90年代のアニメは凄かった!『彼氏彼女の事情』1998年10月スタート

2017.06.11 <PASH! PLUS>

庵野秀明、最後の(?)TVシリーズ監督作品

連載第36回『彼氏彼女の事情』

1998年10月スタート
『彼氏彼女の事情』

彼氏彼女の事情 Op.1 [DVD]

『新世紀エヴァンゲリオン』で一躍時の人となった庵野秀明さんの『エヴァ』後、初のTVシリーズ監督作品です。理由は定かではありませんが、2クール目からは、佐藤宏紀さんと両名併記で「あんのひであき」「アンノヒデアキ」といった別名表記になっています。

 庵野監督は、以後、劇場版映画に軸足を置いた活動をしていますので、本作が最後のTVシリーズ監督作品になりそうです。

 原作は津田雅美さん。月刊『LaLa』に1996年7月号から2005年4月号まで連載されていました。

 主役の宮沢雪野を演じたのは、榎本温子さん。男性主人公の有馬総一郎は鈴木千尋さんが担当。お二人とも主役でデビュー作でした。鈴木千尋さんは、雑誌のインタビューで「1万人以上も応募者がいたオーディションの中から選ばれた役」だったそうで「そのイメージが強すぎてほかの役がなかなか決まらないという不遇の時代を経験」(Cool Voice Vol.10より)したと振り返っています。反面、デビュー作から代表作となってしまうほどの名作に巡り会ったとも言えるでしょう。

 太い明朝体を使った文字、オーケストラ曲の効果的な使用など、庵野監督らしさがたっぷり詰まっていつつも、『エヴァ』とは違った、ライトな作風な本作ですが、後に『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』を監督する今石洋之さんや、『めだかボックス』『放課後のプレアデス』を監督することになる佐伯昭志さんなど、当時の有望な若手のスタッフを多く起用したことも手伝って、勢い溢れるギャグアニメに仕上がっています。

 特に14話の総集編「これまでのお話」は、カット数、作画枚数や視聴率などまで公開。各話冒頭のナレーション以外は一切セリフを使わず、音楽に合わせて見せていく手法はさすがです。

 本作はオープニングとエンディングも印象的です。透き通った声が印象的なオープニング曲『天使のゆびきり』は、庵野監督と交友関係があったことから、藤井フミヤさんがプロデュースを担当。歌は福田舞さん。本作がデビュー作でした。エンディングは毎回違う実写映像が使われ、曲は、井上陽水さんの『夢の中へ』を榎本温子さんと鈴木千尋さんが歌っています。

 ちなみに、後に『ユーリ!!! on ICE』、『寄生獣 セイの格率』のキャラクターデザインを手掛けることになる、平松禎史さん。本作が初のキャラクターデザイン担当でした。庵野監督はインタビューで「平松(禎史)さんにキャラクターデザインをやってもらうことも目的だった。平松さんはとてもいい仕事をしてくれました」(ニュースウォーカー 2014年11月1日配信/https://news.walkerplus.com/article/51919/)と述べています。

1998年10月スタートのアニメにはこんな作品もありました。
『時空探偵ゲンシクン』
『突撃!パッパラ隊』
『魔術士オーフェン』
『ガサラキ』
『ポポロクロイス物語』
『おじゃる丸』
『鉄コミュニケイション』
『聖ルミナス女学院』
『ジェネレイターガウル』
『セイバーマリオネットJ to X』
『スーパードール★リカちゃん』
『MASTERキートン』
『LET’S ぬぷぬぷっ』
『EAT-MAN’98』
『快傑蒸気探偵団』
『バブルガムクライシス TOKYO 2040』
『デビルマンレディー』
『花さか天使テンテンくん』
『守護月天!』
『どっきりドクター』
『ヨシモトムチッ子物語』
『Only You ビバ!キャバクラ(11月スタート)』
『よいこ(11月スタート)』
『超速スピナー(11月スタート)』
『夢で逢えたら(11月スタート)』