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映画『溺れるナイフ』完成披露試写舞台挨拶レポート

2016.10.19 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

過酷な撮影現場の裏話も飛び出した!

©ジョージ朝倉/講談社 ©2016「溺れるナイフ」製作委員会

 2016年10月18日(火)、有楽町朝日ホールにて映画『溺れるナイフ』の完成披露試写舞台挨拶が行われた。

 小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅、上白石萌音、志磨遼平、山戸結希監督らが登場すると会場からは黄色い歓声と拍手が起こり、場内は熱気に包まれた。キャスト達が集まった観客に挨拶をするなか、重岡の番になるとすかさず「ターンして」、「ボタン開けすぎじゃない?」との菅田の発言に観客からは笑いが。続く山戸監督の緊張気味の挨拶へ、合いの手のごとくツッコミを入れる重岡に「しげ、ゆっくり聞いてあげて!」と菅田が言えば、志磨からは「いちいちツッコむのはやめなさい」と言われるなど、和気あいあいとした雰囲気に会場は常に笑いにあふれていた。

 この日は劇中の場面写真を使い【友情編】、【恋愛編】、【激写編】の3つに分けてのトークイベントが行われ、昨年2015年9月に和歌山の大自然を舞台に、天候的にも時間的にも厳しかった17日間という短い期間での撮影の思い出話で盛り上がった。まず最初の【友情編】では、クールな言動とその奥に秘めたギャップに夏芽の心をわしづかみにする少年・コウを演じる菅田とその親友・大友を演じた重岡の教室での2ショットが映し出され、会場からは再び黄色い歓声が飛んだ。そんな2人は同じ関西出身ということで、お互いの第一印象について質問が及ぶと菅田は「現場の太陽と言われていた」と重岡の現場での立ち振る舞いを絶賛し、一方で重岡が照れながら「最初は寡黙な人だと思っていました」と言いつつも「まとめるとめっちゃ、いいやつ!」と言うとすぐさま「雑!」とツッコミを入れる菅田の姿に会場からは笑いが起こった。続いて、コウの幼馴染で彼を慕うカナの、普通の中学生から少し垢抜けた高校生へとなった比較写真には観客から驚きの声が上がった。「実は撮影前に山戸監督から中学生を演じるにあたり体重を増やしてと言われて…」と言うと続けて「高校生を演じる4日後には体重を元に戻して臨んだ」と告白し、「いわゆる高校デビューする劇的ビフォーアフターです」と会場を笑わせていた。そんなストイックな役作りが語られると菅田も同じように体重を減らしていたらしく、小松も「あれは心配だった」と発言するほど、役者たちも本気で臨んだ撮影秘話が語られた。

 続いて、【恋愛編】では夏芽とコウが一緒に海に浸かってびしょ濡れになるシーンが映し出されると菅田は「『溺れるナイフ』を象徴するシーン」と語り、小松に「どうですか?」と話を振ると、小松は「え?」と動揺しつつも「制服が重いのと、おもりをつけて、お芝居をするのが大変でした」と撮影のエピソードを暴露した。この撮影裏話について菅田は「小松さんは体質らしくおもりをつけないと沈まないですよ。撮影の時は海の下にダイバーが安全のためにいてくれたのですが、台風直前の少し荒れた海で寒いなかを何度も水をかけあったりして大変だったし怖かったです」と壮絶な現場を語りながら小松と共に助け合いながら乗り切ったエピソードを語った。さらに菅田は「重岡さんはどうですか?」とムチャぶりをすると、「普通の恋愛映画は”壁ドン”ですが、”海ドボン”ですね。そして、ただ甘いだけじゃない! …海水だけにね!」とドヤ顔の重岡に客席は歓声と笑いに包まれた。また、重岡と小松のバッティングセンターでのデートシーンについて「このまま終わってもいいんじゃないかなと、このシーン好きです。」と菅田がしみじみと感想を述べると「めっちゃ、長回しだったから本当に2人だけでいるみたいだった」と重岡が話し、小松は「最後、絶対どちらかがセリフを噛んでいたよね」と劇中さながらの甘酸っぱいやりとりがされ、それを見た上白石の「私もこういうのやりたかった」と願望を漏らす姿には会場から「かわいい!」との声援が響いていた。

 さらに【激写編】では気鋭のカメラマン・広能を演じたドレスコーズの志磨遼平が演技初挑戦となった今作について「初めてなので何を準備していいかわからなかったので、普段バンドをやっているので一般の方よりは写真を撮ってもらっているのでいつも撮ってくれる人をイメージした」と感想を述べると、撮影機会が多かった小松は「こんなカメラマンさんは実際にいて、はまっていました!」と絶賛した。さらに志磨は前身バンド、毛皮のマリーズ時代の名曲『コミック・ジェネイション』の主題歌も監督の要望を受けてドレスコーズとして再録音したことも語った。

 最後に今作でメガホンを取った山戸監督から「今、素晴らしい映画がたくさん生まれるなかで”今を生きる女の子の心に寄り添う映画”として、どの映画にも負けないと思っています。そして、キャストのみなさんの輝きが焼きついた映画です」と言うと会場からは大きな拍手が起こった。それを受けて菅田が「この作品は山戸監督が見たい世界であり、でも、そこにある気持ちや人間関係はそんなに遠くなく、憧れのような時間でもありました。必死に作った、代表作だと思っています。ぜひ、広めていってください!」と力強く語れば、小松は「夏芽にとっても、私自身にとっても、17日の撮影期間は特別なものでした。コウと夏芽が会った時の衝撃のように、皆さんにも何かを感じてもらえたらいいなあと思います」と会場に呼びかけて、大きな歓声が響くなか、大盛況の末イベントは幕を閉じた。

DATA
■『溺れるナイフ』完成披露舞試写舞台挨拶

日程:2016年10月18日(火)
場所:有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11F)
登壇者:小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅(ジャニーズWEST)、上白石萌音、志磨遼平、山戸結希監督

■映画『溺れるナイフ』
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ROADSHOW:2016年11月5日(土)からTOHOシネマズ渋谷ほか全国ロードショー
STAFF:
原作=ジョージ朝倉『溺れるナイフ』(講談社『別冊フレンド』刊)
監督=山戸結希
脚本=井土紀州、山戸結希
音楽=坂本秀一
製作=「溺れるナイフ」製作委員会(ギャガ/カルチュア・エンタテインメント)
助成=文化芸術振興費補助金
企画協力・制作プロダクション=松竹撮影所
制作プロダクション=アークエンタテインメント
企画・製作幹事・配給=ギャガ 
主題歌:『コミック・ジェネレイション』ドレスコーズ(キングレコード)

公式HP:http://gaga.ne.jp/oboreruknife/

CAST:
小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅(ジャニーズWEST)、上白石萌音、志磨遼平(ドレスコーズ)

STORY:
 あの頃、君が世界の全てで、私たちは永遠だと信じていた―。15歳の夏。東京から遠く離れた浮雲町に越してきた、人気モデルの望月夏芽(小松菜奈)。退屈でウンザリするようなこの町で、夏芽は体を貫くような‘閃光’と出会ってしまう。それは、コウと呼ばれる少年・長谷川航一朗(菅田将輝)だった。傲慢なほどに激しく自由なコウに、反発しながらも、どうしようもなく惹かれてゆく夏芽。コウもまた、夏芽の美しさに対等な力を感じ、やがてふたりは付き合いはじめる。「一緒にいれば無敵!」という予感に満たされるふたり。しかし浮雲の夏祭りの夜、全てを変える事件が起きるのだった―。失われた全能感、途切れてしまった絆。傷ついたふたりは、再び輝きを取り戻すことができるのか。未来への一歩を踏み出すために、いま、ふたりがくだす決断とは―。

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