ゲネプロ公演での軍議の茶請けは、ファンならご存知「おはぎ」でした。鶴丸から優しい手つきで口におはぎを入れられた長谷部が、一生懸命口を動かしていた姿が印象的です。(※ちなみに燭台切光忠からは、「これからも新しい茶請けを用意していくから、楽しみにしていてね」という一言が。毎日の公演と共に、ぜひBD&DVD収録予定の日替わり映像も楽しみに待ちましょう!!)
toukenstage_gene_20161216_04

 また全編を通して、ごく小さなセリフの言い回し、感情の込め方、物語の設定など、初演と比べて本当に細かな部分に変化が見られました。これは刀剣男士のみならず、本作で重要なキャラクターとなる森 蘭丸と明智光秀も同様です。初演を観ている方はもちろん、初演をまだ観ていないという方も、ぜひ発売中のBlu-ray&DVDを観返してから、再演公演に足を運ぶことをオススメします!! 必ず、「このセリフって前は…」「ここの殺陣の動き…」と、新しい発見があること間違いなし。初演を観ておけば観ておくほど、再演を何十倍も楽しむことができると思います。
toukenstage_gene_20161216_03

 三日月宗近役・鈴木拡樹さんの存在感は圧巻です。殺陣の振りが初演よりも増えているにも関わらず、その太刀さばきは見事の一言に尽きます。また三日月は初演のものよりも、より茶目っ気があるような印象を受けました。

 山姥切国広役・荒牧慶彦さんは、頭から羽織った布の扱いが素晴らしく、殺陣中もこれを美しく翻して魅せてくれます。布と髪の隙間からチラリと見える目には、誰もがドキッとさせられるはず。再演での“隊長感”にも注目です。

 宗三左文字役・佐々木喜英さんは、普段の憂いを帯びた表情と、刀を振るう刀剣男子らしい熱さのギャップがたまりません…! 女性と見まがうほどの妖艶な雰囲気も、佐々木さんだからこそ表現できると感じさせられます。

 今回から新たに加わった江雪左文字役・瀬戸祐介さんは、江雪の美しい長髪をなびかせながら、静かでしかし力強い殺陣を披露していました。左文字派の兄として弟たちに接する姿も、江雪&左文字ファン必見です。

 小夜左文字役・納谷 健さんの演技のなかでも特に見どころとなっているのは、短刀らしい機動力や身軽さを体現した殺陣。その跳躍力の高さに終始驚かされました。復讐に囚われつつも、兄を慕う小夜の姿が愛おしいです。

 薬研藤四郎役・北村 諒さんは、初演に引き続き安定した男前ぶりを発揮! 宗三や長谷部、不動ら仲間たちを気にかける懐の大きさはもちろん、戦場で見せる気迫溢れた立ち回りには、胸を掴まされっぱなしです。

 へし切長谷部役・和田雅成さんには、刀を振るう姿や厳格な言葉とは裏腹に、元の持ち主である織田信長へ想いを馳せる表情にグッと引き込まれます。また再演でも軍議で大活躍してくれる予感大…! 内番にもぜひご注目ください。

 椎名鯛造さん演じる不動行光からは、初演にも増して“不動らしさ”を感じさせられました。刀剣男士としてレベルアップしていく戦闘シーンや、蘭丸、光秀、宗三や長谷部との掛け合いは、胸が熱くなること間違いなしです。

 一期一振役・廣瀬大介さんの流れるような殺陣は、舞台上で大変目を引きます。また“いち兄”として兄力もパワーアップした印象。加えて、初演以上に積極的に軍議へも参加していました。一期の軍議での活躍にも期待しましょう!

 鯰尾藤四郎役・杉江大志さんの、長く細い足を使った殺陣は、さらにバージョンアップしていました。綺麗な足裁きを繰り出しながら、脇差らしい立ち回りで魅せてくれます。兄である一期一振との掛け合いにもご注目。

 燭台切光忠役・東 啓介さんは、その長躯を使った迫力ある殺陣が見どころです。もちろん軍議には欠かせない「茶請け」係としても、再演でさらなる活躍を見せてくれそう。伊達男らしいカッコよく決まった出で立ちが魅力的です。

 新キャストとして本作から出演する鶴丸国永役・健人さん、その動きはまさに鶴そのものでした。若々しく舞うように刀を振るう姿からは、目が離せません。原作を意識した声色もお見事。「鶴丸と言えば」な軍議での活躍にも期待です!

 丸目聖人さんが演じる森 蘭丸には、初演にも増す憂いが。光秀とのやりとりはもちろん、元の持ち主に当たる不動や織田刀たちのやりとりは、涙なくして見られません。

 窪寺 昭さん演じる明智光秀は、大人の男の深みが素敵です。光秀が信長へ抱く複雑な想いを演じる姿からは圧倒的な熱量が放たれていて、思わず引き込まれます。

 舞台の端から端まで見どころ盛りだくさんの「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺(再演)」。生で見るからこその舞台の良さも感じさせてくれる作品です。刀剣男士たちの生き様を、どうぞお見逃しなく!

 

>>次ページではメインキャスト12名が登壇した囲み会見の模様をお届け! 一人ひとりが語った本作の見どころや意気込みは、要チェックです♪

オススメ
あわせて読みたい