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“飾らない”が俺たちらしさ――『FlyME project』DRINK MEインタビュー

2018.05.03 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 男性声優×ヴィジュアル系による異色プロジェクト『FlyME project』。同プロジェクトでは、キャッチーな楽曲&ヴィジュアルのDRINK ME(ドリンクミー)、ダークなサウンドとヴィジュアルのMEDICODE(メディコード)の2バンドが、同レーベルから同時デビューし、時にすれ違い、時に音を重ね合わせる様が描かれている。

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 今回は、『FlyME project』に所属するバンド“DRINK ME”のメンバーにインタビューを実施。バンド結成の由来から目指すヴィジョンについて語ってもらった。ヴォーカル・嵐太朗が“犬っぽい”と盛り上がるなど、メンバー同士の仲の良さが伝わるインタビューとなった!

DRINK MEとは

 Vo.嵐太朗(らんたろう)、Gt.渦潮(うずしお)、Ba.夕凪(ゆうなぎ)、Dr.電(でん)によるヴィジュアル系バンド。渦潮を中心に結成。耳に残るキャッチ―な楽曲でファンを増やしている。

 以前、嵐太朗以外のメンバーはMEDICODEの翳(くもり)と共に活動をしていた。翳の脱退を期に新ヴォーカル嵐太朗を迎え、バンド名を改め、気持ちを新たに歩み始めた。

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バンド名が”スルメ”になる未来もあった!? 彼らの出会いや今後のヴィジョンなどを聞く!!

――本日はよろしくお願い致します。まずは簡単に自己紹介をお願いします!

嵐太朗:こんちわっす! ヴォーカルの嵐太朗っす!

渦潮:ギターの渦潮です。リーダーと宣伝担当でーす。

夕凪:ベース夕凪です。特に役職はないです。

電:ドラムの電さんです。最年長なので手厚くお願いしますー(笑)。

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――DRINK MEは前ヴォーカルの脱退後、新ヴォーカルに嵐太朗さんを迎えバンド名も一新して活動をスタートしているそうですね。バンド結成から現在までを振り返るとどのような思いやバンドにとっての変化があったのでしょうか?

渦潮:前のバンドは、俺、ゆう(夕凪)、電、そしてMEDICODEの翳(くもり)で活動をしていたんですけど、ヴォーカルの翳が辞めてバンド自体も活動休止になって。翳以外のメンバーでバンド名も新しくして再始動しないかって話を今の事務所から頂いていて、そんな時にたろ(嵐太朗)と出会ったんです。

電:すごいタイミングだったよねぇ。バンドが休止になって立ち止まっている時に渦潮がふわっとたろくんを拾ってきて(笑)。

嵐太朗:そんな! 俺を捨て犬みたいに言わないでくださいっす!!

夕凪:所持金がなくて行き場のない嵐太朗を保護したんだよな。

渦潮:そう。結構雨が降っている日でさ。一回普通にたろの前を通ったんだけど、それから結構時間が経ってもう一度その場所を通ったらまだ同じようにそこにいてさ。何か困ってるのかと思って話しかけてみたんだよね。

電:渦潮すごいよね。コミュ力というかなんというか。だってそのままたろくんを家に連れて帰ってきたでしょ? 赤の他人を家にいれるなんてさぁ。

夕凪:いやいやそれを言えば嵐太朗もな。会ったばかりの知らない奴の家行けるなんてどんだけ信用してるんだよ。

嵐太朗:だ、だってぇ! 俺は東京に憧れて上京してきたんすけど途中で金が無くなっちゃって……。本当にどこにも行き場がなかったんすもん! すげぇ雨だし!

渦潮:それこそ、傘買う金もないって言っていたから不憫に思ってつい……。でもそのお陰でたろと生活するようになって、こいつならヴォーカルを任せられるかなって思うようになったからまじ運命!

夕凪:嵐太朗ってよく鼻歌を歌うんですよ。それを不意に聞いた渦潮が新しいヴォーカルにいいんじゃないかって言い始めて。

電:最初は謎の居候だったんで、「この子がヴォーカル!? まさか」って信用していなかったんですけど。じっくり話をしたり声を聴いたりしてみると一緒にバンドをやりたいなという欲が出てきて、いつの間にかたろくんをヴォーカルに置いてデビューしていました。

嵐太朗:あの時にあの場所で雨宿りしていなかったらって、たまに考えることがあるんす。だって、もしも渦潮さんに見つけてもらえなかったら俺はここに居ないじゃないっすか。

夕凪: 確かにそうかもな。本当に運命だったのかもな。

電:でも、それこそ前に活動していた時とはすべてが違って。あ、いい意味でね。たろくんがいることによって場が和むんですよ、いじり甲斐があるというかね。

夕凪:それはありますね。渦潮と電とは学生時代から知っているので予想内の事しか基本起こらないんですけど、こいつが居ると思ってもみない事が起こるのでそれが楽しいです(笑)。

嵐太朗:ちょっと夕凪さん! それどういう事っすか!

渦潮:この通り、今は確実にバンドを楽しめているのでよかったなと思っています(笑)。

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――嵐太朗さんが加わったことが新たな刺激になっているのですね! “DRINK ME”というバンド名には、どのような意味が込められているのでしょうか?

渦潮:これは俺の好きな2組のアーティストに“DRINK ME”という言葉の入った楽曲やアルバムがあって、そこから拝借しました。

嵐太朗:そうなんすか!? 俺が入ることになった時すでにDRINK MEだったんで知らなかったっす!

夕凪:俺も知らなかった……。もっと深い意味があると思っていたのに……。電は知ってたのか?

電:もちろん知ってたよー。だけど、バンドが始動する前にプロジェクト名が先に決まっていて“FlyME”の”ME”を使ってくれって社長から言われていてさー。

渦潮:そうそう、なんか面倒な縛りがあってさー! 俺英語とか全然わかんないから”スルメ”と”カモメ”が最初の候補で。

嵐太朗:うひょー! どっちも生き物っすね!

電:たろくん、スルメは生き物じゃないね。

夕凪:イカだったモノだな。

渦潮:確か、たろがうちで居候するようになってスペースを空けるために片付けた時かな?昔買ったCDを手に取って、そこで「あ! DRINK MEって”ME”入ってんじゃん」って。

嵐太朗:じゃあ、マジで俺がいなかったら違う名前だったかもしれないって事っすね!

電:たろくんがいなかったら3人で”スルメ”だったかもしれないねぇ。

渦潮:可能性あるな。

夕凪:嵐太朗、初めてお前に感謝したよ。

嵐太朗:初めてっすか!? もっと感謝してもらえるように頑張るっす……!

――DRINK MEはアー写を見るだけでもポップかつ攻撃的なイメージがあります。バンドの特徴を一言で表すと何でしょうか?

夕凪:一言って難しいな……。

電:なんだろう、飾らないとか?

渦潮:いや、がっつりメイクしてるじゃん(笑)。

電:あ、確かに……(笑) でもほら、気持ちは飾ってないじゃん?

嵐太朗:気持ちは全く飾ってないっす! ホントそのまま俺たちって感じっすよね!

夕凪:こういうインタビューじゃなくても俺たちってこのままなんですよ。”飾らない”ってのは確かにいい表現かもしれないですね。どう思う?

渦潮:それなら納得! 楽曲や歌詞でもかっこ悪いところも含め全部俺たちなんで、素のままの俺たちを見てほしいので確かに自分たちでも意識しているところですね。

――同じレーベルから同時デビューしたMEDICODEに対してどんな思いを抱いていますか?

電:思いかぁ。どうですか皆さん。

渦潮:うーん、たろ以外うちのメンバーはMEDICODEのメンバーと前から関わり合いがあるので……。

夕凪:なんだろう、学年が変わってクラス替えがあった的な。

渦潮:確かに、その感覚に近いね。プライベートでも個々で彼らと話すことは多いし、バンドが違うからと言って俺としてはぎくしゃくしているつもりはないんですけどね(苦笑)。

嵐太朗:俺は正直プレッシャーだらけだったっす……。それは今も感じることが多いっすね。やっぱり前のバンドの音源を聞いた時に、翳さんを越えられるかどうか毎回試されている気がして。

電:そうだね、たろくんが翳に対してそう思ってしまうのは無理ないよ。やっぱりMEDICODEに負けたくないなって気持ちがあるので楽曲の制作だったり彼らと何か張り合わなきゃいけない時には嫌でも意識してしまいますね。

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嵐太朗のレコーディングでは渦潮が「新しい世界が見えない!」を連発!? 

――12月にはNewシングル『The New World』をリリースしました。バンドとしては2枚目のシングルですが、今作はどのような一枚に仕上がっていますか? 

渦潮:今作はすごく内容にこだわっていて歌詞を見てもらうとわかるんですけどファンへの手紙みたいな一枚になっていると思います。

電:実際、最初のリリース曲から時間が経ったということもありますし、表現したいことが多かったはずなんですけどこうしてリリースしてみると伝えたい事が明確なんだなと思いましたね。

夕凪:時間が経った分、それだけ俺たちは成長しているので新しい俺たちが見せる世界を皆に体感して欲しいです。

嵐太朗:歌い方も前より力強い感じにして見たり、グッと伸びる部分はできるだけ広く感じてもらえるように意識して歌ったっす!

渦潮:レコーディング中は俺が「もっとこうしてほしい!」って細かい要望を出しまくって、たろはそれに応えるために汗だくになって歌っていました。

夕凪:大サビかな? 『The New World』っていう度に渦潮が嵐太朗に「新しい世界が見えない! もう一本!」みたいなやり取りをしていて(笑)。

電:あったね(笑)。いつまでやるんだろうって思ってたよ。

嵐太朗:もう永遠に感じだっすよ(笑) 「まだダメっすか!?」って。

渦潮:でもいい楽曲になったじゃーん!

嵐太朗:そ、そうっすけど!

夕凪:まぁ、すごい数の『The New World』から勝ち抜いたのが今のテイクだって考えて聞いてもらえるとまた楽しみ方も増えると思うのでよろしくお願いします(笑)。

――カップリングには『EAT EAT EAT』を収録。こちらは“病みすらも食べてしまう”という歌詞がとても印象的でした。

嵐太朗:そうっすね。ネガティブな部分って誰にもあると思うんすけど、そういう悩みとか迷いみたいなものをぜーんぶ俺が食べるから元気になってくれ! って感じの曲なんす!

電:ちょっと歪んだ考えに聞こえるかもしれないんですけど、応援ソングです(笑)。その悩みを解決する事って難しいと思うのでそれならいっその事食べちゃおうって。

夕凪:寝ている間に夢を食べる動物がいるような感覚だよな。食べるだけなら、細かい内容を背負わなくていいし相手を少し楽な気持にする事が出来そうだもんな。

渦潮:俺はマイナス思考とかネガティブって伝染する病気みたいに思っていて、でもそれを取り払える人ってたまにいるじゃないですか、俺たちがそういう存在になりたかったんです。だからネガティブ沼に片足を突っ込んでしまってもこの曲を聴いて正気に戻って欲しいですね(笑)。

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――ここで質問が少し変わるのですが、DRINK MEはヴィジュアル系というシーンにおいてどんなバンドを目指していますか? または目指しているヴィジョンはありますか?

電:目指しているヴィジョンですかー、俺たちって日々進化してるんですよ。多分最初から応援してくれている人たちはそれがよくわかると思うんですけど、これからも常に変化し続けるバンドを目指したいです。

夕凪:同じ事が続くと飽きてしまうじゃないですか、「あれ? こんなバンドだったっけ?」って次々に新しい見え方を楽しめる存在でいたいですね。

渦潮:確かにそれもあるね。俺はヴィジュアル系でもロックバンドに近かったり、ロックバンドでもメイクをしていたりと境界線がいい意味で滲んできているのでどちらにも属することが出来る存在、多くの人たちからなーんか気になるバンドってのを目指していきたいです(笑)。

嵐太朗:俺も同感っす! もっともっとたくさんの人に聞いてもらえるようになりたいっす! そして俺たちって形を見せたいっす!

――最後に読者へのメッセージをお願いします!

渦潮:俺たちはみんなの声があるから頑張れる!だからついてきてくれよな!

夕凪:ファンがいる限りこれからも精一杯頑張っていきたいと思います。

電:電さんはみんなに恩返しができるように日々努力するね。

嵐太朗:ドリンカーのみんな! 大好きっすー! これからも応援よろしくっすよ!

――ありがとうございました!

FlyME projectとは

 声優×ヴィジュアル系バンドがコラボしたプロジェクト。キャッチーな楽曲&ヴィジュアルのDRINK ME(ドリンクミー)、ダークなサウンドとヴィジュアルのMEDICODE(メディコード)の2バンドが、同レーベルから同時デビューし、時にすれ違い、時に音を重ね合わせる様が描かれている。

【About FlyME】

 異なった見た目、楽曲のV系バンドが同じ音楽レーベルへほぼ同時期に所属。事務所側からはお互いを競わせるため、CDの同時リリースを決める。

 以前から同じバンドメンバーとして活動しており仲の良いものもいるが、一部メンバーはあるバンドの解散以来、まともに会話さえできなくなってしまった。

 些細な事ですれ違ってしまった感情、ねじ曲がってしまった関係、過ぎてゆく時間と共に闇へ葬られようとする過去、そして真実。

 抱えるものは違えど、いつか分かり合えるはず。そう信じて、それぞれの音は、今、重なり合う。

公式サイト:http://flymepro.com/
公式Twitter:@FlyMEproject
グッズ通販サイト:http://x-po.jp/

©EXIT TUNES/Xarts

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