90年代のアニメは凄かった!『少女革命ウテナ』1997年4月スタート

2017.04.30 <PASH! PLUS>

幾原邦彦が紡ぐアヴァンギャルドな世界

連載第30回『少女革命ウテナ』

1997年4月スタート
『少女革命ウテナ』

少女革命ウテナ 絶対進化革命前夜

※Amazonより

『美少女戦士セーラームーン』シリーズのメインスタッフだった幾原邦彦さんが少数精鋭のスタッフを集めて結成された制作集団ビーパパスが企画・原案。少女漫画家さいとうちほと組んで制作したのがこの作品です。第2回アニメーション神戸テレビ番組の部最優秀賞を受賞しています。幾原監督は本作の制作後はアニメの世界とは距離を置きながら活動しますが、2011年に『輪るピングドラム』、2015年には『ユリ熊嵐』を世に送り出し、その存在感を示しました。

 主人公・天上ウテナ(声/川上とも子)は、幼い頃に両親と死別したとき、白馬に乗った王子様に救われます。時は経ち、私立鳳學園に入学したウテナ。中等部二年の新学期を迎えたその日、黒い学生服に赤いスパッツという装いで現れる少女。それこそが、ウテナでした。かつての「王子様」に憧れるあまり、自分自身も「僕はかっちょいい王子様になりたい」と男装で学校に通うようになります。姿形だけでなく、男性顔負けの運動神経を持ち、女子生徒たちからは大人気、男子生徒からは部活の勧誘を受けるほどです。

 そんななか、薔薇の花の世話をしている姫宮アンシーが生徒会副会長西園寺莢一(声/草尾毅)に頬をはたかれている瞬間を目撃します。その後、ウテナの親友・篠原若葉(声/今井由香)の西園寺宛の手紙が掲示板に貼られていたことをきっかけに、ウテナと西園寺は決闘することに…。その決闘の場には姫宮アンシーも現れ、西園寺の“薔薇の花嫁”だといい、何をされても逆らえない彼女を見て、ウテナは西園寺に勝って、アンシーを助けると宣言します…。

 不思議な雰囲気を醸し出す影絵、ゴシックを基調とした流麗な背景、男装の麗人、演劇の舞台で流れるような合唱曲の劇伴、宝塚のような前衛演劇のような徹底したアバンギャルドな演出は、初放送から20年経った今観ても、とても新鮮に映ります。本作が毎週水曜日夕方6時というゴールデンタイムに放送されていたことを思うと、当時の子どもたちにどんな影響を与えたのでしょうか。

 本作は、アニメ放送前からコミックス連載の構想が練られるなど、様々なメディアミックスを展開。本放送スタート前の1996年にさいとうちほにより雑誌『ちゃお』でコミック連載がスタート。97年4月の本放送スタート後、97年10月には小説版が発売。97年12月にはミュージカル・少女革命ウテナが上演。98年5月にはセガサターン用ゲームソフト『少女革命ウテナ いつか革命される物語』』が発売。98年8月には完全新作の劇場版『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』が公開。99年には月蝕歌劇団による舞台『少女革命ウテナ魔界転生黙示録編〜麗人ニルヴァーナ来駕〜』、2000年9月には舞台FANTASY ADVENTURE公演・『少女革命ウテナ〜コロス幻想生命体』が上演と、本放送前後のわずか4年の間に様々な形で物語が披露されました。原作から2.5次元ミュージカルまでトータルにプロデュースされる昨今のアニメ作品のさきがけといっても過言ではないでしょう。

 ちなみに、さきほどご紹介した小説版ですが、ノベライズを担当したのが、『コードギアス 反逆のルルーシュ』や『革命機ヴァルヴレイヴ』のシリーズ構成を担当するなど、多くのヒット作で知られる人気脚本家・大河内一楼さん。脚本家デビュー以前にこの小説を執筆しており、実質的なデビュー作だそうです。

1997年4月スタートのアニメにはこんな作品もありました。
『あずきちゃん(第3期)』
『手塚治虫の旧約聖書物語』
『新・天地無用!』
『ポケットモンスター』
『スーパーフィッシング グランダー武蔵』
『超特急ヒカリアン』
『HAUNTEDじゃんくしょん』
『MAZE☆爆熱時空』
『はいぱーぽりす』
『スレイヤーズTRY』
『金田一少年の事件簿』
『HARELUYA II BØY』
『救命戦士ナノセイバー(実写+アニメCG)』
『白鯨伝説』
『中華一番!』
『CLAMP学園探偵団』