文豪ストレイドッグスで中原中也を演じる谷山紀章さん。十代の頃から愛読している小説家とは？

――中原中也として演じたい話を教えてください。

　能力集団「組合」のラヴクラフトと対決するところまでは絶対に演りたい！僕とまもちゃん（宮野真守）が一緒に戦うので、原作を読んだときから楽しみだったしアニメでも描き切ってほしいし、みんなも観たいと思うし、実は誰よりも僕が観たい！　今でこそ愛憎入り混じる複雑な関係の太宰と中也ですが、過去の関係性が垣間見える場面もあるんです。あと、ラヴクラフトはずっと好きで、十代の頃から読んでいたので登場したときからわくわくしていて。だから、そこまで続いてほしいです。

――実在のラヴクラフトは作家にして詩人で、多くのホラー小説を発表し、クトゥルフ神話を生み出した人物ですね。

　ホラー小説も大好きだし、クトゥルフ神話も読んでいました。ただ文体が難しいから、読書慣れしてないと全然頭に入ってこない（笑）。でも大人になってから読み返すと、またちがう味わいがある作品で、クトゥルフ神話に登場する架空の書物『ネクロノミコン』を読んでみたくて…。こんなふうに、アニメを観ている人には、ぜひ作品に登場する作家に興味を持ってもらって、そこからさらに広がる新たな世界を知ってほしいです。

――そこが、この作品の魅力のひとつでしょうか。

　そう！　知らない作家の小説を手にとってみるといった冒険をしてほしい。同時にいい意味で真正面から〝中二病〟的なストーリーを描いていることも大きな魅力だと思います。僕自身がそういう世界観が大好きで、永遠に中二病でいたいから。今回、僕と飯塚昌明のバンドGRANRODEOでＯＰ主題歌『TRASH CANDY』を歌っていますが、「中二病」という言葉を歌詞に使ったりしています。過去に『SUGAR』という曲で「前略、中原中也様」という歌詞があって、この役が決まったときにファンの方から「大好きな中原中也の役でよかったですね」と言っていただきましたが、実は偶然です（笑）。でも、演じられたことはすごく嬉しいので、歌っていてよかったなと思ってます。

――演じるにあたり、中原中也について何か調べましたか？

　演じるのはキャラクターであって作家本人ではないけど、人となりは知っておこうと思って少しは調べました。ランボーの詩を翻訳していて、自身が書く詩も抽象的でファンが多い。残された写真もベイビーフェイスなのにアルコール依存症で太宰 治と仲が悪い…もう、最高ですね（笑）。そういった部分を意識して、少しは織り込みました。

（PASH!2016年8月号より一部抜粋）

続きはPASH!8月号で！

DATA

HP：http://bungo-stray-dogs.jp/

Twitter：@bungosd_anime

Ⓒ 2016 朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグス製作委員会

STAFF： 原作=朝霧カフカ、漫画=春河３５（『ヤングエース』連載）監督＝五十嵐卓哉、シリーズ構成・脚本＝榎戸洋司、キャラクターデザイン＝新井伸浩、総作画監督＝新井伸浩・菅野宏紀、音響監督＝若林和弘、アニメーション制作＝ボンズ

CAST：中島敦＝上村祐翔、太宰 治＝宮野真守、国木田独歩＝細谷佳正、江戸川乱歩＝神谷浩史、谷崎潤一郎＝豊永利行、与謝野晶子＝嶋村 侑、芥川龍之介＝小野賢章、梶井基次郎＝羽多野 渉、泉 鏡花＝諸星すみれ ほか

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