ミュージカル『ヘタリア～Singin’ in the World～』ゲネプロレポート

　2015年12月24日（木）～12月29日（火）、Zeppブルーシアター六本木にて上演される、ミュージカル『ヘタリア～Singin’ in the World～』。今回は、公演に先駆け12月23日（水）に行われた公開ゲネプロの模様をお伝えしよう！

　物語は、なかなかまとまらない世界会議から始まり、全員で主題歌を歌ったあとは、イタリアとドイツの友情が、2人の出会いから第一次世界大戦、そして第二次世界大戦の終結までを通して、史実を重ね合わせながら描かれる。

　本作の元となっているアニメのほうはコメディ色が強いが、ミュージカルはシリアスなシーンが多め。とはいうものの、そこは『ヘタリア』。どんなに深刻な場面になっても、どこか笑えるようになっているのでご安心を。

　キャラの絡みは、このミュージカルオリジナルのものが多い。おかげで見慣れた組み合わせの新鮮な絡みが味わえたり、アニメではあまり見ない組み合わせの掛け合いなども楽しめる。

　もちろん、原作やアニメの要素もふんだんに盛り込まれている。強すぎる個性をしっかり再現したキャラたちが、アニメの挿入歌を歌ったり、「アメリカの倉庫掃除」など人気エピソードがミュージカル風にアレンジされていたりと、原作やアニメの楽しさを再確認できるシーンも多かった。

　次々と場面が変化し、その都度メインキャラたちの歌が聴けるのが本作の大きな魅力だが、アンサンブルの面々も観客の目を飽きさせなかった。ステージ上を縦横無尽に駆け回り、全身を使ったコンテポラリーダンスで、キャラの心情や関係性を表現。さらに、イタリアに深くかかわる“あのキャラ”も、アンサンブルの手によりパペットを使って、緩く、可愛く再現されていた。

　さまざまな魅力を持った本作だが、一番の見どころは第二次世界大戦終結直前を描いたクライマックス。なかでもドイツ役の近江陽一郎さんの渾身の演技は必見。観にいく人はぜひお楽しみに！

　今回のゲネプロ直前には囲み取材も行われ、メインキャスト9名が登場。本公演の意気込みと見どころを語った。

　アメリカ役の磯貝龍虎さんは、本作の魅力について「原作を知ってる方も知らない方も、楽しく歴史が学べる作品になっています」と語ってくれた。また中国役の杉江大志さんはキャラの見どころについて、「原作の独得な空気感を再現した上で、そのキャストだからこそ体現できたキャラの魅力が出ています。好きなキャラがこんなふうになったんだというのを楽しんでほしいです」と述べた。

　最後に、観客のみなさんへのメッセージとして、日本役の植田圭輔さんは「びっくり箱のような作品になっているので、僕らにとっても、お客さんからどんな反応をいただけるのか未知数です。年末に緩い気持ちで観て、緩くほっこりしていただけたらと思います」としみじみ語り、また近江さんは「本作の観劇では濃くて素敵な時間を過ごせると思います。皆で一緒に楽しんで帰っていただくというのが僕たちの目標ですので、それに向けて頑張っていきたいと思います！」と力強く語った。そしてイタリア役の長江崚行さんは、「お客さんのなかにあるキャラのイメージを再現しつつ、いい意味で裏切ってミュージカルに落とし込めていると思います。素敵な作品になっていますので、ぜひ楽しんでください！」と自信をもってアピールしていた。

　本作は、千秋楽を含む全公演にて当日券が販売される。またニコニコ生放送では、12月26日（土）の昼1時と夕方5時から行われる2公演が配信されるので、観たいと思っていたファンは要チェック！　今年の年末は、“ヘタミュ”で緩く楽しもう！

DATA
ミュージカル ヘタリア～Singin’ in the World～

日程：2015年12月24日（木）～12月29日（火）　全11公演
場所：Zeppブルーシアター六本木（東京都港区六本木5-11-12）

STAFF：
　原作＝日丸屋秀和『ヘタリア Axis Powers』（幻冬舎コミックス刊）
　脚本＝なるせゆうせい
　演出＝吉谷光太郎
　音楽＝tak
　振り付け＝MAMORU
　制作＝ポリゴンマジック
　主催＝ミュージカル『ヘタリア』製作委員会（フロンティアワークス、ポリゴンマジック、セガ・ライブクリエイション、ＫＡＤＯＫＡＷＡ）

CAST：
　イタリア＝長江崚行
　ドイツ＝近江陽一郎
　日本＝植田圭輔
　アメリカ＝磯貝龍虎
　イギリス＝廣瀬大介
　フランス＝寿里
　ロシア＝山沖勇輝
　中国＝杉江大志
　オーストリア＝菊池卓也
　アンサンブル＝仲田祥司、池田謙信、原野正章、今田竜人、三原大樹、帯金遼太、山本哲平、岡本 笙

HP：http://musical-hetalia.com/
Twitter：＠musical_hetalia