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平成2年は『ちびまる子ちゃん』や『ふしぎの海のナディア』がスタート! 平成のアニメを振り返る『平成アニメ備忘録』第2回

2018.09.07 <PASH! PLUS>


PASH! PLUS

 平成が終わる前に30年分のTVアニメを振り返る『平成アニメ備忘録(仮)』シリーズ! 今回は平成2年(1990年)のアニメを振り返ります。  

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 この連載では、30年間に放送されたTVアニメの中から気になるタイトルを独断と偏見でピックアップしつつ、アニメとともに元年から平成を振り返っていきます。

 平成2年(1990年)は、ムーミン谷で暮らす生き物の生活描いた『楽しいムーミン一家』、弓術の名手・ロビンフッドの日常を描いた『ロビンフッドの大冒険』、手塚治虫の伝奇SF『悪魔城のプリンス 三つ目がとおる』などが放送されました。

 今回は、数ある平成元年に放送されたTVアニメのうち3作をご紹介します!

海上での“ワクワク感”を楽しめる『ふしぎの海のナディア』

 1990年にNHKで放送され、2012年にも再放送が行われた『ふしぎの海のナディア』。アニメーション制作を手掛けるのは『新世紀エヴァンゲリオン』で知られるガイナックス。また総監督を庵野秀明さん、キャラクターデザインを貞本義行さんが担当するなど、『エヴァ』の主要スタッフがかかわっています。(ちなみに『新世紀エヴァンゲリオン』が制作されたのは平成7年。『ふしぎの海のナディア』の方が先に誕生しています!)。  

 本作は、“SFの父”とも呼ばれるフランスの小説家ジュール・ヴェルヌによるSF小説『海底二万里』を原案としたSFアニメーション作品。発明好きの少年ジャン・ロック・ラルティーグは、飛行機コンテストに参加するため訪れた地で、少女・ナディアと出会います。ナディアは、ブルーウォーターと呼ばれる宝石を手にしていたことから追われる身でした。ジャンはナディアを助けるため、発明した飛行機で彼女を連れ去り勇敢に飛び立つも、飛行機は故障。海で漂流してしまい絶体絶命かと思いきや、最終的に謎の人物・ネモ船長が指揮する潜水艦に助けられます。

 この一件をきっかけにジャンとナディアは強大な敵との戦い、そして世界を股にかけた大冒険へと旅立つことになるのです。 本作の見どころは“冒険ならではのワクワク感”。近未来的な潜水艦による旅、個性的なメカの登場、旅路を阻む敵の出没……何が起こるか分からない海の上での冒険は、見る者を“どんな場所へと連れだしてくれるのだろうか”とワクワクさせてくれること間違えありません!  

 また本作では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』でと同じBGMが使用される場面もあり、『エヴァ』を見ていた方には「これはもしかして?」と“気付ける楽しみ”もあります。

昭和ならではのノスタルジーが感じられる『ちびまる子ちゃん』

 1990年に放送がスタートし、2018年でアニメ化から28周年を迎える『ちびまる子ちゃん』は、『サザエさん』、『ドラえもん』、『それいけ!アンパンマン』に次いで4番目に長い長寿番組です。それだけ長い期間、国民に愛されている“国民的アニメ”です。  

 本作は静岡県を舞台に小学三年生のまる子や、まる子の家族や友人との日常を描いた作品。主人公である“まる子”の本名は“さくらももこ”でありながら、家族からも友人からも“まる子”としか呼ばれていません(本名で呼ばれることはかなりレア!)。ももこが“まる子”と呼ばれるようになったのは、小さい=“ちび丸”に女の子の“子”を足した“ちび丸子“が由来していることをご存知でしたか? 筆者はこのコラムを執筆するにあたって知ったため、友人にこれみよがしに語ろうと思っています。  

 そんな『ちびまる子ちゃん』は、昭和を描いた作品。まる子は百恵ちゃんこと山口百恵のコンサートに行っていたり、まる子のお姉ちゃんはヒデキ(西城秀樹さん)を推していたりと、当時のアイドルが登場する場面も。ほかにも、1999年に昭和を震撼させた“ノストラダムスの大予言”にまる子が恐怖を感じたりと、昭和の出来事や流行りが取り入れられており、昭和を知る人も知らない人も心地よいノスタルジーを感じることができます。  

 誰もが体験するであろう日常に親しみを覚える視聴者も多く、この年『ちびまる子ちゃん』の視聴率は39.9%を記録。驚異的な数字をたたき出し、流行語大賞で流行語部門を受賞しました。

 なお『ちびまる子ちゃん』の原作者・さくらももこ先生が8月15日にお亡くなりになりました。素晴らしい作品を私たちに届けてくださった先生のご冥福をお祈りいたします。

これでいいのだ! 個性的なキャラクターのドタバタ劇を描いた『平成天才バカボン』

 最後にご紹介するのは赤塚不二夫の漫画『天才バカボン』を原作としたTVアニメ『平成天才バカボン』。アニメ化されるのは1971年に放送された『天才バカボン』、1975年に放送された『元祖天才バカボン』に続く3回目。基本的なストーリーは『元祖』のリメイクとなっています。  

 本作には破天荒なバカボンのパパやのんびり屋(後に腹黒い面も見せる)のバカボン、良妻・バカボンのママ、天才赤ちゃんのハジメちゃんといったバカボン一家。25人の子供を持ちいつも町内を箒で掃除しているレレレのおじさん、オーバーリアクションが印象的な本管さん、鰻と犬のハーフ(?)のウナギイヌなど個性的なキャラクターが登場し、毎話ドタバタ劇を繰り広げます。

 なお現在、本作を題材にした『深夜!天才バカボン』が放送中。こちらは細川徹監督のオリジナルストーリーで展開されていますが、“深夜放送”ならではの毎回予想できない展開に、毎回大きな話題を呼んでいます。すっごく笑えて元気になれる。

平成2年の日本はどうだった?

 ちなみに平成2年の日本では、任天堂よりスーパーファミコン、麒麟麦酒よりキリン一番搾り生ビールが誕生。また第1回大学入試センター試験が実施されたほか、ザ・ビートルズの元メンバーであるポール・マッカートニーが、1980年の強制送還以来、念願の初来日! また、ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』が放送開始されました。  

 次回の『平成アニメ備忘録』をお楽しみに!

過去の記事はこちら

第1回(1989年/平成元年)

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